数学I・A 例題マスター
〜 問題で学ぶ・基礎網羅から共通テストまで 〜
本書の構成と使い方
本書は「講義→問題」ではなく、問題を解きながら学ぶ例題ベースの参考書です。
| 区分 | レベル | 解答の位置 | ねらい |
|---|---|---|---|
| A問題 | 教科書基礎(★) | 問題のすぐ下 | 学習指導要領の基礎範囲を全網羅。各テーマ最低2問(A1-1, A1-2 …) |
| B問題 | 応用・入試基礎(★★〜★★★) | 章末にまとめて | 各テーマ最低3問(B1-1〜B1-3 …)。つまずきやすい単元は増量 |
| 実戦問題 | 共通テスト形式 | 章末にまとめて | 誘導つき穴埋め。時間は気にせず「誘導の意図」を読む練習 |
A問題の型:問題 →「解答」→「ポイント」(解き方の核心・一般化)
B問題・実戦の型:「考え方」(方針の立て方)→「解答」→「ポイント」
使い方
1. A問題を上から順に。解答を隠して自力で→すぐ下の解答と照合→ポイントを音読
2. 類題(-2, -3)で「手が勝手に動く」状態まで反復
3. B問題は考え方を自分で言葉にしてから解く。詰まったら5分で切り上げて解説へ→翌日再挑戦
4. 実戦問題は誘導(前の設問)を使う意識で
記号の凡例 ①②③… = 小問の番号 / (i)(ii)(iii) = 解答内の場合分け / [ア][イ] = マーク欄(共通テスト形式) / (あ)(い)(う)… = 選択肢
公式まとめの活用法 各章の冒頭に「この章の公式・要点まとめ」を置いた。演習前にひととおり目を通し、B問題を終えたあとにもう一度戻って「全部を自力で使えるか」を点検すると定着が速い。
目次
第1章 数と式
この章の公式・要点まとめ
展開・因数分解の公式
• (a+b)² = a²+2ab+b² / (a−b)² = a²−2ab+b²
• (a+b)(a−b) = a²−b²
• (x+a)(x+b) = x²+(a+b)x+ab
• (ax+b)(cx+d) = acx²+(ad+bc)x+bd(← たすき掛けはこの逆)
• (a+b+c)² = a²+b²+c²+2ab+2bc+2ca
• 因数分解の手順:共通因数 → 公式 → たすき掛け → 最低次の文字で整理(同じカタマリはおき換え)
実数・平方根
• 循環小数:x とおき、周期の桁数だけ10倍して引く
• √(a²) = |a|(中身が負なら符号を反転して外す)
• 有理化:√1個 → 同じ√を掛ける/a±√b 型 → 共役(符号違い)を掛ける
• 整数部分・小数部分:平方数ではさむ。小数部分 b =(もとの数)−(整数部分)、0 ≦ b < 1
対称式(基本対称式 x+y、xy で表す)
• x²+y² = (x+y)²−2xy
• (x−y)² = (x+y)²−4xy
• x³+y³ = (x+y)³−3xy(x+y)(数IIの先取りだが頻出)
1次不等式
• 負の数を掛ける・割るときだけ不等号の向きが逆転
• 連立不等式は数直線をかいて共通範囲(端点の白丸・黒丸に注意)
絶対値(c > 0 のとき)
• |A| = c ⇔ A = ±c
• |A| < c ⇔ −c < A < c
• |A| > c ⇔ A < −c または c < A
• 右辺に文字/絶対値が2つ → 中身の符号で場合分けし、解が場合の条件を満たすか必ず確認
A問題(基礎完成)— 解答は各問のすぐ下
A1【展開の基本公式】★
A1-1
次の式を展開せよ。
① (x+4)(x−4)
② (2x+3y)²
③ (x+2)(x−5)
④ (3x+1)(2x−3)
A1-1解答を見る解答を隠す
解答
① x²−16(和と差の積)
② 4x²+12xy+9y²((a+b)² = a²+2ab+b²)
③ x²−3x−10((x+a)(x+b) = x²+(a+b)x+ab)
④ 6x²+(−9+2)x−3 = 6x²−7x−3
ポイント 展開の4公式は「見た瞬間に形を判定」できるまで反復する。④の型 (ax+b)(cx+d) は「外×外+内×内」で真ん中の項を作る。この逆の操作が次のたすき掛け。
A1-2(類題)
次の式を展開せよ。
① (3a−2b)(3a+2b)
② (x−3y)²
③ (x+6)(x−2)
④ (a+b−c)²
A1-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
① 9a²−4b²
② x²−6xy+9y²
③ x²+4x−12
④ c を −c とみて3項の公式:a²+b²+c²+2ab−2bc−2ca
ポイント ④ は (a+b+c)² = a²+b²+c²+2ab+2bc+2ca に c → −c を代入。「c を含む項だけ符号が変わる」と整理すればミスしない。
A2【おき換えを利用する展開】★
A2-1
(x²+3x+1)(x²+3x−2) を展開せよ。
A2-1解答を見る解答を隠す
解答
x²+3x = A とおくと
(A+1)(A−2) = A²−A−2
A を戻して (x²+3x)²−(x²+3x)−2
= x⁴+6x³+9x²−x²−3x−2
= x⁴+6x³+8x²−3x−2
ポイント 同じカタマリは1文字におき換える。「共通部分を探す目」は因数分解でも最重要になる。(x²+3x)² の展開は (a+b)² = a²+2ab+b² で a = x², b = 3x。
A2-2(類題)
(a+b+2)(a+b−5) を展開せよ。
A2-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
a+b = t とおくと (t+2)(t−5) = t²−3t−10
= (a+b)²−3(a+b)−10
= a²+2ab+b²−3a−3b−10
A3【因数分解①:共通因数・公式】★
A3-1
次の式を因数分解せよ。
① 2ax²−8ax
② x²−6x+9
③ x²−8x+15
④ 9x²−25y²
A3-1解答を見る解答を隠す
解答
① 共通因数 2ax でくくって 2ax(x−4)
② (x−3)²
③ 掛けて15・足して−8 → −3と−5:(x−3)(x−5)
④ (3x)²−(5y)² = (3x+5y)(3x−5y)
ポイント 因数分解の手順は必ず「共通因数 → 公式 → たすき掛け → 最低次の文字で整理」の順。最初の「共通因数」を飛ばすと①のような問題で手が止まる。③は「掛けて定数項・足して1次の係数」の2数探し。
A3-2(類題)
次の式を因数分解せよ。
① 3x²y−12xy²
② x²+10x+25
③ x²+2x−24
④ 16a²−b²
A3-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
① 3xy(x−4y)
② (x+5)²
③ 掛けて−24・足して+2 → +6と−4:(x+6)(x−4)
④ (4a+b)(4a−b)
A4【因数分解②:たすき掛け】★★
A4-1
次の式を因数分解せよ。
① 2x²+7x+3
② 3x²−10x+8
③ 6x²+x−12
A4-1解答を見る解答を隠す
解答
① 掛けて2(1と2)、掛けて3(1と3)の組で、斜めに掛けて足すと7になる組合せ:
1×3+2×1 = 5(×)、1×1+2×3 = 7(○)→ (x+3)(2x+1)
② 3 = 1×3、8 = (−2)×(−4)。1×(−2)+3×(−4) = −14(×)、1×(−4)+3×(−2) = −10(○)
→ (x−2)(3x−4)
③ 6 = 2×3、−12 = 3×(−4)。2×(−4)+3×3 = 1(○)→ (2x+3)(3x−4)
ポイント たすき掛けは「x²の係数の分解」×「定数項の分解」の総当たりだが、符号から先に絞ると速い:定数項が正なら同符号(1次の係数と同じ側)、負なら異符号。検算は展開で10秒。
A4-2(類題)
次の式を因数分解せよ。
① 2x²+5x−3
② 4x²−8x+3
③ 6x²−7xy−3y²
A4-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
① 1×3+2×(−1) = 1(×)… 1×(−1)+2×3 = 5(○)→ (x+3)(2x−1)
② 4 = 2×2、3 = (−1)×(−3)。2×(−1)+2×(−3) = −8(○)→ (2x−1)(2x−3)
③ y を数とみなしてたすき掛け:6 = 3×2、−3y² = y×(−3y)。3×(−3y)+2×y = −7y(○)
→ (3x+y)(2x−3y)
ポイント ③のように文字が2種類でも、一方(y)を数のつもりでたすき掛けすればよい。
A5【循環小数を分数に直す】★
A5-1
循環小数 0.363636… を分数で表せ。
A5-1解答を見る解答を隠す
解答
x = 0.363636… とおく。循環の周期は2桁なので両辺を100倍:
100x = 36.3636…
引き算すると 100x−x = 36 → 99x = 36
よって x = 36/99 = 4/11
ポイント 「循環部分の桁数だけ10倍して引く」と循環部分が消える。周期1桁なら10倍、3桁なら1000倍。
A5-2(類題)
循環小数 1.272727… を分数で表せ。
A5-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
x = 1.2727… とおくと 100x = 127.2727…
99x = 126 → x = 126/99 = 14/11
ポイント 整数部分があっても手順は同じ。約分を忘れずに。
A6【根号の計算・分母の有理化】★
A6-1
次の式を計算せよ(分母は有理化すること)。
① √48−√27+√12
② (√6+√2)(√6−√2)
③ 6/√3
④ 2/(√5−√3)
A6-1解答を見る解答を隠す
解答
① 4√3−3√3+2√3 = 3√3(√48 = √(16×3) = 4√3 など、中身を「平方数×残り」に分解)
② (√6)²−(√2)² = 6−2 = 4
③ 分母分子に√3を掛けて 6√3/3 = 2√3
④ 分母分子に (√5+√3) を掛けて 2(√5+√3)/(5−3) = √5+√3
ポイント 有理化は「√1個 → 同じ√を掛ける」「a±√b 型 → 共役な式(符号違い)を掛ける」の2パターン。共役を掛けると分母は和と差の積で根号が消える。
A6-2(類題)
次の式を計算せよ。
① √50−√32+√8
② (√7−2)(√7+3)
③ 4/(√6+√2)
④ (√3+1)²
A6-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
① 5√2−4√2+2√2 = 3√2
② 7+3√7−2√7−6 = 1+√7
③ 4(√6−√2)/(6−2) = 4(√6−√2)/4 = √6−√2
④ 3+2√3+1 = 4+2√3
A7【絶対値と √(a²)】★
A7-1
次の値を求めよ。
① |3−7|
② |√5−3|
③ √((−6)²)
A7-1解答を見る解答を隠す
解答
① |−4| = 4
② √5 ≒ 2.24 < 3 なので √5−3 < 0。よって |√5−3| = −(√5−3) = 3−√5
③ √36 = 6(−6 ではない!)
ポイント |a| は「0からの距離」なので必ず0以上。中身が負なら符号を反転して外す:|a| = −a(a<0)。そして √(a²) = |a|。③を −6 と答えるのが最頻出ミス。
A7-2(類題)
次の値・式を求めよ。
① |2−√2|+|1−√2|
② a < 2 のとき √((a−2)²) を a の式で表せ。
A7-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
① √2 ≒ 1.41 より 2−√2 > 0、1−√2 < 0。
よって (2−√2)+(√2−1) = 1
② a−2 < 0 なので √((a−2)²) = |a−2| = −(a−2) = 2−a
ポイント 中身の符号を確認してから絶対値を外す。文字のときは与えられた範囲(a<2)が符号の情報。
A8【1次不等式】★
A8-1
次の不等式を解け。
① 3x−5 > x+3
② (x+2)/3 ≦ (2x−1)/2
A8-1解答を見る解答を隠す
解答
① 2x > 8 → x > 4
② 両辺を6倍して 2(x+2) ≦ 3(2x−1)
2x+4 ≦ 6x−3 → 7 ≦ 4x → x ≧ 7/4
ポイント 分数は分母の最小公倍数を両辺に掛けて整数係数にしてから解く。移項は等式と同じ感覚でよいが、次の問題の「負の数で割る」だけは別。
A8-2(類題)
次の不等式を解け。
① 2(x−3) < 5x+9
② 0.3x−0.2 ≧ 0.5x+0.4
A8-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
① 2x−6 < 5x+9 → −3x < 15 → 両辺を −3 で割って x > −5(不等号の向きが変わる)
② 両辺を10倍して 3x−2 ≧ 5x+4 → −2x ≧ 6 → x ≦ −3
ポイント 負の数を掛ける・割るときだけ不等号の向きが逆転。小数は10倍・100倍して整数化。
A9【連立不等式】★
A9-1
連立不等式 { 3x−2 < x+4 、 2x+1 ≧ x−3 } を解け。
A9-1解答を見る解答を隠す
解答
前の式:2x < 6 → x < 3
後の式:x ≧ −4
数直線に図示して共通範囲をとると −4 ≦ x < 3
ポイント 連立不等式は「両方を満たす範囲」=数直線をかいて重なる部分。端点(含む・含まない)を白丸・黒丸で区別する習慣を。
A9-2(類題)
連立不等式 { 5x−3 ≦ 2x+9 、 4x+1 > x+7 } を解け。また、これを満たす整数 x をすべて求めよ。
A9-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
前の式:3x ≦ 12 → x ≦ 4
後の式:3x > 6 → x > 2
共通範囲は 2 < x ≦ 4
これを満たす整数は x = 3, 4
ポイント 「整数解を求めよ」では端点が含まれるかが勝負。x = 2 は入らず、x = 4 は入る。
A10【絶対値を含む方程式・不等式(基本形)】★★
A10-1
次の方程式・不等式を解け。
① |x−3| = 4
② |x+2| ≦ 3
A10-1解答を見る解答を隠す
解答
① x−3 = ±4 → x = 7, −1
② −3 ≦ x+2 ≦ 3 → −5 ≦ x ≦ 1
ポイント c > 0 のとき
|A| = c ⇔ A = ±c
|A| < c ⇔ −c < A < c(距離が c より近い)
|A| > c ⇔ A < −c または c < A(距離が c より遠い)
「絶対値=原点からの距離」のイメージで3公式を一体化して覚える。
A10-2(類題)
次の方程式・不等式を解け。
① |2x−1| = 7
② |3x−2| > 4
A10-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
① 2x−1 = ±7 → 2x = 8, −6 → x = 4, −3
② 3x−2 < −4 または 3x−2 > 4
→ 3x < −2 または 3x > 6 → x < −2/3 または x > 2
ポイント 中身が 2x−1 のように複雑でも公式の A に丸ごと入れるだけ。「>」型の答えが2つの範囲に分かれることを図(数直線)で納得しておく。
B問題(応用力養成)
※解答・解説・ポイントは本章末尾「B問題 解答・解説」にまとめて掲載
B1【おき換え・複2次式の因数分解】★★
B1-1
x²+2xy+y²−x−y−6 を因数分解せよ。
B1-2
(x²−x)²−8(x²−x)+12 を因数分解せよ。
B1-3
x⁴−13x²+36 を因数分解せよ。
B2【2つの文字を含む因数分解(最低次の文字で整理)】★★★
B2-1
x²+xy−2y²+2x+7y−3 を因数分解せよ。
B2-2
2x²+5xy+3y²+3x+5y−2 を因数分解せよ。
B2-3
x²+xy+2x+3y−3 を因数分解せよ。
B3【対称式の値】★★
B3-1
x+y = 4, xy = 2 のとき、x²+y²、(x−y)²、x³+y³ の値を求めよ。
B3-2
x+y = √6, xy = 1 のとき、x²+y²、x/y+y/x、|x−y| の値を求めよ。
B3-3
x = √3+√2, y = √3−√2 のとき、x²+y²、x²y+xy²、x³+y³ の値を求めよ。
B4【整数部分・小数部分】★★
B4-1
√11 の整数部分を a、小数部分を b とするとき、a の値と b²+6b の値を求めよ。
B4-2
√7 の整数部分を a、小数部分を b とするとき、a の値、1/b の値、b²+4b の値を求めよ。
B4-3
2+√3 の整数部分を a、小数部分を b とするとき、a の値と b²+2b の値を求めよ。
B5【絶対値を含む方程式・不等式(場合分け)】★★★
B5-1
方程式 |x−1| = 2x を解け。
B5-2
方程式 |x+2|+|x−1| = 5 を解け。
B5-3
不等式 |2x−3| < x+3 を解け。
B6【1次不等式の文章題】★★
B6-1
1個120円のりんごと1個90円のみかんを合わせて15個買い、代金を1600円以下にしたい。りんごは最大何個買えるか。
B6-2
1本80円の鉛筆と1本120円のペンを合わせて20本買う。代金を2000円以下にするとき、ペンは最大何本買えるか。
B6-3
連続する3つの整数があり、その和は50より大きく60より小さい。このような3つの整数の組をすべて求めよ。
B問題 解答・解説
B1【おき換え・複2次式の因数分解】
B1-1 x²+2xy+y²−x−y−6
考え方 x²+2xy+y² = (x+y)² に気づけるか。すると式全体が「x+y のカタマリ」だけでできている。
B1-1解答を見る解答を隠す
解答
x+y = t とおくと
(与式)= t²−t−6 = (t−3)(t+2)
= (x+y−3)(x+y+2)
ポイント おき換えの合図は「同じカタマリが2か所以上」。展開して確かめる検算も忘れずに。
B1-2 (x²−x)²−8(x²−x)+12
考え方 x²−x がそのままカタマリ。おき換え後、さらに各因数が因数分解できないか最後まで確認する。
B1-2解答を見る解答を隠す
解答
x²−x = t とおくと
t²−8t+12 = (t−2)(t−6)
= (x²−x−2)(x²−x−6)
= (x+1)(x−2)(x+2)(x−3)
ポイント 「因数分解は、これ以上分解できなくなるまで」が鉄則。(x²−x−2) で止めると減点。
B1-3 x⁴−13x²+36
考え方 x⁴ = (x²)² とみれば x² の2次式(複2次式)。
B1-3解答を見る解答を隠す
解答
x² = t とおくと t²−13t+36 = (t−4)(t−9)
= (x²−4)(x²−9)
= (x+2)(x−2)(x+3)(x−3)
ポイント 複2次式 x⁴+px²+q はまず t = x² のおき換え。うまく分解できない型(例:x⁴+4)は「平方の差を作る」発展技があるが、まずはこの基本形を確実に。
B2【2つの文字を含む因数分解】
B2-1 x²+xy−2y²+2x+7y−3
考え方 x も y も2次 → どちらでもよいので x について降べきの順に整理。定数項(y の式)を先に因数分解し、たすき掛けへ。
B2-1解答を見る解答を隠す
解答
x について整理:x²+(y+2)x−(2y²−7y+3)
2y²−7y+3 = (2y−1)(y−3) だから
x²+(y+2)x−(2y−1)(y−3)
掛けて −(2y−1)(y−3)、足して y+2 となる2式を探すと
(2y−1) と −(y−3):和は (2y−1)−(y−3) = y+2 ○
よって {x+(2y−1)}{x−(y−3)} = (x+2y−1)(x−y+3)
ポイント 手順は「1つの文字で整理 → 定数項部分を因数分解 → たすき掛け(和が1次の係数に一致するか確認)」。必ず展開して検算する。
B2-2 2x²+5xy+3y²+3x+5y−2
考え方 B2-1と同じ型だが x² の係数が2なので本格的なたすき掛け。
B2-2解答を見る解答を隠す
解答
x について整理:2x²+(5y+3)x+(3y²+5y−2)
3y²+5y−2 = (3y−1)(y+2)
2 = 2×1、(3y−1)(y+2) の組で斜め掛けの和を確認:
2×(y+2)+1×(3y−1) = 5y+3 ○
よって (2x+3y−1)(x+y+2)
B2-3 x²+xy+2x+3y−3
考え方 x は2次、y は1次 → 手順④「最も次数の低い文字(y)について整理」の出番。1次なら共通因数が見えやすい。
B2-3解答を見る解答を隠す
解答
y について整理:(x+3)y+(x²+2x−3)
x²+2x−3 = (x+3)(x−1) だから
= (x+3)y+(x+3)(x−1)
= (x+3)(x+y−1)
ポイント 次数の低い文字で整理すると「くくるだけ」で終わることが多い。B2-1・B2-2(両方2次)とB2-3(次数差あり)の使い分けの判断こそがこのテーマの学習目標。
B3【対称式の値】
B3-1 x+y = 4, xy = 2
考え方 対称式(x, y を入れ替えても変わらない式)は、基本対称式 x+y と xy だけで必ず表せる。変形公式を使う。
B3-1解答を見る解答を隠す
解答
x²+y² = (x+y)²−2xy = 16−4 = 12
(x−y)² = (x+y)²−4xy = 16−8 = 8
x³+y³ = (x+y)³−3xy(x+y) = 64−24 = 40
ポイント 3点セットで暗記:
x²+y² = (x+y)²−2xy / (x−y)² = (x+y)²−4xy / x³+y³ = (x+y)³−3xy(x+y)
(3乗の公式は数IIの内容だが入試最頻出なので今から使えるように)
B3-2 x+y = √6, xy = 1
B3-2解答を見る解答を隠す
解答
x²+y² = (√6)²−2·1 = 4
x/y+y/x = (x²+y²)/(xy) = 4/1 = 4
(x−y)² = (√6)²−4·1 = 2 → |x−y| = √2
ポイント 分数の対称式はまず通分。(x−y) 自体は正負が決まらないので、値を問うなら |x−y| や (x−y)² の形になる。
B3-3 x = √3+√2, y = √3−√2
考え方 x, y の値が直接与えられたら、まず x+y と xy を計算してから対称式の公式へ(直接2乗・3乗するより速く、ミスも減る)。
B3-3解答を見る解答を隠す
解答
x+y = 2√3、xy = (√3)²−(√2)² = 1
x²+y² = (2√3)²−2·1 = 12−2 = 10
x²y+xy² = xy(x+y) = 1×2√3 = 2√3
x³+y³ = (2√3)³−3·1·2√3 = 24√3−6√3 = 18√3
B4【整数部分・小数部分】
B4-1 √11 の整数部分 a、小数部分 b
考え方 √11 をはさむ平方数を探す:9 < 11 < 16。小数部分は「もとの数 − 整数部分」で表す(0 ≦ b < 1)。求値は b を根号のまま代入せず、b+定数 = √の形に戻して2乗すると速い。
B4-1解答を見る解答を隠す
解答
3 = √9 < √11 < √16 = 4 より a = 3、b = √11−3
b+3 = √11 の両辺を2乗して b²+6b+9 = 11
よって b²+6b = 2
ポイント b²+6b を見て「(b+3)² の展開の一部」と気づくのがコツ。b = √11−3 を直接代入して展開しても解けるが、計算量が段違い。
B4-2 √7 の整数部分 a、小数部分 b
B4-2解答を見る解答を隠す
解答
4 < 7 < 9 より 2 < √7 < 3。a = 2、b = √7−2
1/b = 1/(√7−2) = (√7+2)/{(√7)²−2²} = (√7+2)/3
b+2 = √7 を2乗して b²+4b+4 = 7 → b²+4b = 3
ポイント 1/b は有理化とのセット問題。分母の共役 (√7+2) を掛ける。
B4-3 2+√3 の整数部分 a、小数部分 b
B4-3解答を見る解答を隠す
解答
1 < √3 < 2 より 3 < 2+√3 < 4。よって a = 3、b = (2+√3)−3 = √3−1
b+1 = √3 を2乗して b²+2b+1 = 3 → b²+2b = 2
ポイント 「2+√3」の整数部分は 2 ではない(√3 ≒ 1.73 なので全体は 3.73…)。式全体をはさむこと。
B5【絶対値を含む方程式・不等式(場合分け)】
B5-1 |x−1| = 2x
考え方 右辺に x があるので A10 の公式は使えない → 中身の符号で場合分け。出た解がその場合の範囲を満たすか必ず確認する。
B5-1解答を見る解答を隠す
解答
(i) x ≧ 1 のとき:x−1 = 2x → x = −1。これは x ≧ 1 を満たさず不適。
(ii) x < 1 のとき:−(x−1) = 2x → 1 = 3x → x = 1/3。これは x < 1 を満たす。○
よって x = 1/3
ポイント 場合分けの答えは「方程式の解」かつ「場合の条件」の両方を満たすものだけ採用。検算:|1/3−1| = 2/3 = 2×(1/3) ✓。なお |A| ≧ 0 だから右辺 2x ≧ 0(x ≧ 0)が必要、という絞り込みも有効。
B5-2 |x+2|+|x−1| = 5
考え方 絶対値が2つ → 中身の符号が変わる境目 x = −2, 1 で数直線を3つの区間に分割。
B5-2解答を見る解答を隠す
解答
(i) x < −2:−(x+2)−(x−1) = 5 → −2x−1 = 5 → x = −3(x < −2 ○)
(ii) −2 ≦ x < 1:(x+2)−(x−1) = 3 ≠ 5 → この区間に解なし
(iii) x ≧ 1:(x+2)+(x−1) = 5 → 2x+1 = 5 → x = 2(x ≧ 1 ○)
よって x = −3, 2
ポイント (ii) で式が定数3になるのは、|x+2|+|x−1| が「x から −2 までの距離+x から 1 までの距離」で、間にいる限り一定(= 2点間の距離3)だから。距離のイメージがあると答えの見当もつく(−2と1から外側へ1ずつ:−3 と 2)。
B5-3 |2x−3| < x+3
考え方 |A| < B 型(B に文字)。B > 0 なら −B < A < B と外せる。B ≦ 0 なら解なし。まとめて「−(x+3) < 2x−3 < x+3 を解く」で処理できる(この連立が解をもつとき自動的に x+3 > 0 になる)。
B5-3解答を見る解答を隠す
解答
−(x+3) < 2x−3 かつ 2x−3 < x+3
前:−x−3 < 2x−3 → 0 < 3x → x > 0
後:x < 6
よって 0 < x < 6
ポイント 検算:x = 0 で |−3| = 3 < 3 は不成立(端は含まない ✓)、x = 3 で |3| = 3 < 6 ✓。場合分け(x ≧ 3/2 と x < 3/2)でも同じ答えになる。両方の解法を持っておく。
B6【1次不等式の文章題】
B6-1 りんご(120円)とみかん(90円)で計15個、1600円以下
考え方 求めたいもの(りんごの個数)を x とおき、「〜以下」を不等式に翻訳。最後に「x は0以上15以下の整数」という隠れた条件を使う。
B6-1解答を見る解答を隠す
解答
りんごを x 個とすると、みかんは (15−x) 個。
120x+90(15−x) ≦ 1600
30x+1350 ≦ 1600 → x ≦ 250/30 = 25/3 = 8.33…
x は整数なので 最大8個
(検算:120×8+90×7 = 960+630 = 1590 ≦ 1600 ○)
ポイント 8.33… を「四捨五入して8」ではなく「8.33以下の最大の整数だから8」。この論理の違いを意識する。
B6-2 鉛筆(80円)とペン(120円)で計20本、2000円以下
B6-2解答を見る解答を隠す
解答
ペンを p 本とすると 120p+80(20−p) ≦ 2000
40p+1600 ≦ 2000 → p ≦ 10
よって 最大10本(ちょうど2000円で条件を満たす)
ポイント 今回は割り切れて p = 10 が境界ぴったり。「以下」なので10本は買える。「未満」だったら9本になる — 不等号の種類を最後まで意識。
B6-3 連続する3つの整数、和が50より大きく60より小さい
考え方 連続3整数は真ん中を n とおくと n−1, n, n+1 で、和が 3n ときれいになる。
B6-3解答を見る解答を隠す
解答
和は (n−1)+n+(n+1) = 3n
50 < 3n < 60 → 50/3 < n < 20 → 16.6… < n < 20
n は整数なので n = 17, 18, 19
よって (16, 17, 18), (17, 18, 19), (18, 19, 20) の3組
ポイント 「連続する整数は真ん中でおく」と対称性で計算が軽くなる。答えは n の値ではなく3つ組で答える(問いに正確に答える習慣)。
実戦問題(共通テスト形式)
実戦1-1【平方根と対称式】★★★
a = √5+√3、b = √5−√3 とする。
① ab = [ア]、a+b = [イ]√[ウ] である。
② a²+b² = [エオ] である。
③ a−b = [カ]√[キ] であり、a²−b² = [ク]√[ケコ] である。
④ 1/a+1/b = √[サ] である。
実戦問題 解答・解説
実戦1-1
考え方 a, b の値を直接2乗していくのではなく、まず ab と a+b(基本対称式)を求め、以降はすべて対称式の変形公式と因数分解で処理する — というのがこの誘導の意図。
実戦1-1解答を見る解答を隠す
解答
① ab = (√5+√3)(√5−√3) = 5−3 = 2(ア = 2)
a+b = 2√5(イ = 2、ウ = 5)
② a²+b² = (a+b)²−2ab = 20−4 = 16(エオ = 16)
③ a−b = (√5+√3)−(√5−√3) = 2√3(カ = 2、キ = 3)
a²−b² = (a+b)(a−b) = 2√5×2√3 = 4√15(ク = 4、ケコ = 15)
④ 1/a+1/b = (a+b)/(ab) = 2√5/2 = √5(サ = 5)
ポイント
• ③ の a²−b² を ②+因数分解で求めさせるのが共通テスト的:「前の結果を使え」というサインを読み取る。a² と b² を別々に計算するのは時間のムダ。
• ④ は通分 → 基本対称式。マークの形「√サ」から答えが√1個の形だと事前に分かる — 形からの逆算も実戦technique。
第2章 集合と命題
この章の公式・要点まとめ
集合
• ∩ = かつ(重なり)、∪ = または(合わせた全体)、Ā = U の中の残り
• ド・モルガンの法則:A∪B の補集合 = Ā∩B̄ / A∩B の補集合 = Ā∪B̄
• 要素の個数:n(A∪B) = n(A)+n(B)−n(A∩B)
命題の真偽
• 「p ⇒ q が真」⇔ 集合で P ⊂ Q(数直線・ベン図で判定)
• 偽を示すには反例1つ。反例探しの定番:負の数、0、x = −2、c = 0、n = 2、n = 9
• 逆(q⇒p)・裏(否定どうし)・対偶(逆+否定)。もとの命題と対偶の真偽は一致
• 否定の作り方:「かつ」⇔「または」が入れ替わる/「x > a」の否定は「x ≦ a」(等号がつく)
必要条件・十分条件(p ⇒ q が真のとき)
• p は十分条件、q は必要条件 —「矢印の先が必要」
• 両方向とも真 → 必要十分条件。判定は必ず ⇒ と ⇐ の両方を調べる
証明法
• 対偶法:結論が否定形・「または」を含むときに有効(対偶にすると仮定が具体化)
• 背理法:「無理数である」など。結論を否定して矛盾を導く(互いに素の仮定と衝突させる型)
• おき方の定石:偶数 = 2k、奇数 = 2k+1、3の倍数でない = 3k+1 または 3k+2
A問題(基礎完成)— 解答は各問のすぐ下
A1【集合の共通部分・和集合】★
A1-1
全体集合 U = {1, 2, 3, …, 10} の部分集合 A = {2, 4, 6, 8, 10}(偶数)、B = {3, 6, 9}(3の倍数)について、A∩B と A∪B を求めよ。
A1-1解答を見る解答を隠す
解答
A∩B(両方に属する)= {6}
A∪B(少なくとも一方に属する)= {2, 3, 4, 6, 8, 9, 10}
ポイント ∩(かつ)は「重なり」、∪(または)は「合わせた全体」。ベン図を描いて要素を書き込むのが最も確実。A∪B に 6 を2回書かないこと(集合の要素は重複しない)。
A1-2(類題)
U = {1, 2, …, 9}、A = {1, 2, 3, 6}(6の正の約数)、B = {1, 3, 5, 7, 9}(奇数)について、A∩B と A∪B を求めよ。
A1-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
A∩B = {1, 3}
A∪B = {1, 2, 3, 5, 6, 7, 9}
A2【補集合とド・モルガンの法則】★★
A2-1
A1-1 の U, A, B について、Ā(A の補集合)と Ā∩B を求めよ。
A2-1解答を見る解答を隠す
解答
Ā = U から A の要素を除いて {1, 3, 5, 7, 9}(奇数)
Ā∩B = 奇数かつ3の倍数 = {3, 9}
ポイント 補集合は「全体集合 U の中で」考える。U が変われば Ā も変わる。
A2-2(類題)
A1-1 の U, A, B について、「A∪B の補集合」を求めよ。また、Ā∩B̄ を求めて両者が一致することを確かめよ。
A2-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
A∪B = {2, 3, 4, 6, 8, 9, 10} なので、その補集合は {1, 5, 7}
Ā = {1, 3, 5, 7, 9}、B̄ = {1, 2, 4, 5, 7, 8, 10} より Ā∩B̄ = {1, 5, 7} — 一致 ○
ポイント これがド・モルガンの法則:「A∪B の補集合 = Ā∩B̄」「A∩B の補集合 = Ā∪B̄」。言葉にすると「『AまたはB』の否定は『Aでなく、かつBでない』」。バーを分配すると ∪ と ∩ が入れ替わる、と覚える。
A3【命題の真偽と反例】★
A3-1
次の命題の真偽を答えよ。偽のときは反例を1つ挙げよ。
① x > 1 ならば x² > 1
② x² > 1 ならば x > 1
A3-1解答を見る解答を隠す
解答
① 真(1より大きい数を2乗すれば1より大きい)
② 偽。反例:x = −2((−2)² = 4 > 1 だが −2 > 1 でない)
ポイント 偽を示すには反例を1つ挙げれば十分。反例探しのコツは「負の数・0・分数」を試すこと。①②のように「逆は成り立つとは限らない」のが論理の核心。
A3-2(類題)
次の命題の真偽を答えよ。偽のときは反例を1つ挙げよ。
① n が4の倍数ならば、n は偶数である。
② x+y > 2 ならば、x > 1 かつ y > 1 である。
A3-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
① 真(4の倍数 4k = 2×2k は偶数)
② 偽。反例:x = 3, y = 0(和は3 > 2 だが y > 1 でない)
A4【逆・裏・対偶】★
A4-1
命題「n が偶数ならば、n² は偶数である」の逆・裏・対偶を述べ、それぞれの真偽を答えよ。
A4-1解答を見る解答を隠す
解答
逆:「n² が偶数ならば、n は偶数」— 真
裏:「n が奇数ならば、n² は奇数」— 真
対偶:「n² が奇数ならば、n は奇数」— 真
(もとの命題も真)
ポイント 逆は矢印を反転、裏は両方を否定、対偶は「反転+否定」。もとの命題と対偶の真偽は必ず一致する(逆と裏も互いに一致)。ただし「もと」と「逆」は独立 — 次の類題で確認。
A4-2(類題)
命題「x = 2 ならば x² = 4」の逆・裏・対偶を述べ、それぞれの真偽を答えよ。
A4-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
逆:「x² = 4 ならば x = 2」— 偽(反例 x = −2)
裏:「x ≠ 2 ならば x² ≠ 4」— 偽(反例 x = −2)
対偶:「x² ≠ 4 ならば x ≠ 2」— 真
(もとの命題は真)
ポイント この例で「もと=対偶(真)、逆=裏(偽)」のペア関係が実感できる。真偽の調べは2回で済む(もとと逆だけ調べればよい)。
A5【必要条件・十分条件(基本判定)】★★
A5-1
次の( )に「十分条件」「必要条件」のうち適する方を入れよ。
① x = 3 は、x² = 9 であるための( )
② 「四角形ABCDが長方形」は、「四角形ABCDが正方形」であるための( )
A5-1解答を見る解答を隠す
解答
① x = 3 ⇒ x² = 9 は真、逆は偽(x = −3)。矢印が出る側なので 十分条件
② 正方形 ⇒ 長方形 は真(正方形は長方形の特別な場合)、逆は偽。
「長方形」は矢印の先にあるので 必要条件
ポイント p ⇒ q が真のとき「p は十分条件、q は必要条件」。覚え方は「矢印の先が必要」。集合でいえば P ⊂ Q(狭い・強い条件が十分条件)。②は「正方形であるためには、少なくとも長方形であることが必要」と日本語で読むと納得できる。
A5-2(類題)
次の( )に「十分条件」「必要条件」のうち適する方を入れよ。
① 「n は6の倍数」は、「n は3の倍数」であるための( )
② x² = x は、x = 1 であるための( )
A5-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
① 6の倍数 ⇒ 3の倍数 は真(6k = 3×2k)、逆は偽(n = 3)。十分条件
② x = 1 ⇒ x² = x は真。x² = x ⇒ x = 1 は偽(反例 x = 0:x² = x を満たす)。
矢印は「x = 1 → x² = x」の向きに出ているので、x² = x は 必要条件
ポイント ② x² = x の解は x = 0, 1(x² −x = x(x−1) = 0)。条件を満たすものの集合を先に求めると判定が機械的にできる:{1} ⊂ {0, 1}。
B問題(応用力養成)
※解答・解説・ポイントは本章末尾にまとめて掲載
B1【必要・十分の総合判定】★★★(各小問について、次の選択肢から選べ)
(あ) 必要十分条件である
(い) 必要条件だが十分条件でない
(う) 十分条件だが必要条件でない
(え) 必要条件でも十分条件でもない
B1-1
x, y は実数、a, b, c は実数とする。
① |x| = 2 は、x = 2 であるための( )
② 「x > 0 かつ y > 0」は、xy > 0 であるための( )
③ x²+y² = 0 は、「x = 0 かつ y = 0」であるための( )
④ x > 2 は、x ≧ 2 であるための( )
B1-2
① 「四角形の2本の対角線が垂直に交わる」は、「四角形がひし形」であるための( )
② x = 1 は、x³ = x であるための( )
③ 「整数 a+b が偶数」は、「整数 a, b がともに偶数」であるための( )
④ 「△ABC ≡ △DEF」は、「△ABC と △DEF の面積が等しい」であるための( )
B1-3
① 「xy が無理数」は、「x, y の少なくとも一方が無理数」であるための( )
② x² > 4 は、x > 2 であるための( )
③ 「自然数 n が素数」は、「n が奇数」であるための( )
④ a = b は、ac = bc であるための( )
B2【対偶を利用した証明】★★★
B2-1
整数 n について、「n² が3の倍数ならば、n は3の倍数である」ことを、対偶を利用して証明せよ。
B2-2
整数 n について、「n² が偶数ならば、n は偶数である」ことを、対偶を利用して証明せよ。
B2-3
実数 x, y について、「x+y > 2 ならば、x > 1 または y > 1」であることを、対偶を利用して証明せよ。
B3【背理法】★★★
B3-1
√3 が無理数であることを、背理法を用いて証明せよ。(B2-1 の結果を用いてよい)
B3-2
√2 が無理数であることを用いて、√2+1 が無理数であることを、背理法で証明せよ。
B3-3
a が有理数、b が無理数のとき、a+b は無理数であることを、背理法で証明せよ。
B問題 解答・解説
B1【必要・十分の総合判定】
考え方 必ず「⇒」と「⇐」の両方向を調べる。手順は「⇒の真偽(偽なら反例)→ ⇐の真偽 → 組合せで判定」。集合の包含(P ⊂ Q なら p は十分)で考えると機械的。
B1-1解答を見る解答を隠す
解答
① x = 2 ⇒ |x| = 2 真。|x| = 2 ⇒ x = 2 偽(反例 x = −2)。
|x| = 2 は矢印の先(結論側)にしか立てない → (い)必要条件だが十分条件でない
② x>0 かつ y>0 ⇒ xy>0 真。逆は偽(反例 x = −1, y = −2:積は正)。→ (う)十分条件だが必要条件でない
③ x²+y² = 0 ⇔ x = 0 かつ y = 0(実数の2乗は0以上なので、和が0になるのは両方0のときだけ)→ (あ)必要十分条件
④ x>2 ⇒ x≧2 真。逆は偽(反例 x = 2)。→ (う)十分条件だが必要条件でない
B1-2解答を見る解答を隠す
解答
① ひし形 ⇒ 対角線が垂直 は真。逆は偽(たこ形:対角線は垂直だがひし形でない)。
「対角線垂直」は必要条件側 → (い)
② x = 1 ⇒ x³ = x 真。x³ = x ⇔ x(x−1)(x+1) = 0 ⇔ x = 0, ±1 なので逆は偽。→ (う)
③ a, b とも偶数 ⇒ a+b 偶数 真。逆は偽(反例 a = 1, b = 3:和は偶数だが両方奇数)。
「a+b 偶数」は必要条件側 → (い)
④ 合同 ⇒ 面積が等しい 真。逆は偽(底辺と高さが同じ別形状の三角形)。→ (う)
B1-3解答を見る解答を隠す
解答
① ⇒:対偶「x, y がともに有理数ならば xy は有理数」は真(有理数×有理数は有理数)。よって⇒真。
⇐:反例 x = √2, y = √2(少なくとも一方無理だが xy = 2 は有理数)。→ (う)
② x > 2 ⇒ x² > 4 真。x² > 4 ⇒ x > 2 偽(反例 x = −3)。x² > 4 は必要条件側 → (い)
③ 素数 ⇒ 奇数 偽(反例 n = 2)。奇数 ⇒ 素数 偽(反例 n = 9)。→ (え)必要条件でも十分条件でもない
④ a = b ⇒ ac = bc 真。逆は偽(反例 c = 0, a = 1, b = 2)。→ (う)
ポイント
• 反例の宝庫:「負の数、0、x = −2、c = 0、n = 2(偶数の素数)、n = 9(奇数の非素数)」— この定番セットを頭に入れておくと判定が速い。
• B1-3 の①のように⇒が直接示しにくいときは対偶で真偽判定してよい(対偶の真偽は一致するから)。
• 問題文の主語(「pは、qであるための」の p)を矢印の出発点に置く。語順に惑わされない。
B2【対偶を利用した証明】
考え方 結論が「〜は3の倍数」「〜は偶数」のような形の命題は、対偶の方が仮定が具体的(n = 3k+1 などとおける)になり証明しやすい。「または」を含む結論も、対偶にすると「かつ」になって扱いやすい。
B2-1解答を見る解答を隠す
解答
対偶「n が3の倍数でないならば、n² は3の倍数でない」を示す。
n が3の倍数でないとき、n = 3k+1 または n = 3k+2(k は整数)と表せる。
(i) n = 3k+1 のとき n² = 9k²+6k+1 = 3(3k²+2k)+1
(ii) n = 3k+2 のとき n² = 9k²+12k+4 = 3(3k²+4k+1)+1
いずれも3で割った余りが1なので、n² は3の倍数でない。
対偶が真なので、もとの命題も真である。∎
ポイント 「3の倍数でない」を n = 3k+1, 3k+2 の2タイプに分類して尽くすのが核心(整数の議論の基本技術。第8章でも多用)。
B2-2解答を見る解答を隠す
解答
対偶「n が奇数ならば、n² は奇数」を示す。
n = 2k+1(k は整数)とおくと
n² = 4k²+4k+1 = 2(2k²+2k)+1
これは奇数である。対偶が真なので、もとの命題も真である。∎
ポイント 「偶数 = 2k、奇数 = 2k+1 とおく」— 偶奇の証明はこの一手から始まる。
B2-3解答を見る解答を隠す
解答
対偶「x ≦ 1 かつ y ≦ 1 ならば、x+y ≦ 2」を示す。
x ≦ 1 と y ≦ 1 の辺々を加えると x+y ≦ 2。
対偶が真なので、もとの命題も真である。∎
ポイント 否定の作り方:「x > 1 または y > 1」の否定は「x ≦ 1 かつ y ≦ 1」(ド・モルガン)。「または」の否定で「かつ」になる瞬間がこの証明の急所。不等号の否定は「>」→「≦」(等号が付く)にも注意。
B3【背理法】
考え方 「無理数である」= 「有理数でない」のような否定形の主張は直接示しにくい → 結論を否定して矛盾を導く(背理法)。無理数の証明では「有理数と仮定 → 分数 q/p とおく」が定石。
B3-1解答を見る解答を隠す
解答
√3 が有理数であると仮定すると、互いに素な自然数 p, q を用いて √3 = q/p と表せる。
両辺を2乗して整理すると 3p² = q² …(*)
よって q² は3の倍数であり、B2-1 より q は3の倍数。
q = 3k(k は自然数)とおくと、(*) は 3p² = 9k² すなわち p² = 3k²。
よって p² は3の倍数、ゆえに p も3の倍数。
すると p と q はともに3を約数にもち、「互いに素」であることに矛盾する。
したがって √3 は無理数である。∎
ポイント 「互いに素」と仮定しておくのは、最後に「共通の約数3をもつ」ことと衝突させるため。B2-1(対偶証明)がこの証明の部品になっている — 証明はセットで理解する。
B3-2解答を見る解答を隠す
解答
√2+1 が有理数であると仮定し、その値を r(有理数)とおく。
すると √2 = r−1。
有理数どうしの差 r−1 は有理数だから、√2 が有理数となり、√2 が無理数であることに矛盾。
したがって √2+1 は無理数である。∎
B3-3解答を見る解答を隠す
解答
a+b が有理数であると仮定し、a+b = r(有理数)とおく。
すると b = r−a。
r と a はともに有理数なので r−a は有理数。よって b が有理数となり、b が無理数であることに矛盾。
したがって a+b は無理数である。∎
ポイント B3-2・B3-3 は同じ骨格:「仮定の式を変形して『無理数 = 有理数の式』を作り出す」→ 矛盾。有理数は加減乗除(0で割る場合を除く)で閉じている、という事実を使っている。
実戦問題(共通テスト形式)
実戦2-1【条件と集合】★★★
実数 x に関する3つの条件
p:|x−2| < 3、 q:|x−3| < 4、 r:x(x−4) ≦ 0
について考える。
① p を満たす x の範囲は [アイ] < x < [ウ]、q を満たす x の範囲は [アイ] < x < [エ]、r を満たす x の範囲は [オ] ≦ x ≦ [カ] である。
② p は q であるための [キ]。
③ r は p であるための [ク]。
([キ][ク]は次の選択肢から選べ)
(あ) 必要十分条件である
(い) 必要条件であるが十分条件でない
(う) 十分条件であるが必要条件でない
(え) 必要条件でも十分条件でもない
④ 「q かつ(p でない)」を満たす整数 x は [ケ] 個ある。
実戦問題 解答・解説
実戦2-1
考え方 条件を全部数直線上の集合(範囲)に直してから包含関係で判定する — これがこの誘導の設計。① で範囲を出させるのは、②以降を「集合の包含」で考えろというメッセージ。
実戦2-1解答を見る解答を隠す
解答
① p:−3 < x−2 < 3 → −1 < x < 5(アイ = −1、ウ = 5)
q:−4 < x−3 < 4 → −1 < x < 7(エ = 7)
r:0 ≦ x ≦ 4(オ = 0、カ = 4)
② P = (−1, 5)、Q = (−1, 7) とすると P ⊂ Q。
よって p ⇒ q は真。逆は偽(反例 x = 6:q は満たすが p は満たさない)。
p は q であるための十分条件であるが必要条件でない(キ = (う))
③ R = [0, 4] ⊂ P = (−1, 5) なので r ⇒ p は真。
逆は偽(反例 x = −0.5:p は満たすが r は満たさない)。
r は p であるための十分条件であるが必要条件でない(ク = (う))
④ 「q かつ p でない」の範囲は、Q から P を除いた 5 ≦ x < 7。
これを満たす整数は x = 5, 6 の 2個(ケ = 2)
ポイント
• 範囲の包含 = 命題の真偽:P ⊂ Q ⇔「p ⇒ q が真」⇔ p は十分条件。数直線を描けば一瞬で見える。
• ④ の「p でない」は補集合。端点に注意:x = 5 は「x < 5」に入らないので「p でない」に含まれる。境界の含む・含まないをマークミスしないこと。
• 共通テストの論理問題は、このように不等式(2次不等式・絶対値)との融合で出る。範囲を正確に求める計算力が土台。
第3章 2次関数
数学Iの最重要章。「式を見たらグラフを描く」を合言葉に、方程式・不等式もすべてグラフで考える。つまずきやすい単元のため、B問題を増量してある。
この章の公式・要点まとめ
平方完成とグラフ
• y = a(x−p)²+q ⇔ 頂点 (p, q)、軸 x = p(y = ax²+bx+c の軸は x = −b/(2a))
• 平行移動(x軸方向 p、y軸方向 q):x → x−p、y → y−q に置き換え(符号が逆)
• 対称移動:x軸 → y を −y/y軸 → x を −x/原点 → 両方
最大・最小:平方完成 → 区間と軸をかいたグラフ → 頂点と両端を比較
• 下に凸:最小 = 軸が区間内なら頂点/最大 = 軸から遠い方の端
• 文字入りは軸と区間の位置で場合分け(最小は3分割、最大は区間の中央で2分割)
2次関数の決定(情報で置き方を選ぶ)
• 頂点・軸 → y = a(x−p)²+q/3点 → y = ax²+bx+c/x軸との交点 → y = a(x−α)(x−β)
2次方程式
• 解の公式:x = {−b±√(b²−4ac)}/(2a)、x の係数が偶数 2b' なら x = {−b'±√(b'²−ac)}/a
• 判別式 D = b²−4ac:D > 0 ⇔ 実数解2個/D = 0 ⇔ 重解(x = −b/(2a))/D < 0 ⇔ なし
• グラフと x軸の共有点の個数 = D の符号
2次不等式:因数分解 → 交点 → グラフの上下で読む(D ≦ 0 の型も統一的に処理)
• すべての実数 x で ax²+bx+c > 0(a > 0)⇔ D < 0
解の配置:f(x) のグラフで3点セット [D] 判別式/[軸] 軸の位置/[端] 端での符号
• 「α より大きい解と小さい解を1つずつ」型だけは f(α) < 0 の1条件で済む
グラフと係数の符号:a = 凸の向き/c = y切片 f(0)/b = 軸の位置から a とセットで/D = 交点の個数/f(1) = a+b+c
A問題(基礎完成)— 解答は各問のすぐ下
A1【平方完成と頂点】★
A1-1
次の2次関数を平方完成し、グラフの頂点と軸を答えよ。
① y = x²−6x+4
② y = −2x²+4x+1
A1-1解答を見る解答を隠す
解答
① y = (x²−6x)+4 = (x−3)²−9+4 = (x−3)²−5
頂点 (3, −5)、軸 x = 3
② y = −2(x²−2x)+1 = −2{(x−1)²−1}+1 = −2(x−1)²+3
頂点 (1, 3)、軸 x = 1
ポイント 手順は「x²の係数でくくる → x の係数の半分の2乗を足して引く → 外へ出す」。②のようにかっこの外へ出すとき係数(−2)が掛かるのが最頻出ミス。展開して検算する習慣を。
A1-2(類題)
次の2次関数を平方完成し、頂点と軸を答えよ。
① y = 2x²+8x+5
② y = −x²+3x
A1-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
① y = 2(x²+4x)+5 = 2{(x+2)²−4}+5 = 2(x+2)²−3。頂点 (−2, −3)、軸 x = −2
② y = −(x²−3x) = −{(x−3/2)²−9/4} = −(x−3/2)²+9/4。頂点 (3/2, 9/4)、軸 x = 3/2
ポイント ②のように係数が奇数でも「半分(3/2)の2乗(9/4)」で同じ手順。分数を恐れない。
A2【グラフの平行移動・対称移動】★★
A2-1
① 放物線 y = x² を x軸方向に 2、y軸方向に −3 だけ平行移動した放物線の方程式を求めよ。
② 放物線 y = 2x²+1 を x軸に関して対称移動した放物線の方程式を求めよ。
A2-1解答を見る解答を隠す
解答
① x → x−2、y → y+3 に置き換えて y+3 = (x−2)² すなわち y = (x−2)²−3
② y → −y に置き換えて −y = 2x²+1 すなわち y = −2x²−1
ポイント 平行移動は「x軸方向に p、y軸方向に q ⇒ x を x−p に、y を y−q に置き換え」。移動量と符号が逆になるのが要注意(頂点 (0,0) が (2,−3) に移る、と頂点で確認すると安心)。対称移動は x軸:y→−y、y軸:x→−x、原点:両方。
A2-2(類題)
① 放物線 y = x²−4x+5 を x軸方向に −1、y軸方向に 2 だけ平行移動した放物線の方程式を求めよ。
② 放物線 y = x²+2x を y軸に関して対称移動した放物線の方程式を求めよ。
A2-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
① 頂点で考える:y = (x−2)²+1 の頂点 (2, 1) が (1, 3) に移るので
y = (x−1)²+3(= x²−2x+4)
② x → −x として y = (−x)²+2(−x) = x²−2x
ポイント 平行移動は「置き換え」でも「頂点の移動」でも解ける。平方完成してある(orしやすい)なら頂点で考えるほうが速くて確実。
A3【最大値・最小値(区間つき)】★★
A3-1
関数 y = x²−4x+1(0 ≦ x ≦ 3)の最大値と最小値を求めよ。
A3-1解答を見る解答を隠す
解答
y = (x−2)²−3。軸 x = 2 は区間 [0, 3] の内部にある。
下に凸なので最小値は頂点:最小値 −3(x = 2)
最大値は軸から遠い方の端。軸 x = 2 から x = 0 までの距離2、x = 3 までの距離1 → 遠いのは x = 0。
f(0) = 1 より 最大値 1(x = 0)
ポイント 区間つきの最大最小は「平方完成 → 区間と軸をかいたグラフ → 頂点と両端の値を比較」。下に凸なら「最小=軸が区間内なら頂点」「最大=軸から遠い端」。グラフを描かずに解かないこと。
A3-2(類題)
関数 y = −x²+2x+2(0 ≦ x ≦ 3)の最大値と最小値を求めよ。
A3-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
y = −(x−1)²+3。上に凸で、軸 x = 1 は区間内。
最大値 3(x = 1)
最小値は軸から遠い端 x = 3:f(3) = −9+6+2 = −1 → 最小値 −1(x = 3)
ポイント 上に凸では最大・最小の関係が下に凸と逆転する。「凸の向き」を最初に確認。
A4【2次関数の決定】★★
A4-1
グラフの頂点が (1, −2) で、点 (3, 6) を通る2次関数を求めよ。
A4-1解答を見る解答を隠す
解答
頂点の情報 → y = a(x−1)²−2 とおける。
(3, 6) を代入:6 = 4a−2 → a = 2
よって y = 2(x−1)²−2(= 2x²−4x)
ポイント 置き方を情報で使い分ける:
頂点・軸 → y = a(x−p)²+q / 通る3点 → y = ax²+bx+c / x軸との交点 → y = a(x−α)(x−β)
この選択が計算量を決める。
A4-2(類題)
グラフが3点 (0, 3), (1, 0), (−1, 8) を通る2次関数を求めよ。
A4-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
y = ax²+bx+c とおく。
(0, 3):c = 3
(1, 0):a+b+3 = 0
(−1, 8):a−b+3 = 8
後の2式から a+b = −3, a−b = 5 → a = 1, b = −4
よって y = x²−4x+3
ポイント (0, 3) のようなy切片の点を最初に使うと c が即決まり、連立が2元で済む。代入する点の順番にも戦略がある。
A5【2次方程式】★
A5-1
次の2次方程式を解け。
① x²−3x−2 = 0
② 2x²−5x+2 = 0
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解答
① 因数分解できない(掛けて−2・足して−3の整数がない)→ 解の公式:
x = {3±√(9+8)}/2 = (3±√17)/2
② たすき掛けで (2x−1)(x−2) = 0 → x = 1/2, 2
ポイント 「まず因数分解を試し、10秒でだめなら解の公式」。公式は x = {−b±√(b²−4ac)}/(2a)。
A5-2(類題)
次の2次方程式を解け。
① x²+4x−3 = 0
② 3x²−7x+2 = 0
A5-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
① x の係数が偶数なので D/4 タイプの公式:x = −2±√(4+3) = −2±√7
② (3x−1)(x−2) = 0 → x = 1/3, 2
ポイント x の係数が偶数 2b' のときは x = {−b'±√(b'²−ac)}/a が速い(根号の中が小さくなる)。
A6【判別式と実数解の個数】★★
A6-1
次の2次方程式の実数解の個数を求めよ。
① x²−4x+2 = 0
② 2x²+3x+5 = 0
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解答
① D/4 = 4−2 = 2 > 0 → 2個
② D = 9−40 = −31 < 0 → 0個
ポイント D = b²−4ac の符号がすべて:D > 0 ⇔ 2個、D = 0 ⇔ 1個(重解)、D < 0 ⇔ 0個。グラフでは「x軸との共有点の個数」と同じこと。
A6-2(類題)
2次方程式 x²+2kx+k+2 = 0 が重解をもつように定数 k の値を定め、そのときの重解を求めよ。
A6-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
重解 ⇔ D = 0。D/4 = k²−(k+2) = k²−k−2 = (k−2)(k+1) = 0 → k = 2, −1
重解は x = −(xの係数の半分)= −k
k = 2 のとき x = −2、k = −1 のとき x = 1
ポイント 重解は解の公式の √ 部分が消えるので x = −b/(2a)(=軸の位置)。k = 2 なら方程式は x²+4x+4 = (x+2)² と検算できる。
A7【2次不等式】★★
A7-1
次の2次不等式を解け。
① x²−x−12 < 0
② x²−4x+4 > 0
③ −x²+2x+3 ≧ 0
A7-1解答を見る解答を隠す
解答
① (x−4)(x+3) < 0 → グラフがx軸より下 → −3 < x < 4
② (x−2)² > 0 → 接するグラフが正の部分 → x = 2 を除くすべての実数
③ 両辺に −1 を掛けて(向きが変わる)x²−2x−3 ≦ 0
(x−3)(x+1) ≦ 0 → −1 ≦ x ≦ 3
ポイント 2次不等式は必ず「因数分解 → x軸との交点 → グラフの上下」で解く。「< 0 は内側、> 0 は外側」の丸暗記は D ≦ 0 のケース(②のような)で破綻する。グラフなら全パターン統一的に処理できる。
A7-2(類題)
次の2次不等式を解け。
① x²−2x−8 ≧ 0
② x²+6x+9 ≦ 0
③ x²+x+1 > 0
A7-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
① (x−4)(x+2) ≧ 0 → x ≦ −2, 4 ≦ x
② (x+3)² ≦ 0 → 2乗は0以上なので、成り立つのは0のときだけ → x = −3
③ D = 1−4 = −3 < 0 で下に凸 → グラフ全体がx軸の上 → すべての実数
ポイント ②③ が「グラフで考える」効果が最も出る問題。答えが「1点だけ」「すべての実数」「解なし」になるのは D ≦ 0 のサイン。
A8【グラフとx軸の共有点】★★
A8-1
次の放物線と x軸の共有点の座標を求めよ。
① y = x²−2x−3
② y = x²−4x+4
A8-1解答を見る解答を隠す
解答
① x²−2x−3 = 0 → (x−3)(x+1) = 0 → (−1, 0), (3, 0)
② (x−2)² = 0 → 重解 x = 2 → (2, 0)(x軸に接する)
ポイント 「共有点の x座標 = 方程式 y = 0 の実数解」。重解は「接する」に対応。
A8-2(類題)
放物線 y = x²+3x+k について、
① x軸に接するときの k の値を求めよ。
② x軸と共有点をもたないような k の値の範囲を求めよ。
A8-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
D = 9−4k
① 接する ⇔ D = 0 → k = 9/4
② 共有点なし ⇔ D < 0 → 9−4k < 0 → k > 9/4
ポイント 「グラフとx軸の関係」⇔「判別式の符号」の翻訳を瞬時に。接する(D = 0)を境に個数が 2 ⇔ 0 と切り替わる。
B問題(応用力養成)
※解答・解説・ポイントは本章末尾にまとめて掲載。B1・B4はつまずきやすいテーマのため必ず3問すべて解くこと。
B1【文字を含む最大・最小(場合分け)】★★★
B1-1
a は定数とする。関数 f(x) = x²−2ax+1(0 ≦ x ≦ 2)の最小値を求めよ。
B1-2
a は定数とする。関数 f(x) = x²−2ax(0 ≦ x ≦ 4)の最大値を求めよ。
B1-3
a は定数とする。関数 f(x) = x²−4x+5(a ≦ x ≦ a+2)の最小値を求めよ。
B2【最大・最小の応用(文章題)】★★
B2-1
周囲の長さが 20 m の長方形の土地を作る。面積を最大にするには縦の長さを何 m にすればよいか。また、そのときの面積を求めよ。
B2-2
x+y = 8、x > 0、y > 0 のとき、xy の最大値と、そのときの x, y の値を求めよ。
B2-3
地上から真上にボールを投げたところ、t 秒後の高さが h = 20t−5t²(m)で表された(0 ≦ t ≦ 4)。高さが最大になる時刻とそのときの高さを求めよ。
B3【2次不等式と係数の決定・絶対不等式】★★★
B3-1
すべての実数 x に対して 2x²−kx+8 > 0 が成り立つような定数 k の値の範囲を求めよ。
B3-2
すべての実数 x に対して −x²+2kx−k−2 < 0 が成り立つような定数 k の値の範囲を求めよ。
B3-3
2次不等式 x²+ax+b < 0 の解が −2 < x < 5 であるとき、定数 a, b の値を求めよ。
B4【解の配置】★★★
B4-1
2次方程式 x²−2mx+m+2 = 0 が異なる2つの正の解をもつような定数 m の値の範囲を求めよ。
B4-2
2次方程式 x²+2(a+1)x+a+3 = 0 が異なる2つの負の解をもつような定数 a の値の範囲を求めよ。
B4-3
2次方程式 x²−2ax+a+6 = 0 が、1より大きい解と1より小さい解を1つずつもつような定数 a の値の範囲を求めよ。
B5【グラフと係数の符号】★★★
B5-1
y = ax²+bx+c のグラフが「下に凸で、軸は直線 x = −1 より左にあり、y軸とは原点より下で交わる」とき、a, b, c, および判別式 D の符号を求めよ。
B5-2
y = ax²+bx+c のグラフが「上に凸で、頂点が第1象限にあり、y切片が正」のとき、a, b, c, D の符号を求めよ。
B5-3
f(x) = ax²+bx+c について、f(−1) < 0、f(0) > 0、f(2) < 0 であるとき、a の符号と、グラフと x軸の共有点の個数を求めよ。
B6【2次関数の決定(応用)】★★
B6-1
グラフが x軸と2点 (1, 0), (3, 0) で交わり、点 (0, 6) を通る2次関数を求めよ。
B6-2
グラフの軸が直線 x = 2 で、2点 (0, 7), (3, −2) を通る2次関数を求めよ。
B6-3
関数 y = x²+ax+b が x = 2 で最小値 −3 をとるとき、定数 a, b の値を求めよ。
B問題 解答・解説
B1【文字を含む最大・最小(場合分け)】
考え方 平方完成すると軸に文字が入る(または区間に文字が入る)→ 軸と区間の位置関係で場合分け。下に凸の最小値は「軸が区間の左外・中・右外」の3通り、最大値は「軸が区間の中央より左か右か」で考える。各場合の簡単なグラフを必ず3枚(または2枚)描くこと。
B1-1解答を見る解答を隠す
解答 f(x) = (x−a)²+1−a²。軸は x = a、区間は [0, 2]。
(i) a < 0(軸が左外)のとき:区間内で増加 → 最小値 f(0) = 1
(ii) 0 ≦ a ≦ 2(軸が区間内)のとき:最小値は頂点 f(a) = 1−a²
(iii) a > 2(軸が右外)のとき:区間内で減少 → 最小値 f(2) = 5−4a
ポイント 境界 a = 0, 2 はどちらの場合に含めても値が一致するので、上のように (ii) に含めるのが標準。「軸が区間に対してどこにあるか」を口に出しながら図を描くと場合分けが機械化できる。
B1-2解答を見る解答を隠す
解答 f(x) = (x−a)²−a²。下に凸なので最大値は軸から遠い方の端。区間 [0, 4] の中央は x = 2。
(i) a < 2 のとき:遠い端は x = 4 → 最大値 f(4) = 16−8a
(ii) a = 2 のとき:両端が等距離で f(0) = f(4) = 0 → 最大値 0(x = 0, 4)
(iii) a > 2 のとき:遠い端は x = 0 → 最大値 f(0) = 0
ポイント 最小値(3分割)と最大値(中央で2分割+境界)では場合分けの切れ目が違う。「最小は軸との重なり、最大は中央との左右」— 理由ごと図で理解する。
B1-3解答を見る解答を隠す
解答 今度は軸が固定(x = 2)で区間 [a, a+2] が動く。f(x) = (x−2)²+1。
(i) a+2 < 2 すなわち a < 0(区間が軸の左)のとき:区間内で減少 → 最小値 f(a+2) = a²+1
(ii) a ≦ 2 ≦ a+2 すなわち 0 ≦ a ≦ 2(軸が区間内)のとき:最小値 f(2) = 1
(iii) a > 2(区間が軸の右)のとき:区間内で増加 → 最小値 f(a) = a²−4a+5
ポイント 「軸が動く」も「区間が動く」も、本質は同じ「軸と区間の位置関係」。(i) の計算は f(a+2) = {(a+2)−2}²+1 = a²+1 と、平方完成形に代入すると速い。
B2【最大・最小の応用(文章題)】
考え方 「変数を自分で設定 → 目的の量を2次関数で表す → 定義域(変数の動ける範囲)の確認 → 平方完成して最大最小」の4段階。定義域の確認を忘れるのが文章題最大の落とし穴。
B2-1解答を見る解答を隠す
解答 縦を x m とすると、縦+横 = 10 なので横は (10−x) m。
面積 S = x(10−x) = −x²+10x = −(x−5)²+25
定義域は x > 0 かつ 10−x > 0 より 0 < x < 10。
x = 5 は定義域内なので 縦 5 m のとき最大、最大面積 25 m²(正方形のとき)
B2-2解答を見る解答を隠す
解答 y = 8−x を代入して xy = x(8−x) = −(x−4)²+16(0 < x < 8)
x = 4 のとき最大。最大値 16(x = 4, y = 4)
ポイント B2-1とB2-2は同じ構造:「和が一定の2数の積は、2数が等しいとき最大」。この一般法則として記憶しておくと検算にも使える。
B2-3解答を見る解答を隠す
解答 h = −5(t²−4t) = −5(t−2)²+20
t = 2 は 0 ≦ t ≦ 4 の範囲内。t = 2 秒後に最大、高さ 20 m
ポイント 物理的な状況でも数学は同じ。「打ち上げから最高点までの時間」が軸の位置、という対応を意識。
B3【2次不等式と係数の決定・絶対不等式】
考え方 「すべての実数 x で成り立つ」→ グラフ全体が x軸の上(または下) → 凸の向きと D の符号の条件に翻訳する。B3-3 は逆向きの問題:「解の範囲」から「もとの式」を復元する。
B3-1解答を見る解答を隠す
解答 x² の係数 2 > 0(下に凸)なので、
すべての x で正 ⇔ x軸と共有点をもたない ⇔ D < 0
D = k²−4·2·8 = k²−64 < 0
よって −8 < k < 8
ポイント 「a > 0 かつ D < 0 ⇔ 常に正」「a < 0 かつ D < 0 ⇔ 常に負」。x²の係数が文字の場合は「= 0 で1次式になるケース」を別に調べる必要がある(本問は定数2なので不要)。
B3-2解答を見る解答を隠す
解答 両辺に −1 を掛けて(向き反転)、「すべての x で x²−2kx+k+2 > 0」と同値。
下に凸なので D < 0:
D/4 = k²−(k+2) = k²−k−2 = (k−2)(k+1) < 0
よって −1 < k < 2
ポイント 上に凸のまま「常に負 ⇔ D < 0」で処理してもよいが、x²の係数を正に直してから考えると符号ミスが激減する。
B3-3解答を見る解答を隠す
解答 解が −2 < x < 5 で、x²の係数が 1(正)だから、
x²+ax+b = (x+2)(x−5) と一致するはず。
展開して x²−3x−10。係数比較で a = −3, b = −10
ポイント 「不等式 < 0 の解が α < x < β」⇔「= 0 の解が α, β(下に凸)」⇔ (x−α)(x−β) と書ける。解から式を復元する発想は解の配置・共通テストでも頻出。
B4【解の配置】
考え方 「解がどの範囲にあるか」の条件は、f(x) = 左辺 のグラフを描いて次の3点セットに翻訳する:
[D] 判別式(解の存在) [軸] 軸の位置 [端] 区間の端での f の符号
丸暗記ではなく、毎回「グラフをその範囲に追い込むには何が必要か」を図から起こす。
B4-1解答を見る解答を隠す
解答 f(x) = x²−2mx+m+2 とおく。「異なる2つの正の解」の条件:
[D] D/4 = m²−(m+2) = (m−2)(m+1) > 0 → m < −1 または m > 2
[軸] 軸 x = m > 0
[端] f(0) = m+2 > 0 → m > −2
3条件の共通範囲を数直線でとって m > 2
ポイント [端] f(0) > 0 を忘れると「1つ正・1つ負」が混入し、[軸]を忘れると「2つとも負」が混入する。3条件がそれぞれ何を排除しているかを図で確認すると忘れない。m = 2 は重解になるので含まない(「異なる」の一文を見落とさない)。
B4-2解答を見る解答を隠す
解答 f(x) = x²+2(a+1)x+a+3 とおく。「異なる2つの負の解」の条件:
[D] D/4 = (a+1)²−(a+3) = a²+a−2 = (a+2)(a−1) > 0 → a < −2 または a > 1
[軸] 軸 x = −(a+1) < 0 → a > −1
[端] f(0) = a+3 > 0 → a > −3
3条件の共通範囲は a > 1
(検算:a = 2 のとき x²+6x+5 = 0 → x = −1, −5 でともに負 ○)
B4-3解答を見る解答を隠す
解答 f(x) = x²−2ax+a+6 とおく。下に凸のグラフが「x = 1 の左右で x軸を1回ずつ横切る」には、
f(1) < 0 だけで十分(下に凸で f(1) < 0 なら、グラフは x = 1 の両側で必ず x軸を横切る。このとき D > 0 も自動的に成立)。
f(1) = 1−2a+a+6 = 7−a < 0
よって a > 7
ポイント 「α より大きい解と小さい解を1つずつ」型は f(α) < 0 の1条件で終わり — 3点セットより軽い特別型。理由(下に凸 + 1点で負 ⇒ 両側で交わる)まで言えるようにする。B4-1・B4-2 との条件数の違いがこのテーマの理解度チェックポイント。
B5【グラフと係数の符号】
考え方 読み取りの辞書:
a:凸の向き / c:y切片 f(0) / b:軸 x = −b/(2a) の位置から a とセットで逆算 / D:x軸との共有点の個数 / f(1) = a+b+c、f(−1) = a−b+c:x = ±1 での高さ
B5-1解答を見る解答を隠す
解答
下に凸 → a > 0
y切片が負 → c < 0
軸 −b/(2a) < −1 < 0。a > 0 なので分子 −b < 0 → b > 0
f(0) = c < 0 で下に凸だから、グラフは必ず x軸を2回横切る → D > 0
ポイント 「下に凸で1点でも負の値をとれば D > 0」— B4-3 と同じ論法がここでも効く。
B5-2解答を見る解答を隠す
解答
上に凸 → a < 0
y切片が正 → c > 0
軸(頂点の x座標)> 0:−b/(2a) > 0 で 2a < 0 だから −b < 0 → b > 0
頂点(最大点)の y座標が正で上に凸 → x軸と2点で交わる → D > 0
B5-3解答を見る解答を隠す
解答
f(0) > 0、f(−1) < 0 より、x = −1 と x = 0 の間で符号が変わる → この間に解が1つ。
f(0) > 0、f(2) < 0 より、x = 0 と x = 2 の間にも解が1つ。
2次方程式の解は最大2個なのでちょうど2個 → 共有点は2個(D > 0)
また、もし a > 0(下に凸)なら、f(−1) < 0 かつ f(2) < 0 より x = −1 も x = 2 も2解の間にあり、
その間の点 x = 0 でも f < 0 のはずだが、f(0) > 0 に矛盾。よって a < 0
ポイント 「符号が変われば間に解がある」(グラフはつながっているから)。この考え方は数IIの「解の存在範囲」、数IIIの中間値の定理へ直結する重要な見方。
B6【2次関数の決定(応用)】
B6-1解答を見る解答を隠す
解答 x軸との交点情報 → 因数分解形 y = a(x−1)(x−3) とおく。
(0, 6) を代入:6 = a(−1)(−3) = 3a → a = 2
よって y = 2(x−1)(x−3) = 2x²−8x+6
B6-2解答を見る解答を隠す
解答 軸の情報 → 標準形 y = a(x−2)²+q とおく。
(0, 7):4a+q = 7
(3, −2):a+q = −2
辺々引いて 3a = 9 → a = 3、q = −5
よって y = 3(x−2)²−5(= 3x²−12x+7)
B6-3解答を見る解答を隠す
解答 「x = 2 で最小値 −3」→ 頂点が (2, −3) で下に凸(x²の係数1 > 0 と整合)。
y = (x−2)²−3 = x²−4x+1
係数比較して a = −4, b = 1
(別解:平方完成 y = (x+a/2)²+b−a²/4 で −a/2 = 2、b−a²/4 = −3 から同じ結果)
ポイント(B6共通) 3問で置き方(因数分解形・標準形・係数比較)を使い分けた。「与えられた情報の種類 → 置き方」の対応表(A4のポイント)を体に入れることがこのテーマのゴール。
実戦問題(共通テスト形式)
実戦3-1【2次関数の総合】★★★
a を定数とし、f(x) = x²−2ax+a²+2a−8 とする。
① y = f(x) のグラフの頂点の座標は ( a, [ア]a−[イ] ) である。
② y = f(x) のグラフが x軸と異なる2点で交わるのは a < [ウ] のときである。
③ a = 3 のとき、不等式 f(x) < 0 の解は [エ]−√[オ] < x < [エ]+√[オ] である。
④ 0 ≦ x ≦ 4 における f(x) の最小値が −4 となるのは、a = [カ] または a = [キク]−√[ケ] のときである。
実戦3-2【2次不等式と整数解】★★★
k を定数とし、f(x) = x²−(k+2)x+2k とする。
① 方程式 f(x) = 0 の解は x = [ア] と x = k である。
② 不等式 f(x) < 0 について:
k > [ア] のとき、解は [ア] < x < k
k < [ア] のとき、解は k < x < [ア]
k = [ア] のとき、解は [イ]。([イ]は「(あ) すべての実数 (い) x = 2 を除くすべての実数 (う) ない」から選べ)
③ k > [ア] とする。不等式 f(x) < 0 を満たす整数 x がちょうど2個であるような k の値の範囲は [ウ] < k ≦ [エ] である。
実戦問題 解答・解説
実戦3-1
考え方 ①の平方完成が全設問の土台。以降は「頂点のy座標の符号 → 交点の有無」「平方完成形のまま不等式」「軸 x = a と区間の場合分け」— 第3章のB問題で学んだ技術の総まとめとして設計された誘導。
実戦3-1解答を見る解答を隠す
解答
① f(x) = (x−a)²+2a−8 → 頂点 (a, 2a−8)(ア = 2、イ = 8)
(x²−2ax+a² の部分がそのまま (x−a)² になる)
② 下に凸なので、x軸と異なる2点で交わる ⇔ 頂点の y座標が負
2a−8 < 0 → a < 4(ウ = 4)
③ a = 3 のとき f(x) = (x−3)²−2 < 0 → (x−3)² < 2 → −√2 < x−3 < √2
よって 3−√2 < x < 3+√2(エ = 3、オ = 2)
④ 軸 x = a と区間 [0, 4] の位置で場合分け:
(i) 0 ≦ a ≦ 4:最小値 = 頂点の y座標 = 2a−8 = −4 → a = 2(範囲内 ○)
(ii) a < 0:最小値 = f(0) = a²+2a−8 = −4 → a²+2a−4 = 0 → a = −1±√5
a < 0 を満たすのは a = −1−√5(≒ −3.2)のみ ○(−1+√5 ≒ 1.2 は a < 0 に反し捨てる)
(iii) a > 4:最小値 = f(4) = a²−6a+8 = −4 → a²−6a+12 = 0 → 判別式/4 = 9−12 < 0 で実数解なし
以上より a = 2 または a = −1−√5(カ = 2、キク = −1、ケ = 5)
ポイント
• ② は判別式でも解けるが、① で頂点が出ている以上「頂点 < 0」が最速。前の設問の結果を使うのが共通テストの大原則。
• ④ が本問の核心:場合ごとに方程式を解いたら、必ずその場合の範囲で採用・不採用を判定する。「a = −1+√5 を捨てる」判断ができるかが得点の分かれ目。
• マークの形([キク]−√[ケ])から「負の数−√整数」の形と事前に分かる — 形からの逆算も検算に使える。
実戦3-2
考え方 f(x) が因数分解できることに気づかせるのが ①。以降は「解の大小が文字 k に依存する2次不等式」→「区間内の整数の個数」という共通テスト頻出の流れ。数直線に整数を書き込むのが ③ の作業の中心。
実戦3-2解答を見る解答を隠す
解答
① f(x) = x²−(k+2)x+2k = (x−2)(x−k)
(掛けて 2k、足して k+2 → 2 と k)
よって解は x = 2, k(ア = 2)
② (x−2)(x−k) < 0 の解は「2 と k の間」だが、大小関係で場合分け:
k > 2 のとき 2 < x < k
k < 2 のとき k < x < 2
k = 2 のとき (x−2)² < 0 となり、2乗が負になることはないので解はない(イ = (う))
③ k > 2 のとき、解 2 < x < k に含まれる整数は 3, 4, 5, … と増えていく。
ちょうど2個(x = 3, 4)であるためには、
• 4 が含まれる:k > 4
• 5 が含まれない:k ≦ 5(k = 5 のときは 2 < x < 5 で整数は 3, 4 のみ ○ — 端は開区間なので 5 自身は入らない)
よって 4 < k ≦ 5(ウ = 4、エ = 5)
ポイント
• ② の「k = 2 で解なし」は、A7-2 の②でやった「(x−α)² ≦ 0 は1点、< 0 は解なし」の実戦版。文字係数の不等式では解の大小と一致(重なる)の3ケースを常に意識。
• ③ の等号の吟味が最重要:k = 4 は不可(整数は3のみ)、k = 5 は可(開区間なので5は入らない)。境界の値を実際に代入して整数を数え直すのが確実な検算法。
• 「不等式の整数解の個数」は、数直線に 2, 3, 4, 5 を打ち、k の位置を左右に動かして何個拾うかを目で見る — 図を描けば等号の判断を間違えない。
第4章 図形と計量(三角比)
この章は「必ず自分で図を描く」が鉄則。問題文を読んだら、三角形をかいて分かっている辺・角を書き込んでから解き始めること。正弦定理と余弦定理の「使い分け」がこの章の山場なので、B1で徹底練習する。
この章の公式・要点まとめ
三角比の定義
• 直角三角形:sin = 対辺/斜辺、cos = 隣辺/斜辺、tan = 対辺/隣辺(「注目する角から見た」比)
• 拡張(半径1の半円上の点 (x, y)):cos θ = x、sin θ = y、tan θ = y/x
• 鈍角では cos と tan が負、sin は正のまま
相互関係:sin²θ+cos²θ = 1 / tan θ = sin θ/cos θ / 1+tan²θ = 1/cos²θ
(2乗から戻すときは鋭角・鈍角で符号を確認)
変換公式
• 180°−θ:sin はそのまま、cos・tan は符号反転
• 90°−θ:sin と cos が入れ替わる
正弦定理:a/sin A = b/sin B = c/sin C = 2R
余弦定理:a² = b²+c²−2bc cos A(辺を求める形)/cos A = (b²+c²−a²)/(2bc)(角を求める形)
使い分け(与えられた情報で判断)
• 角・角・辺(ペア2組)→ 正弦定理/2辺と間の角・3辺 → 余弦定理/「外接円」の語 → 正弦定理(= 2R)
• sin から角を出すと候補が2つ(鋭角・鈍角)— 内角の和と辺の大小で採否判定
面積・円
• S = (1/2)bc sin A(2辺とはさむ角)
• 内接円:S = (1/2)r(a+b+c)/外接円:2R = a/sin A
• 円に内接する四角形:対角の和 180°(cos D = −cos B、sin D = sin B)、対角線を2通りの余弦定理で
空間・測量:使える直角三角形を取り出す(垂線の足は正四面体・正四角錐なら底面の中心)。測量は図 → 文字 → tan・正弦・余弦の式 → 連立
A問題(基礎完成)— 解答は各問のすぐ下
A1【直角三角形と三角比の定義】★
A1-1
∠C = 90°、AB = 5、BC = 3、CA = 4 の直角三角形ABCについて、sin A、cos A、tan A の値を求めよ。
A1-1解答を見る解答を隠す
解答
∠A から見て、斜辺 AB = 5、対辺(向かい側)BC = 3、隣辺 CA = 4。
sin A = 対辺/斜辺 = 3/5
cos A = 隣辺/斜辺 = 4/5
tan A = 対辺/隣辺 = 3/4
ポイント 三角比は「注目する角から見た辺の比」。∠A の対辺は A の向かいの BC — 「どの角から見るか」で対辺・隣辺が入れ替わるので、図に矢印を書いて確認する。sin = 高さ方向/斜辺、cos = 底辺方向/斜辺、tan = 高さ/底辺(傾き)というイメージも持つ。
A1-2(類題)
∠C = 90°、AB = 13、BC = 5 の直角三角形ABCについて、sin B、cos B、tan B の値を求めよ。
A1-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
まず三平方の定理で CA = √(13²−5²) = √144 = 12。
∠B の対辺は CA = 12、隣辺は BC = 5。
sin B = 12/13、cos B = 5/13、tan B = 12/5
ポイント 辺が1つ欠けていたら先に三平方。A1-1 と同じ三角形の形でも、見る角が変われば sin と cos が入れ替わる(sin A = cos B の関係)。
A2【30°・45°・60° の三角比】★
A2-1
次の値を求めよ。
① sin 30°
② cos 45°
③ tan 60°
④ cos 30°
A2-1解答を見る解答を隠す
解答
① 1/2
② √2/2
③ √3
④ √3/2
ポイント 「1:2:√3 の三角定規(30°・60°)」と「1:1:√2 の三角定規(45°)」の2枚をその場で描いて読み取る。丸暗記より「定規の絵から読む」方が本番で事故らない。
A2-2(類題)
① 塔の真下から10 m 離れた地点で塔の先端を見上げると、仰角(見上げる角)は60°だった。塔の高さを求めよ(目の高さは考えない)。
② 長さ6 m のはしごを壁に立てかけたところ、地面と45°の角をなした。はしごの上端の高さを求めよ。
A2-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
① 高さを h とすると tan 60° = h/10
h = 10 tan 60° = 10√3 m(≒ 17.3 m)
② 高さ = 6 sin 45° = 6×√2/2 = 3√2 m(≒ 4.2 m)
ポイント 「水平距離と角度 → tan」「斜めの長さと角度 → sin, cos」。求めたい辺と分かっている辺の位置関係から使う三角比を選ぶ。
A3【三角比の相互関係】★★
A3-1
θ は鋭角とする。sin θ = 3/5 のとき、cos θ と tan θ の値を求めよ。
A3-1解答を見る解答を隠す
解答
sin²θ+cos²θ = 1 より cos²θ = 1−9/25 = 16/25
θ は鋭角なので cos θ > 0。よって cos θ = 4/5
tan θ = sin θ/cos θ = (3/5)÷(4/5) = 3/4
ポイント 3つの相互関係を1セットで:
sin²θ+cos²θ = 1 / tan θ = sin θ/cos θ / 1+tan²θ = 1/cos²θ
2乗から戻すときの符号の確認(鋭角なら正)を忘れずに。
A3-2(類題)
θ は鋭角とする。tan θ = 2 のとき、cos θ と sin θ の値を求めよ。
A3-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
1+tan²θ = 1/cos²θ より 1/cos²θ = 1+4 = 5 → cos²θ = 1/5
θ は鋭角なので cos θ = 1/√5 = √5/5
sin θ = tan θ×cos θ = 2×(1/√5) = 2√5/5
ポイント tan からスタートするときは 3つ目の公式 1+tan²θ = 1/cos²θ が最短ルート。tan = 2 の直角三角形(底辺1・高さ2・斜辺√5)を描いて読み取る方法も確実で速い。
A4【0°〜180°への拡張(鈍角の三角比)】★★
A4-1
次の値を求めよ。
① sin 135°、cos 135°、tan 135°
② sin 150°、cos 150°、tan 150°
A4-1解答を見る解答を隠す
解答
半径1の半円上で、135°は45°を、150°は30°を「y軸に関して折り返した」位置。
① sin 135° = √2/2、cos 135° = −√2/2、tan 135° = −1
② sin 150° = 1/2、cos 150° = −√3/2、tan 150° = −√3/3
ポイント 拡張の定義:半径1の半円上の点を P(x, y) とすると cos θ = x、sin θ = y、tan θ = y/x。鈍角では x < 0 なので cos と tan が負、sin は正のまま。「symbolはsinだけプラス」と符号から覚える。
A4-2(類題)
0° ≦ θ ≦ 180° で θ は鈍角とする。sin θ = 3/5 のとき、cos θ と tan θ の値を求めよ。
A4-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
cos²θ = 1−9/25 = 16/25。θ は鈍角なので cos θ < 0。
cos θ = −4/5、tan θ = (3/5)÷(−4/5) = −3/4
ポイント 相互関係の式は 0°〜180° でもそのまま使える。変わるのは符号の判断だけ。「鋭角か鈍角か」の条件を式より先にチェックする習慣を。
A5【180°−θ・90°−θ の公式】★★
A5-1
次の三角比を鋭角の三角比で表せ。
① sin 110°
② cos 160°
③ tan 125°
A5-1解答を見る解答を隠す
解答
180°−θ の公式(sin はそのまま、cos・tan は符号が変わる):
① sin 110° = sin(180°−70°) = sin 70°
② cos 160° = −cos 20° = −cos 20°
③ tan 125° = −tan 55°
ポイント 半円上で 110° と 70° は y軸対称 → 高さ(sin)が同じ、横(cos)が符号反転。公式を忘れたら半円の図で復元する。
A5-2(類題)
① cos 70° を sin を用いて表せ。
② sin 55°+cos 145° の値を求めよ。
A5-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
① 90°−θ の公式(sin と cos が入れ替わる):cos 70° = sin(90°−70°) = sin 20°
② cos 145° = −cos 35°、cos 35° = sin 55° だから
sin 55°+cos 145° = sin 55°−sin 55° = 0
ポイント 90°−θ は「sin ⇄ cos 入れ替え」、180°−θ は「符号の操作」。②のように2つを組み合わせて式を消し合う問題は共通テストの小問で頻出。
A6【三角比を含む方程式】★★
A6-1
0° ≦ θ ≦ 180° のとき、次の等式を満たす θ を求めよ。
① sin θ = 1/2
② cos θ = −√2/2
A6-1解答を見る解答を隠す
解答
① 半円上で高さ(y座標)が 1/2 になる点は2つ:θ = 30°, 150°
② 横(x座標)が −√2/2 になる点は1つ:θ = 135°
ポイント sin の方程式は「横線を引く」→ 半円と2点で交わりやすい(答え2つ)。cos は「縦線を引く」→ 交点は1つ。図を描けば解の個数を間違えない。
A6-2(類題)
0° ≦ θ ≦ 180° のとき、次の等式を満たす θ を求めよ。
① tan θ = −√3
② sin θ = √3/2
A6-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
① tan が負 → θ は鈍角。tan 60° = √3 だから θ = 180°−60° = 120°
② 高さ √3/2 の横線 → θ = 60°, 120°
ポイント tan θ = −√3 を「θ = −60°」としない(範囲外)。tan の符号で鋭角か鈍角かを判断してから、対応する鋭角(60°)を 180° から引く。
A7【正弦定理】★★
A7-1
△ABC において、A = 60°、B = 45°、b = √2 のとき、a を求めよ。
A7-1解答を見る解答を隠す
解答
正弦定理 a/sin A = b/sin B より
a = b×sin A/sin B = √2×(√3/2)÷(√2/2) = √2×(√3/2)×(2/√2) = √3
ポイント 正弦定理 a/sin A = b/sin B = c/sin C = 2R は「向かい合う辺と角のペア」が2組見えたら出番。「角・角・辺」の情報のときはほぼ正弦定理。
A7-2(類題)
△ABC において、a = 6、A = 30° のとき、外接円の半径 R を求めよ。
A7-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
a/sin A = 2R より 2R = 6÷(1/2) = 12
R = 6
ポイント 「外接円」の一言が出たら正弦定理(= 2R の部分)一択。1組のペア(a と A)だけで R が出る。
A8【余弦定理】★★
A8-1
△ABC において、b = 3、c = 5、A = 60° のとき、a を求めよ。
A8-1解答を見る解答を隠す
解答
余弦定理 a² = b²+c²−2bc cos A より
a² = 9+25−2×3×5×(1/2) = 34−15 = 19
a > 0 なので a = √19
ポイント 「2辺とその間の角」→ 余弦定理で残りの辺。公式の −2bc cos A の符号ミスが最多。cos A の値を代入してから計算する。
A8-2(類題)
△ABC において、a = 2、b = 3、c = 4 のとき、cos A と cos B の値を求めよ。
A8-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
角を求める形 cos A = (b²+c²−a²)/(2bc) より
cos A = (9+16−4)/(2×3×4) = 21/24 = 7/8
cos B = (c²+a²−b²)/(2ca) = (16+4−9)/(2×4×2) = 11/16 → 11/16
ポイント 「3辺 → 角」も余弦定理。分子は「はさむ2辺の2乗の和 − 向かいの辺の2乗」。求めたい角の向かいの辺だけマイナス、と覚える。
A9【三角形の面積】★★
A9-1
△ABC において、AB = 6、AC = 4、∠A = 30° のとき、面積 S を求めよ。
A9-1解答を見る解答を隠す
解答
S = (1/2)×AB×AC×sin A = (1/2)×6×4×(1/2) = 6
ポイント 面積公式 S = (1/2)×(2辺の積)×sin(その間の角)。「はさむ角」の sin を使うこと(間でない角を使うのは誤り)。
A9-2(類題)
△ABC において、BC = 5、BA = 8、∠B = 120° のとき、面積 S を求めよ。
A9-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
S = (1/2)×5×8×sin 120° = 20×(√3/2) = 10√3
ポイント 鈍角でも sin は正なので公式はそのまま使える(cos と違って場合分け不要)。sin 120° = sin 60° = √3/2。
B問題(応用力養成)
※解答・解説・ポイントは本章末尾にまとめて掲載。B1(定理の使い分け)とB4(内接四角形)がこの章の最重要テーマ。
B1【正弦定理・余弦定理の使い分け】★★★
B1-1
△ABC において、A = 45°、B = 60°、a = 2 のとき、C と b を求めよ。
B1-2
△ABC において、b = 5、c = 8、A = 60° のとき、a と外接円の半径 R を求めよ。
B1-3
△ABC において、a = √2、b = 2、A = 30° のとき、B を求めよ。
B2【三角形の角と形状】★★★
B2-1
3辺の長さが 7、8、13 である三角形の最大の角の大きさを求めよ。
B2-2
次の三角形は、鋭角三角形・直角三角形・鈍角三角形のどれか。
① 3辺が 5、6、7
② 3辺が 2、3、4
B2-3
△ABC において sin A : sin B : sin C = 5 : 4 : 3 が成り立つとき、この三角形はどのような三角形か。
B3【面積・内接円・外接円の総合】★★★
B3-1
△ABC において a = 4、b = 5、c = 6 とする。
① cos A
② sin A
③ 面積 S
④ 内接円の半径 r
をそれぞれ求めよ。
B3-2
△ABC において a = 7、b = 5、c = 3 とする。
① 最大の角 A
② 面積 S
③ 外接円の半径 R
④ 内接円の半径 r
をそれぞれ求めよ。
B3-3
△ABC において、AB = 6、AC = 5、面積が (15√3)/2 であるとき、∠A を求めよ(∠A は鋭角とする)。また、このときの BC を求めよ。
B4【円に内接する四角形】★★★
B4-1
円に内接する四角形 ABCD において、AB = 2、BC = 3、CD = 3、DA = 4 とする。
① cos B
② 対角線 AC の長さ
③ 四角形 ABCD の面積 S
をそれぞれ求めよ。
B4-2
円に内接する四角形 ABCD において、AB = 5、BC = 3、CD = 3、DA = 5 とする。∠B の大きさ、対角線 AC の長さ、四角形の面積 S を求めよ。
B4-3
円に内接する四角形 ABCD において、AB = 3、AD = 5、∠BAD = 120°、BC = 3 とする。
① 対角線 BD の長さ
② ∠BCD の大きさ
③ CD の長さ
をそれぞれ求めよ。
B5【空間図形への応用】★★★
B5-1
1辺の長さが 6 の正四面体 ABCD について、頂点 A から底面 BCD に下ろした垂線の長さ h と、この正四面体の体積 V を求めよ。
B5-2
AB = 3、AD = 4、AE = 12 の直方体 ABCD-EFGH について、対角線 AG の長さと、AG が底面 ABCD となす角 θ の cos θ の値を求めよ。
B5-3
底面が1辺 4 の正方形で、側面の辺(頂点から底面の頂点までの辺)がすべて 2√3 の正四角錐がある。この四角錐の高さ h と体積 V を求めよ。
B6【測量への応用】★★★
B6-1
水平な地面に塔が立っている。地点 A から塔の先端を見上げた仰角は 45°、A から塔に向かって 20 m 進んだ地点 B からの仰角は 60° だった。塔の高さを求めよ。
B6-2
まっすぐな川の同じ岸に 100 m 離れた2地点 A、B がある。対岸の地点 C について、∠CAB = 30°、∠CBA = 105° であった。B から C までの距離を求めよ。
B6-3
水平な地面の地点 A から、真北の方向に塔の先端が仰角 45° に見える。A から真東に 30 m 進んだ地点 B からは、同じ塔の先端が仰角 30° に見える。塔の高さを求めよ。
B問題 解答・解説
B1【正弦定理・余弦定理の使い分け】
考え方 使い分けの判断基準はただ1つ、「与えられた情報のセット」:
• 角・角・辺(ペアが2組できる)→ 正弦定理
• 2辺とその間の角 / 3辺 → 余弦定理
• 「外接円」の語 → 正弦定理(= 2R)
迷ったら「向かい合う辺と角のペアが2組そろうか?」と自問する。
B1-1解答を見る解答を隠す
解答
三角形の内角の和より C = 180°−45°−60° = 75°
a と A、b と B のペアで正弦定理:
b = a×sin B/sin A = 2×(√3/2)÷(√2/2) = 2√3/√2 = √6
ポイント 「2角が分かる = 実は3角とも分かる」。角の情報が豊富なときは正弦定理の独壇場。
B1-2解答を見る解答を隠す
解答
「2辺とその間の角」なので余弦定理:
a² = b²+c²−2bc cos A = 25+64−2×5×8×(1/2) = 89−40 = 49
a > 0 より a = 7
外接円は正弦定理:2R = a/sin A = 7÷(√3/2) = 14/√3
R = 7/√3 = 7√3/3
ポイント 前半は余弦定理、後半は正弦定理 — 1つの問題の中で両方を使い分けるのが実戦の標準形。a を出した瞬間に「a と A のペア」が完成して正弦定理が使えるようになる、という流れを意識する。
B1-3解答を見る解答を隠す
解答
a と A のペアがあるので正弦定理で sin B を求める:
sin B = b×sin A/a = 2×(1/2)÷√2 = 1/√2 = √2/2
0° < B < 180° なので B = 45° または 135°
確認:B = 45° のとき C = 105° > 0° ○、B = 135° のとき C = 15° > 0° ○ — どちらも三角形として成立するので、答えは2つとも。
ポイント sin から角を求めると候補が必ず2つ(鋭角と鈍角)出る。①内角の和が180°を超えないか ②辺の大小と角の大小の対応(b > a なら B > A:45°も135°も30°より大きく○)で採否を判定する。今回のように両方残る(三角形が2通りある)こともある — 「1つに絞れるはず」という思い込みが誤答のもと。
B2【三角形の角と形状】
B2-1解答を見る解答を隠す
解答
最大の角は最大の辺 13 の向かいの角。これを θ とすると余弦定理より
cos θ = (7²+8²−13²)/(2×7×8) = (49+64−169)/112 = −56/112 = −1/2
よって θ = 120°
ポイント 「最大の角=最大の辺の対角」(大きい辺の向かいほど角も大きい)。cos が負になった時点で「鈍角だな」と気づけるとよい。
B2-2解答を見る解答を隠す
解答
最大の角(最大辺の対角)の cos の符号だけ調べればよい。
① cos(最大角) = (25+36−49)/(2×5×6) = 12/60 = 1/5 > 0 → 最大角が鋭角 → 鋭角三角形
② cos(最大角) = (4+9−16)/(2×2×3) = −3/12 = −1/4 < 0 → 鈍角三角形
ポイント 判定は最大角ひとつで決まる(他の角は最大角より小さいので自動的に鋭角)。分母は正なので、実質は分子 a²+b²−c²(c は最大辺)の符号、つまり三平方の定理の「= が > か < か」を見ているのと同じ。
B2-3解答を見る解答を隠す
解答
正弦定理より a : b : c = sin A : sin B : sin C = 5 : 4 : 3
a = 5k、b = 4k、c = 3k(k > 0)とおくと
b²+c² = 16k²+9k² = 25k² = a²
三平方の定理(の逆)が成り立つので、A = 90° の直角三角形
ポイント 「sin の比 = 辺の比」(正弦定理の重要な読み替え)。sin の関係式を見たら、まず辺の関係式に翻訳するのが形状問題の定石。5 : 4 : 3 で「おっ、三平方」と反応できるように。
B3【面積・内接円・外接円の総合】
考え方 3辺スタートの「フルコース」の流れを体で覚える:
3辺 → (余弦定理) cos → (相互関係) sin → (面積公式) S → (S = rs) r、(正弦定理) R
この一本道は共通テスト第1問級の頻出パターン。
B3-1解答を見る解答を隠す
解答
① cos A = (b²+c²−a²)/(2bc) = (25+36−16)/(2×5×6) = 45/60 = 3/4
② sin²A = 1−9/16 = 7/16。sin A > 0 より sin A = √7/4
③ S = (1/2)bc sin A = (1/2)×5×6×(√7/4) = 15√7/4
④ S = (1/2)r(a+b+c) より 15√7/4 = (1/2)r×15 = (15/2)r
r = (15√7/4)×(2/15) = √7/2
ポイント 内接円の公式 S = (1/2)r(a+b+c)(= 三角形を内心から3つに分割した面積の和)。「面積を2通りに表して結ぶ」という発想ごと覚える。
B3-2解答を見る解答を隠す
解答
① 最大辺 a = 7 の対角 A が最大。
cos A = (25+9−49)/(2×5×3) = −15/30 = −1/2 → A = 120°
② S = (1/2)bc sin A = (1/2)×5×3×(√3/2) = 15√3/4
③ 正弦定理:2R = a/sin A = 7÷(√3/2) = 14/√3 → R = 7√3/3
④ 15√3/4 = (1/2)r(7+5+3) = (15/2)r → r = √3/2
ポイント 鈍角三角形でも手順は完全に同じ。sin 120° = √3/2 を落ち着いて。①〜④が誘導なしで一気に書けるようになったら、この章の主要部分は合格。
B3-3解答を見る解答を隠す
解答
面積公式より (1/2)×6×5×sin A = 15√3/2
15 sin A = 15√3/2 → sin A = √3/2
∠A は鋭角なので ∠A = 60°
余弦定理で BC² = 6²+5²−2×6×5×cos 60° = 61−30 = 31
BC = √31
ポイント 面積公式を「逆向き」に使って角を出す型。sin A = √3/2 からは 60° と 120° の2候補が出るが、本問は「鋭角」の指定で1つに絞れる(指定がなければ両方調べる — B1-3 と同じ注意)。
B4【円に内接する四角形】
考え方 使う道具は2つだけ:
(1) 対角の和が 180°(cos D = −cos B、sin D = sin B) (2) 対角線で2つの三角形に分割して余弦定理
対角線の長さを2つの三角形それぞれで表して等式を作る — これが絶対の定石。
B4-1解答を見る解答を隠す
解答
対角線 AC を引く。∠D = 180°−∠B に注意して、AC² を2通りに表す:
△ABC で:AC² = 2²+3²−2×2×3×cos B = 13−12cos B
△ACD で:AC² = 3²+4²−2×3×4×cos D = 25−24cos D = 25+24cos B
等しいとおいて 13−12cos B = 25+24cos B
−36cos B = 12 → cos B = −1/3 …①
② AC² = 13−12×(−1/3) = 17 → AC = √17
③ sin B = √(1−1/9) = 2√2/3、sin D = sin B = 2√2/3
S = △ABC+△ACD = (1/2)×2×3×(2√2/3)+(1/2)×3×4×(2√2/3)
= 2√2+4√2 = 6√2
ポイント cos D = cos(180°−B) = −cos B への置き換えが式を1本にする鍵。面積では逆に sin D = sin B(符号が変わらない)を使う — cos と sin で挙動が違うことを混同しない。
B4-2解答を見る解答を隠す
解答
AC² = 5²+3²−2×5×3×cos B = 34−30cos B
AC² = 3²+5²−2×3×5×cos D = 34+30cos B
等しいとおくと 34−30cos B = 34+30cos B → cos B = 0 → ∠B = 90°
AC² = 34 → AC = √34
sin B = sin D = 1 なので
S = (1/2)×5×3×1+(1/2)×3×5×1 = 15
ポイント 向かい合う三角形の辺の組が同じ(5, 3)だと cos B = 0、つまり対角線 AC が直径になる(∠B = 90° は直径に対する円周角)。数値の対称性から結果を予想できると検算になる。
B4-3解答を見る解答を隠す
解答
① △ABD で余弦定理:
BD² = 3²+5²−2×3×5×cos 120° = 34+15 = 49 → BD = 7
② 円に内接する四角形の対角より ∠BCD = 180°−120° = 60°
③ △BCD で余弦定理(BD = 7、BC = 3、∠BCD = 60°):
49 = 3²+CD²−2×3×CD×(1/2)
CD²−3CD−40 = 0 → (CD−8)(CD+5) = 0
CD > 0 より CD = 8
ポイント ③は「辺を求める」のに2次方程式になる型(角をはさむ2辺のうち1辺が未知)。負の解を捨てる一言を忘れない。①→②→③と、対角線が2つの三角形の「橋渡し」をする構造は B4-1 と同じ。
B5【空間図形への応用】
考え方 空間図形は「計算に使える平面(直角三角形)を取り出す」ことがすべて。垂線の足がどこに落ちるか(正四面体・正四角錐なら底面の中心)を根拠つきで押さえ、あとは三平方と三角比の平面の話に落とす。
B5-1解答を見る解答を隠す
解答
垂線の足 H は正三角形 BCD の重心に一致する。
正三角形 BCD の中線の長さは 6×(√3/2) = 3√3
重心は中線を 2 : 1 に内分するので BH = (2/3)×3√3 = 2√3
直角三角形 ABH で h = √(AB²−BH²) = √(36−12) = √24 = 2√6
底面積 = (√3/4)×6² = 9√3
V = (1/3)×9√3×2√6 = 3√3×2√6 = 6√18 = 18√2
ポイント 部品は「正三角形の高さ (√3/2)×辺」「重心の 2 : 1」(第7章)「三平方」。正四面体の高さ・体積は入試最頻出なので、この計算は何も見ずに再現できるようにする。
B5-2解答を見る解答を隠す
解答
底面の対角線 AC = √(3²+4²) = 5
CG は底面に垂直なので △ACG は ∠ACG = 90° の直角三角形。
AG = √(AC²+CG²) = √(25+144) = √169 = 13
AG と底面のなす角は ∠GAC(AC は AG の底面への正射影)だから
cos θ = AC/AG = 5/13
ポイント 直方体の対角線は「三平方2回」= √(縦²+横²+高さ²)。「直線と平面のなす角」は正射影との角で測る — cos は「影/斜め」、tan は「高さ/影」(tan θ = 12/5)。
B5-3解答を見る解答を隠す
解答
垂線の足は正方形の中心 O。底面の対角線は 4√2 なので、頂点から中心まで OA' = 2√2(A' は底面の頂点)。
h = √((2√3)²−(2√2)²) = √(12−8) = √4 = 2
V = (1/3)×4²×2 = 32/3
ポイント 「側辺・(対角線の半分)・高さ」の直角三角形が本体。錐の体積の 1/3 を忘れないこと。
B6【測量への応用】
考え方 測量問題の手順:「①状況を図にする(直角がどこかを明示)②求める高さ・距離を文字でおく ③各直角三角形で tan(または正弦・余弦定理)の式を立てる ④連立して解く」。答えに近似値を添えると現実感の検算になる。
B6-1解答を見る解答を隠す
解答
塔の高さを h、塔の真下を O とする。
地点 A で仰角 45°:OA = h/tan 45° = h
地点 B で仰角 60°:OB = h/tan 60° = h/√3
OA−OB = AB = 20 より h−h/√3 = 20
h(1−1/√3) = 20 → h×(√3−1)/√3 = 20
h = 20√3/(√3−1) = 20√3(√3+1)/2 = 10√3(√3+1) = 30+10√3 m(≒ 47.3 m)
ポイント 「近づく前・後」の2つの直角三角形が高さ h を共有している構造。分母の有理化(√3−1 の共役 √3+1 を掛ける)は第1章 A6 の技術がここで生きる。
B6-2解答を見る解答を隠す
解答
△ABC で ∠ACB = 180°−30°−105° = 45°
「角・角・辺」なので正弦定理:
BC/sin A = AB/sin C
BC = AB×sin 30°/sin 45° = 100×(1/2)÷(√2/2) = 100/√2 = 50√2 m(≒ 70.7 m)
ポイント 川を渡らずに対岸までの距離が測れる — 正弦定理の実用例。BC の向かいは ∠A(30°)、AB の向かいは ∠C(45°):「求める辺の向かいの角」をペアにするところでミスが出やすい。
B6-3解答を見る解答を隠す
解答
塔の高さを h、塔の真下を O とする。O は A の真北にある。
A での仰角 45° より OA = h/tan 45° = h
B での仰角 30° より OB = h/tan 30° = √3 h
B は A の真東 30 m にあり、∠OAB = 90°(北と東は直交)なので、△OAB で三平方:
OB² = OA²+AB²
3h² = h²+900 → 2h² = 900 → h² = 450
h = 15√2 m(≒ 21.2 m)
ポイント B6-1 が「一直線上」だったのに対し、本問は真上から見ると直角三角形になる立体版。「水平面の図(真上から)」と「鉛直面の図(横から)」の2枚の図を描き分けるのが空間測量のコツ。
実戦問題(共通テスト形式)
実戦4-1【三角形のフルコース】★★★
△ABC において、BC = 13、CA = 14、AB = 15 とする。
① cos A = [ア]/[イ] である。
② sin A = [ウ]/[エ] である。
③ △ABC の面積は [オカ] である。
④ △ABC の内接円の半径は [キ] である。
⑤ △ABC の外接円の半径は [クケ]/[コ] である。
実戦4-2【円に内接する四角形】★★★
円に内接する四角形 ABCD において、AB = 1、BC = 3、CD = 3、DA = 4 とする。
① cos B = [アイ]/[ウ] であり、∠B = [エオカ]° である。
② 対角線 AC の長さは √[キク] である。
③ ∠D = [ケコ]° であり、四角形 ABCD の面積は ([サシ]√[ス])/[セ] である。
④ この円の半径は √[ソタ]/[チ] である。
実戦問題 解答・解説
実戦4-1
考え方 B3 でやった「3辺 → cos → sin → 面積 → 内接円・外接円」のフルコースそのもの。①〜⑤が一本の鎖になっており、前の結果を次で使う。13-14-15 の三角形は答えがすべてきれいになる有名な題材。
実戦4-1解答を見る解答を隠す
解答
① cos A = (CA²+AB²−BC²)/(2×CA×AB) = (196+225−169)/(2×14×15) = 252/420 = 3/5(ア = 3、イ = 5)
② sin²A = 1−9/25 = 16/25。sin A > 0 より sin A = 4/5(ウ = 4、エ = 5)
③ S = (1/2)×CA×AB×sin A = (1/2)×14×15×(4/5) = 84(オカ = 84)
④ S = (1/2)r(a+b+c) より 84 = (1/2)×r×(13+14+15) = 21r
r = 4(キ = 4)
⑤ 正弦定理より 2R = BC/sin A = 13÷(4/5) = 65/4
R = 65/8(クケ = 65、コ = 8)
ポイント
• ①で「A をはさむ2辺は CA と AB、向かいの辺は BC」という記号の対応を正確に。頂点 A の対辺が a = BC。
• ③の面積も「A をはさむ2辺」で計算する — ①②③がすべて「角 A まわり」で統一されているのが誘導の設計。
• ④⑤の公式(S = (1/2)r×周、a/sin A = 2R)は共通テストで毎年のように問われる2大公式。マークの形(キ = 1桁)から r が整数と分かるのも検算材料。
実戦4-2
考え方 B4 の定石「対角線を2通りの余弦定理 + 対角の和 180°」を、マーク形式の誘導に乗って実行する。④の円の半径は、四角形の外接円 = 対角線が作る三角形の外接円という見方への切り替えがポイント。
実戦4-2解答を見る解答を隠す
解答
① 対角線 AC を引き、AC² を2通りに表す。∠D = 180°−∠B に注意:
△ABC:AC² = 1²+3²−2×1×3×cos B = 10−6cos B
△ACD:AC² = 3²+4²−2×3×4×cos D = 25+24cos B
10−6cos B = 25+24cos B → −30cos B = 15 → cos B = −1/2(アイ = −1、ウ = 2)
よって ∠B = 120°(エオカ = 120)
② AC² = 10−6×(−1/2) = 13 → AC = √13(キク = 13)
③ ∠D = 180°−120° = 60°(ケコ = 60)
sin B = sin D = √3/2 なので
S = (1/2)×1×3×(√3/2)+(1/2)×3×4×(√3/2) = 3√3/4+3√3 = 15√3/4(サシ = 15、ス = 3、セ = 4)
④ 円は △ABC の外接円でもあるから、△ABC に正弦定理を使う:
2R = AC/sin B = √13÷(√3/2) = 2√13/√3
R = √13/√3 = √39/3(ソタ = 39、チ = 3)
ポイント
• ④が本問のハイライト:「四角形の外接円の半径」と言われても、対角線 AC とその対角 ∠B のペアさえあれば正弦定理が使える。四角形の問題は最後、必ず三角形の問題に還元される。
• √13/√3 の有理化は分母分子に √3 を掛けて √39/3。マークの形(√[ソタ]/[チ])が有理化後の形を要求している — 形に合わせて整える。
• 検算:cos B が負(∠B が鈍角)なら ∠D は鋭角のはず → ∠D = 60° ○。角の整合性チェックはミス発見に有効。
第5章 データの分析
計算自体は単純だが、用語の定義がそのまま得点になる章。「定義どおりに表を書いて機械的に処理」が合言葉。後半の「変量の変換」と「仮説検定」は考え方の理解が問われる要注意テーマ(B1・B4で徹底練習)。
この章の公式・要点まとめ
代表値:平均 = 合計 ÷ 個数/中央値 = 順位の真ん中(偶数個は真ん中2つの平均)/最頻値 = 多数派
• 外れ値に強いのは中央値・四分位数、弱いのは平均・範囲
四分位数・箱ひげ図
• 並べて半分に分け、各半分の中央値が Q1・Q3(奇数個は中央値を除いて分ける)
• 四分位範囲 IQR = Q3−Q1、四分位偏差 = IQR ÷ 2
• 箱ひげ図から言えるのは「各区切りに約25%ずつ」という割合の情報(平均は分からない)
• 外れ値の目安:Q1−1.5×IQR 以下、または Q3+1.5×IQR 以上
分散・標準偏差
• 分散 s² =(偏差の2乗の平均)=(x² の平均)−(x̄)²(2つの道を使い分け)
• 標準偏差 s = √(分散)。偏差の合計は必ず 0(検算に使う)
共分散・相関係数
• 共分散 sxy =(偏差の積の平均)
• 相関係数 r = sxy/(sx×sy)、−1 ≦ r ≦ 1(単位によらない/無相関 ≠ 無関係/相関 ≠ 因果)
変量の変換(y = ax+b)
• 平均 a x̄+b/標準偏差 |a| sx/分散 a² sx²/相関係数:a > 0 で不変、a < 0 で符号だけ反転
総合の型:合計 = 平均×個数、2乗の合計 = (分散+平均²)×個数 に戻して合算・修正する
仮説検定:① 反対の仮説 ② その仮定で「結果以上に極端」な確率 ③ 5%と比較 ④ 棄却/棄却できない(棄却できない ≠ 正しいと証明された)
A問題(基礎完成)— 解答は各問のすぐ下
A1【代表値(平均値・中央値・最頻値)】★
A1-1
7人の小テスト(10点満点)の得点は次のとおりである。
4, 6, 6, 6, 8, 9, 10
平均値、中央値、最頻値を求めよ。
A1-1解答を見る解答を隠す
解答
平均値 = (4+6+6+6+8+9+10)/7 = 49/7 = 7 点
中央値 = 小さい順に並べた4番目(真ん中)の値 = 6 点
最頻値 = 最も多く現れる値 = 6 点
ポイント 3つの代表値は役割が違う:平均は「合計を等分」、中央値は「順位の真ん中」、最頻値は「多数派」。中央値・最頻値は極端な値(外れ値)の影響を受けにくい — どれを使うべきかを問う問題も出る。
A1-2(類題)
8個のデータ 2, 3, 5, 5, 6, 8, 9, 10 の平均値、中央値、最頻値を求めよ。
A1-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
平均値 = 48/8 = 6
データが偶数個(8個)なので、中央値 = 4番目と5番目の平均 = (5+6)/2 = 5.5
最頻値 = 5
ポイント 偶数個の中央値は「真ん中2つの平均」。データはまず小さい順に並べ替えてから(本問はすでに整列済みだが、実戦では並べ替えを忘れない)。
A2【四分位数と四分位範囲】★
A2-1
データ 3, 5, 6, 7, 8, 9, 10 について、中央値、第1四分位数 Q1、第3四分位数 Q3、四分位範囲を求めよ。
A2-1解答を見る解答を隠す
解答
7個(奇数個)なので中央値は4番目の 7
中央値を除いた前半 3, 5, 6 の中央値が Q1 = 5
後半 8, 9, 10 の中央値が Q3 = 9
四分位範囲 = Q3−Q1 = 9−5 = 4
ポイント 手順:「①並べる ②中央値で前半・後半に分ける(奇数個なら中央値は除く)③各半分の中央値が Q1・Q3」。四分位範囲は「真ん中50%の散らばり幅」。
A2-2(類題)
データ 1, 2, 4, 5, 7, 8, 10, 11 について、中央値、Q1、Q3、四分位範囲、四分位偏差を求めよ。
A2-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
8個なので中央値 = (5+7)/2 = 6
前半 1, 2, 4, 5 の中央値 Q1 = (2+4)/2 = 3
後半 7, 8, 10, 11 の中央値 Q3 = (8+10)/2 = 9
四分位範囲 = 9−3 = 6、四分位偏差 = 6÷2 = 3
ポイント 偶数個はきっちり半分に割る(中央値を除く操作はない)。四分位偏差 = 四分位範囲の半分、も定義として覚える。
A3【箱ひげ図の読み取り】★★
A3-1
40人のテストの得点について、最小値 22、Q1 = 45、中央値 58、Q3 = 71、最大値 96 であった(箱ひげ図の5数要約)。
① 範囲と四分位範囲を求めよ。
② 60点以上の生徒は少なくとも何人いるといえるか。
A3-1解答を見る解答を隠す
解答
① 範囲 = 96−22 = 74 点、四分位範囲 = 71−45 = 26 点
② Q3 = 71 点なので、得点上位の約25%(40人の25% = 10人)は 71点以上、つまり全員60点以上。
よって 少なくとも10人いるといえる。
ポイント 箱ひげ図から確実に言えるのは「各区切りにデータの約25%ずつ」という割合の情報。中央値58 < 60 なので「60点以上が20人以上」とは言えないことにも注意(言える・言えないの区別が出題の的)。
A3-2(類題)
2つのクラス A、B の得点の5数要約が次のとおりである。
A:最小 30、Q1 = 50、中央値 60、Q3 = 70、最大 90
B:最小 40、Q1 = 45、中央値 55、Q3 = 80、最大 85
① 範囲が大きいのはどちらか。
② 四分位範囲が大きいのはどちらか。
③ 「Aには65点以上の生徒が全体の25%以上いる」は正しいか。
A3-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
① Aの範囲 = 60、Bの範囲 = 45 → A
② AのIQR = 20、BのIQR = 35 → B
③ AのQ3 = 70 ≧ 65。Q3 以上の値は全体の約25%以上あり、それらはすべて 70 点以上、つまり65点以上。→ 正しい
ポイント 「範囲が大きい」と「四分位範囲が大きい」は別物(①②で逆転している)。範囲は両端2個の値だけで決まるので外れ値に弱く、IQRは真ん中50%を見るので頑健。
A4【分散・標準偏差】★★
A4-1
データ 2, 4, 6, 8, 10 の平均値、分散、標準偏差を求めよ。
A4-1解答を見る解答を隠す
解答
平均値 = 30/5 = 6
偏差(各値−平均)は −4, −2, 0, 2, 4
分散 = 偏差の2乗の平均 = (16+4+0+4+16)/5 = 40/5 = 8
標準偏差 = √8 = 2√2
ポイント 分散は「偏差 → 2乗 → 平均」の3手。偏差の合計は必ず0になる(検算に使える)。標準偏差は分散の正の平方根で、単位がもとのデータと同じに戻る。
A4-2(類題)
データ 1, 3, 4, 7, 10 の平均値と分散を、①定義(偏差の2乗の平均)と ②公式「(2乗の平均)−(平均の2乗)」の両方で求めよ。
A4-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
平均値 = 25/5 = 5
① 偏差は −4, −2, −1, 2, 5 → 分散 = (16+4+1+4+25)/5 = 50/5 = 10
② 2乗の平均 = (1+9+16+49+100)/5 = 175/5 = 35
分散 = 35−5² = 35−25 = 10(一致 ○)
ポイント 公式 s² = (x²の平均)−(x̄)² は、平均が小数になるデータで威力を発揮する(偏差が汚くならない)。両方の道を持っておき、データを見て速い方を選ぶ。
A5【散布図と相関係数】★★
A5-1
5人の生徒の2科目の得点 (x, y) が (1, 2), (2, 3), (3, 5), (4, 4), (5, 6) のとき、x と y の共分散 sxy と相関係数 r を求めよ。
A5-1解答を見る解答を隠す
解答
x̄ = 3、ȳ = 4
x の偏差:−2, −1, 0, 1, 2 / y の偏差:−2, −1, 1, 0, 2
偏差の積:4, 1, 0, 0, 4 → 共分散 sxy = 9/5 = 1.8
sx² = (4+1+0+1+4)/5 = 2、sy² = (4+1+1+0+4)/5 = 2
r = sxy/(sx×sy) = 1.8/(√2×√2) = 1.8/2 = 0.9
ポイント 相関係数 r = 共分散 ÷(標準偏差の積)。表を作って「偏差 → 偏差の積 → 平均」と機械的に。r = 0.9 は「強い正の相関」(1に近いほど直線に近く並ぶ)。
A5-2(類題)
(x, y) が (1, 6), (2, 7), (3, 5), (4, 4), (5, 3) のとき、sxy と r を求めよ。
A5-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
x̄ = 3、ȳ = 5
x の偏差:−2, −1, 0, 1, 2 / y の偏差:1, 2, 0, −1, −2
偏差の積:−2, −2, 0, −1, −4 → sxy = −9/5 = −1.8
sx² = 2、sy² = (1+4+0+1+4)/5 = 2
r = −1.8/2 = −0.9
ポイント x が増えると y が減る傾向 → 共分散・相関係数が負。r の範囲は −1 ≦ r ≦ 1 で、符号が「向き」、絶対値が「直線への近さ」を表す。
A6【外れ値】★★
A6-1
データ 1, 12, 14, 15, 16, 18, 20, 35 について、「Q1−1.5×(四分位範囲) 以下、または Q3+1.5×(四分位範囲) 以上の値」を外れ値とするとき、外れ値をすべて求めよ。
A6-1解答を見る解答を隠す
解答
前半 1, 12, 14, 15 → Q1 = 13、後半 16, 18, 20, 35 → Q3 = 19
四分位範囲 = 6
下の基準:13−1.5×6 = 13−9 = 4 → 4以下は外れ値
上の基準:19+1.5×6 = 19+9 = 28 → 28以上は外れ値
よって外れ値は 1 と 35
ポイント 外れ値の判定は「箱の幅(IQR)の1.5倍だけ箱の外に出たら」という機械的な基準。基準の式は問題文で与えられることが多いので、与えられた定義に忠実に。
A6-2(類題)
データ 2, 21, 23, 24, 25, 26, 27, 29, 30 について、A6-1 と同じ基準で外れ値をすべて求めよ。
A6-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
9個なので中央値は5番目の 25。前半 2, 21, 23, 24 → Q1 = 22、後半 26, 27, 29, 30 → Q3 = 28
四分位範囲 = 6。基準は 22−9 = 13 以下、または 28+9 = 37 以上。
よって外れ値は 2 のみ(30 < 37 なので30は外れ値でない)
ポイント 外れ値 2 が混ざっていても Q1・中央値・Q3 はほとんど影響を受けない(順位で決まるから)。一方平均は 2 に強く引っ張られる — 「外れ値があるデータでは中央値が代表値として適切」という論述につながる。
B問題(応用力養成)
※解答・解説・ポイントは本章末尾にまとめて掲載。B1(変量の変換)とB4(仮説検定)がこの章の要注意テーマ。
B1【変量の変換】★★★
B1-1
変量 x の平均値が 60、標準偏差が 8 である。y = 2x+10 で新しい変量 y を作るとき、y の平均値、標準偏差、分散を求めよ。
B1-2
5人の身長のデータ 172, 168, 175, 166, 169(cm)について、y = x−170 とおくことで、身長 x の平均値と分散を求めよ。
B1-3
変量 x の標準偏差は 4、変量 y の標準偏差は 2、x と y の相関係数は 0.6 である。u = 2x+10、v = −3y+5 とするとき、
① u の標準偏差
② v の分散
③ u と v の相関係数
をそれぞれ求めよ。
B2【平均・分散の総合】★★★
B2-1
あるクラスの男子12人の平均点は65点、女子8人の平均点は60点であった。クラス全体20人の平均点を求めよ。
B2-2
グループAは10人で平均 6、分散 4、グループBは10人で平均 8、分散 6 である。AとBを合わせた20人全体の平均と分散を求めよ。
B2-3
① 10個のデータの平均値が 7 であったが、そのうちの1個を誤って「8」と記録していたことが分かった。正しい値は「3」である。正しい平均値を求めよ。
② 8個のデータの平均値が 5 である。ここに値 3 と 9 の2個のデータを追加した10個のデータの平均値を求めよ。
B3【共分散と相関係数】★★★
B3-1
5人の生徒の数学 x と理科 y の得点が次のとおりである。
x:4, 6, 7, 8, 10
y:5, 6, 9, 7, 8
x と y の共分散 sxy と相関係数 r を求めよ(r は √ を用いて表せ)。
B3-2
次の①〜③の記述の正誤をそれぞれ判定し、誤りの場合は理由を述べよ。
① 相関係数 r は必ず −1 ≦ r ≦ 1 を満たす。
② r = 0 ならば、x と y の間には何の関係もない。
③ x と y の相関が強ければ、x の変化が y の変化の原因である。
B3-3
身長 x(cm)と体重 y(kg)について、共分散が 60、相関係数が 0.7 である。u = x/100(単位:m)、v = 1000y(単位:g)と単位を変換するとき、
① u と v の共分散
② u と v の相関係数
をそれぞれ求めよ。
B4【仮説検定の考え方】★★★
B4-1 1枚のコインを8回投げたところ、表が7回出た。「このコインは表が出やすい」と判断してよいか。基準となる確率を5%として、仮説検定の考え方で答えよ。ただし、公正なコイン8枚を投げる実験を1000セット行ったところ、表の枚数の度数分布は次のようになった。
| 表の枚数 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 度数 | 4 | 31 | 110 | 219 | 273 | 219 | 109 | 31 | 4 |
B4-2
従来の種の発芽率は70%である。新しい肥料を使って種を10個まいたところ9個が発芽した。「新しい肥料で発芽しやすくなった」と判断してよいか。基準となる確率を5%として答えよ。ただし、発芽率70%の種10個をまくシミュレーションを1000回行ったところ、「9個発芽」は121回、「10個発芽」は28回であった。
B4-3
あるさいころを30回投げたところ、1の目が10回出た。「このさいころは1の目が出やすい」と判断してよいか。基準となる確率を5%として答えよ。ただし、公正なさいころを30回投げるシミュレーションを1000回行ったところ、1の目が10回以上出たのは18回であった。
B問題 解答・解説
B1【変量の変換】
考え方 y = ax+b と変換したときの各量の変化を1セットで:
平均:ȳ = a x̄+b(そのまま式に代入)/ 標準偏差:sy = |a|×sx / 分散:sy² = a²×sx² / 相関係数:a > 0 なら不変、a < 0 なら符号だけ反転
理屈:「+b」は全体の平行移動なので散らばりに無関係、「×a」は散らばりを |a| 倍に引き伸ばす。
B1-1解答を見る解答を隠す
解答
平均値 = 2×60+10 = 130
標準偏差 = |2|×8 = 16
分散 = 16² = 256
ポイント 分散だけは a² 倍(2乗の量だから)。「標準偏差2倍 → 分散4倍」の対応を確認。+10 は平均にだけ効いて、散らばりには一切効かない。
B1-2解答を見る解答を隠す
解答
y の値は 2, −2, 5, −4, −1
ȳ = (2−2+5−4−1)/5 = 0/5 = 0
x = y+170 だから x̄ = 0+170 = 170 cm
分散は平行移動で変わらないので sx² = sy² = (4+4+25+16+1)/5 = 50/5 = 10
ポイント これが「仮平均」のテクニック:170 のような切りのよい値を引いてから計算すると、数が小さくなってミスが激減する。分散が変わらない(b の項が消える)ことを利用している。
B1-3解答を見る解答を隠す
解答
① u = 2x+10 より su = |2|×4 = 8
② v = −3y+5 より sv = |−3|×2 = 6、分散 sv² = 36
③ u は a = 2 > 0 の変換(相関の符号は不変)、v は c = −3 < 0 の変換(符号が反転)。
よって u と v の相関係数 = −0.6 → −0.6
ポイント 相関係数は「単位や目盛りの取り方によらない」指標なので、正の倍率では値そのものが不変。負の倍率を掛けると散布図が上下反転するので符号だけ変わる。「u と v の両方が負の倍率なら反転が2回で元に戻る(不変)」まで理解しておくと完璧。
B2【平均・分散の総合】
考え方 平均・分散の応用問題は、いったん「合計」と「2乗の合計」に戻すのが万能の型:
合計 = 平均×個数 / 2乗の合計 = (分散+平均²)×個数
戻して足し合わせ、最後にまた個数で割る。
B2-1解答を見る解答を隠す
解答
男子の合計 = 65×12 = 780、女子の合計 = 60×8 = 480
全体の平均 = (780+480)/20 = 1260/20 = 63 点
ポイント (65+60)/2 = 62.5 は誤り(人数の重みが違う)。平均は必ず「合計 ÷ 個数」に戻す。
B2-2解答を見る解答を隠す
解答
全体の平均 = (6×10+8×10)/20 = 140/20 = 7
公式 s² = (2乗の平均)−(平均)² を逆に使って2乗の合計を復元:
Aの2乗の合計 = (4+6²)×10 = 40×10 = 400
Bの2乗の合計 = (6+8²)×10 = 70×10 = 700
全体の2乗の平均 = (400+700)/20 = 1100/20 = 55
全体の分散 = 55−7² = 55−49 = 6
ポイント 分散の統合は「分散の平均 (4+6)/2 = 5」ではない(グループ間の平均のズレの分だけ大きくなる)。「2乗の合計」に戻して合算する、が唯一の正攻法。A4-2 の公式 s² = (x²の平均)−(x̄)² がここで本領を発揮する。
B2-3解答を見る解答を隠す
解答
① 誤った合計 = 7×10 = 70。正しい合計 = 70−8+3 = 65
正しい平均 = 65/10 = 6.5
② もとの合計 = 5×8 = 40。追加後の合計 = 40+3+9 = 52
新しい平均 = 52/10 = 5.2
ポイント どちらも「合計に戻す → 修正 → 割り直す」の同じ型。②で分母が 10 に変わる(データが増えた)ことを忘れずに。
B3【共分散と相関係数】
B3-1解答を見る解答を隠す
解答
x̄ = 35/5 = 7、ȳ = 35/5 = 7
x の偏差:−3, −1, 0, 1, 3 / y の偏差:−2, −1, 2, 0, 1
偏差の積:6, 1, 0, 0, 3 → sxy = 10/5 = 2
sx² = (9+1+0+1+9)/5 = 4 → sx = 2
sy² = (4+1+4+0+1)/5 = 2 → sy = √2
r = 2/(2×√2) = 1/√2 = √2/2(≒ 0.71)
ポイント 計算は必ず表で:「x の偏差/y の偏差/積/2乗」の4列を作れば手が止まらない。√ が残る r も普通にあり得る(≒ 0.71 なら「やや強い正の相関」)。
B3-2解答を見る解答を隠す
解答
① 正しい(相関係数の定義から常に成り立つ性質)
② 誤り。r が測るのは「直線的な関係」の強さだけ。たとえば y = x² のような曲線的な関係(放物線状の散布図)では、強い関係があっても r ≒ 0 になり得る。
③ 誤り。相関は「一緒に動く傾向」を表すだけで、因果関係(原因と結果)を意味しない。第3の要因が両方を動かしている場合もある(例:気温が上がるとアイスの売上もプールの事故も増えるが、アイスが事故の原因ではない)。
ポイント ②③は共通テストの正誤問題の2大定番:「無相関 ≠ 無関係」「相関 ≠ 因果」。理由まで言えるようにしておく。
B3-3解答を見る解答を隠す
解答
u = (1/100)x、v = 1000y という変換。
① 共分散は倍率の積の分だけ変わる:
suv = (1/100)×1000×60 = 10×60 = 600
② 相関係数は正の倍率の変換では不変 → 0.7
ポイント この対比が本問の狙い:共分散は単位に依存して値が変わる(cm→m、kg→g で別の数になる)が、相関係数は単位によらない。だからこそ「関係の強さ」の共通のものさしとして r を使う — 相関係数の存在理由そのもの。
B4【仮説検定の考え方】
考え方 手順は毎回同じ4ステップ:
「(1) 主張と反対の仮説を立てる(例:コインは公正だ) (2) その仮説のもとで、観察された結果以上に極端なことが起こる確率(相対度数)を求める (3) 基準の5%と比較 (4) 小さければ仮説を棄却して主張を採用/小さくなければ棄却できない(主張できない)」
(2)で「ちょうど」ではなく「以上」で数えるのが最大の注意点。
B4-1解答を見る解答を隠す
解答
仮説:「このコインは公正である(表の出る確率は 1/2)」
この仮説のもとで、表が7回以上出る相対度数は、表より
(31+4)/1000 = 35/1000 = 0.035(3.5%)
これは基準の 5% より小さい。
→ 公正なコインでは 3.5% しか起こらない珍しいことが起きたことになり、仮説は不自然。
よって仮説を棄却し、「このコインは表が出やすいと判断できる」。
ポイント 「7回ちょうど(31/1000 = 3.1%)」ではなく「7回以上(3.5%)」で数える理由:珍しさを測るには「それと同じかそれより極端な結果」全体の起こりにくさを見る必要があるから。ここを問う出題が多い。
B4-2解答を見る解答を隠す
解答
仮説:「発芽率は従来と同じ 70% である」
この仮説のもとで 9個以上発芽する相対度数は
(121+28)/1000 = 149/1000 = 0.149(14.9%)
これは 5% より大きい。
→ 発芽率70%のままでも 14.9% の割合で起こる、特別珍しくない結果。
よって仮説は棄却できず、「発芽しやすくなったとは判断できない」。
ポイント 棄却できないときの結論の言い方に注意:「発芽率は70%のままだと証明された」ではない。「効果があるとは言い切れない(判断を保留)」が正しい。仮説検定は"疑わしさ"しか測れない — この非対称性が最重要ポイント。
B4-3解答を見る解答を隠す
解答
仮説:「このさいころは公正である(1の目が出る確率は 1/6)」
この仮説のもとで 1 の目が 10回以上出る相対度数は
18/1000 = 0.018(1.8%)
これは 5% より小さいので、仮説を棄却する。
よって「このさいころは1の目が出やすいと判断できる」。
ポイント 公正なら30回中の1の目は平均5回程度。10回は「平均の2倍」で、確率でも1.8%の珍事 — 直感と数値の両方で「怪しい」と確認する姿勢が大切。B4-1〜B4-3 で「棄却する2例・棄却できない1例」を経験した — 結論は確率の大小だけで機械的に決まることを体で覚える。
実戦問題(共通テスト形式)
実戦5-1【箱ひげ図の読み取りと外れ値】★★★
40人の生徒が数学と英語のテスト(各100点満点)を受けた。得点の5数要約は次のとおりである。
数学 x:最小値 30、Q1 = 48、中央値 60、Q3 = 72、最大値 94
英語 y:最小値 40、Q1 = 55、中央値 62、Q3 = 68、最大値 88
① 数学の四分位範囲は [アイ] 点、英語の四分位範囲は [ウエ] 点である。
② 次の (あ)〜(え) のうち、正しいと判断できるものを2つ選べ。
(あ) 四分位範囲は数学の方が英語より大きい
(い) 数学で60点以上の生徒は20人以上いる
(う) 英語の得点の範囲は50点である
(え) 数学の平均点は60点である
③ 「Q1−1.5×(四分位範囲) 以下、または Q3+1.5×(四分位範囲) 以上の値」を外れ値とする。数学の外れ値の基準は [オカ] 点以下または [キクケ] 点以上であり、数学の得点に外れ値は「(あ) ある (い) ない」のうち [コ] である。
実戦5-2【平均・分散・相関の総合】★★★
5人の生徒が2回の小テスト(各20点満点)を受けた。1回目の得点 x と2回目の得点 y は次のとおりである。
| 生徒 | A | B | C | D | E |
|---|---|---|---|---|---|
| x | 5 | 7 | 8 | 9 | 11 |
| y | 4 | 8 | 6 | 7 | 10 |
① x の平均値は [ア]、標準偏差は [イ] である。
② y の平均値は [ウ]、標準偏差は [エ] である。
③ x と y の共分散は [オ].[カ] である。
④ x と y の相関係数は 0.[キク] である。
⑤ 2回目の得点を z = 2y+10 と換算する。z の平均値は [ケコ]、標準偏差は [サ] である。
⑥ x と z の相関係数は 0.[シス] である。
実戦問題 解答・解説
実戦5-1
考え方 箱ひげ図(5数要約)問題の判断基準は2つだけ:「引き算で確定する量(範囲・IQR)」と「約25%ずつという割合の情報」。この2つで言えないこと(平均・具体的な分布の形)は"判断できない"と答える — その線引き自体が出題テーマ。
実戦5-1解答を見る解答を隠す
解答
① 数学:72−48 = 24 点(アイ = 24)、英語:68−55 = 13 点(ウエ = 13)
②
(あ) ①より 24 > 13 → 正しい
(い) 中央値が 60 なので、20番目と21番目の得点の平均が 60。よって21番目の得点は 60 以上であり、上位20人(21〜40番目)は全員60点以上 → 正しい
(う) 英語の範囲 = 88−40 = 48 点 ≠ 50 点 → 誤り
(え) 箱ひげ図(5数要約)から平均値は分からない → 判断できない
よって正しいのは (あ) と (い)
③ 下:48−1.5×24 = 48−36 = 12 点以下(オカ = 12)
上:72+36 = 108 点以上(キクケ = 108)
最小値 30 > 12、最大値 94 < 108 なので、外れ値はない(コ = (い))
ポイント
• (い) の論理:中央値の定義(20番目と21番目の平均)から「21番目 ≧ 60」を導く。もし21番目が60未満なら平均も60未満になり矛盾 — この一歩踏み込んだ論証が共通テストの頻出ポイント。
• (え) のような「言えないことを言えないと見抜く」選択肢が毎年混ざる。5数要約は順位の情報であって、合計(平均)の情報を含まない。
• ③ 上の基準108点は満点100点を超えている → 「上側の外れ値はあり得ない」と気づけると検算になる。
実戦5-2
考え方 表を使った統計量のフルコース計算(①〜④)+ 変量の変換(⑤⑥)。「偏差の表」を1つ作れば①〜④はすべてそこから読める。⑤⑥は B1 の変換公式で計算いらず。
実戦5-2解答を見る解答を隠す
解答
① x̄ = (5+7+8+9+11)/5 = 40/5 = 8(ア = 8)
x の偏差:−3, −1, 0, 1, 3 → sx² = (9+1+0+1+9)/5 = 4 → sx = 2(イ = 2)
② ȳ = (4+8+6+7+10)/5 = 35/5 = 7(ウ = 7)
y の偏差:−3, 1, −1, 0, 3 → sy² = (9+1+1+0+9)/5 = 4 → sy = 2(エ = 2)
③ 偏差の積:(−3)(−3), (−1)(1), (0)(−1), (1)(0), (3)(3) = 9, −1, 0, 0, 9
合計 17 → 共分散 = 17/5 = 3.4(オ = 3、カ = 4)
④ r = 3.4/(2×2) = 0.85(キク = 85)
⑤ z = 2y+10 より
平均:2×7+10 = 24(ケコ = 24)、標準偏差:|2|×2 = 4(サ = 4)
⑥ z は y を正の倍率(a = 2 > 0)で変換したものだから、x との相関係数は y のときと変わらない。
→ 0.85(シス = 85)
ポイント
• 「偏差 → 2乗 → 積」の表を書けば①〜④は一本道。偏差の合計が 0(x:−3−1+0+1+3 = 0)になることを毎回確認すると転記ミスを拾える。
• ⑥が本問の核心:換算(1次変換)しても相関の強さは変わらない。「得点調整をしても順位や関係性は保たれる」という現実的な意味とセットで理解する。計算し直したら負け — B1-3 の知識を"使う"問題。
第6章 場合の数と確率
ここから数A。共通テストの数A分野の主役がこの章。合言葉は2つ — 場合の数は「数えもらし・重複を、書き出しと法則の合わせ技で防ぐ」、確率は「同様に確からしい前提で、分母と分子を同じ土俵で数える」。最難関の条件付き確率(B5)は4問用意した。
この章の公式・要点まとめ
数え方の道具箱
• 和の法則(同時に起こらない場合分け → 足す)/積の法則(続けて選ぶ → 掛ける)
• 順列 ₙPᵣ:選んで並べる(役割・順序あり)/n 人全員は n!
• 円順列:(n−1)!(1人固定して1列扱い)
• 重複順列:(選択肢の数)^(選ぶ回数)(「誰が選択権を持つか」で底と指数を決める)
• 組合せ ₙCᵣ:選ぶだけ = ₙPᵣ ÷ r!
• 同じものを含む順列:n!/(p!×q!×…)(最短経路もこれ)
• 組分け:同じ人数の組に区別がないとき ÷(同人数の組数)!
確率の道具箱
• P =(場合の数)÷(全体)— 玉もさいころもすべて区別して「同様に確からしい」土俵で
• 余事象:P(A) = 1−P(Ā)(「少なくとも」の合図)
• 和事象:P(A∪B) = P(A)+P(B)−P(A∩B)(排反なら足すだけ)
• 独立な試行 → 確率の積
• 反復試行:ₙCᵣ pʳ(1−p)ⁿ⁻ʳ(ₙCᵣ = どの回で起こるかのパターン数)
• 条件付き確率:Pₐ(B) = P(A∩B)/P(A) — 分母が「条件の集団」に縮む。原因の確率は樹形図・人数表で
• 期待値 E = Σ(値×確率)。分布表を書き、確率の合計 = 1 を検算
定石の言い換え:「積が奇数 ⇔ 全部奇数」「最大値がちょうど k =(全部 k 以下)−(全部 k−1 以下)」「点の移動 → 回数を x とおき座標の方程式」
A問題(基礎完成)— 解答は各問のすぐ下
A1【和の法則・積の法則】★
A1-1
① 大小2個のさいころを投げるとき、目の和が5の倍数になる場合は何通りあるか。
② A町からB町へは3本、B町からC町へは2本の道がある。A町からB町を通ってC町へ行く行き方は何通りあるか。
A1-1解答を見る解答を隠す
解答
① 和が5のとき:(1,4), (2,3), (3,2), (4,1) の4通り
和が10のとき:(4,6), (5,5), (6,4) の3通り
同時には起こらないので、和の法則より 4+3 = 7通り
② 道の選び方は連続して行うので、積の法則より 3×2 = 6通り
ポイント 同時に起こらない場合分け → 足す(和の法則)/続けて起こる選択 → 掛ける(積の法則)。「足すか掛けるか」で迷ったら、樹形図を数段だけ描いて構造を確認する。
A1-2(類題)
① 1個のさいころを2回投げるとき、目の積が奇数になる場合は何通りあるか。
② 硬貨1枚とさいころ1個を同時に投げるときの表裏と目の出方は全部で何通りあるか。
A1-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
① 積が奇数 ⇔ 両方とも奇数。各回3通り(1, 3, 5)ずつなので 3×3 = 9通り
② 2×6 = 12通り
ポイント ①は「条件を言い換えてから掛ける」型。「積が奇数 ⇔ すべて奇数」「積が偶数 ⇔ 少なくとも1つ偶数(→余事象)」の言い換えは確率でも多用する。
A2【順列】★
A2-1
① 5人から3人を選んで1列に並べる方法は何通りあるか。
② 5人全員を1列に並べる方法は何通りあるか。
A2-1解答を見る解答を隠す
解答
① 先頭から順に 5×4×3 = 60通り(₅P₃)
② 5! = 5×4×3×2×1 = 120通り
ポイント 順列 ₙPᵣ は「選んで並べる」— 順序が意味を持つときに使う。P は公式というより「先頭から積の法則を適用した結果」と理解する。
A2-2(類題)
1, 2, 3, 4, 5 の5枚のカードから3枚を並べて3桁の整数を作る。
① 整数は全部で何個できるか。
② そのうち偶数は何個あるか。
A2-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
① ₅P₃ = 5×4×3 = 60個
② 偶数 ⇔ 一の位が 2 か 4(2通り)。
残る百・十の位は残り4枚から2枚並べて ₄P₂ = 12通り
よって 2×12 = 24個
ポイント 数字の並べ問題は「制約の強い位(一の位・先頭)から決める」のが鉄則。②を「60個の半分」などと感覚で答えないこと(この問題ではたまたま計算も合わないと分かる:偶数カードは5枚中2枚)。
A3【円順列】★★
A3-1
6人が円形のテーブルに着席する方法は何通りあるか。
A3-1解答を見る解答を隠す
解答
1人を固定し、残り5人を並べると考えて
(6−1)! = 5! = 120通り
ポイント 円順列は「回転して同じになる並びを1つと数える」ので、基準の1人を固定して残りの順列にする。公式 (n−1)! は「固定法」の結果。
A3-2(類題)
大人2人と子ども4人の計6人が円形に並ぶ。大人2人が向かい合うような並び方は何通りあるか。
A3-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
大人の1人を固定すると、もう1人の大人の席は正面の1通りに決まる。
残り4席に子ども4人を並べて 4! = 24
よって 1×24 = 24通り
ポイント 条件つき円順列も「まず1人固定」から。固定した瞬間、円は"1列"と同じ扱いになり、あとは普通の順列で処理できる。
A4【重複順列】★★
A4-1
① 1, 2, 3 の3種類の数字を繰り返し使ってよいとき、3桁の整数は何個できるか。
② 5人が A、B の2部屋に入る方法は何通りあるか(空き部屋があってもよい)。
A4-1解答を見る解答を隠す
解答
① 各位が3通りずつ:3×3×3 = 3³ = 27個
② 5人それぞれが部屋を2通りから選ぶ:2⁵ = 32通り
ポイント 繰り返し使える・重複してよい → (選択肢の数)^(選ぶ回数)。②は「人が部屋を選ぶ」ので(部屋数)^(人数)。指数と底を逆にする(5² とする)のが最頻出ミス — 「誰が選択権を持つか」で判断。
A4-2(類題)
① ○×式の問題が5問ある。答え方は全部で何通りあるか。
② 4人を A、B、C の3つの組に分ける方法は何通りあるか(人数が0の組があってもよい)。
A4-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
① 各問2通り:2⁵ = 32通り
② 各人が組を3通りから選ぶ:3⁴ = 81通り
A5【組合せ】★
A5-1
① 8人から掃除当番2人を選ぶ方法は何通りあるか。
② 10人から代表3人を選ぶ方法は何通りあるか。
A5-1解答を見る解答を隠す
解答
① ₈C₂ = (8×7)/(2×1) = 28通り
② ₁₀C₃ = (10×9×8)/(3×2×1) = 120通り
ポイント 組合せ ₙCᵣ は「選ぶだけ(順序・役割の区別なし)」。P との違いはここだけ:「委員長と副委員長」なら P、「委員2人」なら C。C = P ÷ r!(並べた分の重複を割る)という関係も理解しておく。
A5-2(類題)
① 男子5人、女子4人の中から男子2人と女子2人を選ぶ方法は何通りあるか。
② 正六角形の6個の頂点から3個を選んで三角形を作るとき、三角形は何個できるか。
A5-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
① ₅C₂×₄C₂ = 10×6 = 60通り(男子の選び方と女子の選び方を積の法則で)
② どの3点も一直線上にないので ₆C₃ = 20個
ポイント ②のように「図形の個数」は組合せの代表的応用。点を選べば図形が1つ決まる(選ぶだけ→C)という対応を見抜く。
A6【同じものを含む順列】★★
A6-1
さ、く、ら、さ、く の5文字すべてを1列に並べる方法は何通りあるか。
A6-1解答を見る解答を隠す
解答
「さ」2個、「く」2個、「ら」1個なので
5!/(2!×2!) = 120/4 = 30通り
ポイント 同じものを含む順列は「全部区別して並べてから、同じものの並べ替え分で割る」:n!/(p!×q!×…)。割る数は「同じ文字の個数の階乗」。
A6-2(類題)
① A、A、B、B、B の5文字すべてを1列に並べる方法は何通りあるか。
② 碁盤の目状の道で、右へ4区画、上へ3区画進んで目的地へ行く最短経路は何通りあるか。
A6-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
① 5!/(2!×3!) = 120/12 = 10通り
② 最短経路は「右右右右上上上」の7文字の並べ方と1対1に対応する。
7!/(4!×3!) = 35通り
ポイント ②の「最短経路 = 同じものを含む順列」の読み替えは超頻出。「右4個と上3個の文字列を作る」と見た瞬間に式が立つ。₇C₃(7回の移動から上の3回を選ぶ)と考えても同じ35通り。
A7【確率の基本】★
A7-1
大小2個のさいころを投げるとき、目の和が10になる確率を求めよ。
A7-1解答を見る解答を隠す
解答
全体は 6×6 = 36通り(同様に確からしい)。
和が10:(4,6), (5,5), (6,4) の3通り
よって 3/36 = 1/12
ポイント 確率 = (条件を満たす場合の数)/(全体の場合の数)。大小2個のさいころは区別して36通りで数える — (4,6) と (6,4) は別の結果。「同様に確からしい」土俵を作るために区別する、が確率の大原則。
A7-2(類題)
赤玉4個、白玉3個が入った袋がある。
① 1個取り出すとき、赤玉である確率を求めよ。
② 2個同時に取り出すとき、2個とも赤玉である確率を求めよ。
A7-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
① 4/7
② 全体 ₇C₂ = 21通り、赤2個 ₄C₂ = 6通り
よって 6/21 = 2/7
ポイント 「同時に取り出す」は組合せで分母・分子を統一。玉は同色でもすべて区別して数える(区別しないと「同様に確からしい」が崩れる)。
A8【余事象・和事象の確率】★★
A8-1
2個のさいころを投げるとき、少なくとも1個は6の目が出る確率を求めよ。
A8-1解答を見る解答を隠す
解答
余事象「6の目が1個も出ない」の確率は (5/6)² = 25/36
よって 1−25/36 = 11/36
ポイント 「少なくとも1つ」ときたら反射的に余事象(=「1つもない」)。直接数えると場合分けが増えて損。P(A) = 1−P(Aでない)。
A8-2(類題)
1から100までの番号札から1枚引くとき、番号が4の倍数または6の倍数である確率を求めよ。
A8-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
4の倍数:25枚、6の倍数:16枚、両方(12の倍数):8枚
4の倍数または6の倍数は 25+16−8 = 33枚
よって 33/100
ポイント 和事象は P(A∪B) = P(A)+P(B)−P(A∩B)。重なり(12の倍数)を引き忘れない。A と B が排反(重なりなし)のときだけ単純に足せる。
A9【独立な試行・反復試行】★★
A9-1
1個のさいころと1枚の硬貨を同時に投げるとき、さいころは3の倍数の目が出て、硬貨は表が出る確率を求めよ。
A9-1解答を見る解答を隠す
解答
2つの試行は独立なので、確率を掛けてよい:
(2/6)×(1/2) = (1/3)×(1/2) = 1/6
ポイント 独立な試行(互いに影響しない)→ 確率の積。「さいころと硬貨」「別の人の行動」などは独立。くじを「戻さずに」引くのは独立でない(B5で扱う)。
A9-2(類題)
1個のさいころを4回投げるとき、1の目がちょうど2回出る確率を求めよ。
A9-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
どの2回で1が出るかが ₄C₂ = 6通り。各パターンの確率は (1/6)²×(5/6)²。
₄C₂×(1/6)²×(5/6)² = 6×(1/36)×(25/36) = 150/1296 = 25/216
ポイント 反復試行の公式 ₙCᵣ pʳ(1−p)ⁿ⁻ʳ は「場所の選び方 ₙCᵣ」×「1本道の確率 pʳ(1−p)ⁿ⁻ʳ」。ₙCᵣ を忘れるのが最頻出ミス — 「何回目に起こるかのパターン数」と意味で覚えれば忘れない。
A10【条件付き確率(基本)】★★
A10-1
ある高校では、通学に電車を使う生徒が全体の60%、電車とバスの両方を使う生徒が全体の24%である。電車を使う生徒の中から1人を選ぶとき、その生徒がバスも使っている確率を求めよ。
A10-1解答を見る解答を隠す
解答
電車を使う事象を A、バスを使う事象を B とすると
P(A) = 0.6、P(A∩B) = 0.24
求める条件付き確率は
Pₐ(B) = P(A∩B)/P(A) = 0.24/0.6 = 0.4(= 2/5)
ポイント 条件付き確率は「分母が"全体"から"条件を満たす集団"に縮む」だけのこと。定義 Pₐ(B) = P(A∩B)/P(A) の分子は「両方」、分母は「条件の方」(記号 Pₐ(B) は「A が起こったときの B の確率」)。
A10-2(類題)
あるクラス40人のうち、男子は24人(うち自転車通学9人)、女子は16人(うち自転車通学6人)である。1人を選ぶとき、
① 選ばれた生徒が男子であったとき、その生徒が自転車通学である確率
② 選ばれた生徒が自転車通学であったとき、その生徒が女子である確率
をそれぞれ求めよ。
A10-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
① 男子24人の中で考えればよいので 9/24 = 3/8
② 自転車通学は 9+6 = 15人。その中の女子は6人なので 6/15 = 2/5
ポイント 表(男女×自転車の2×2)を書けば、条件付き確率はただの人数の割合。①と②で分母(=条件の集団)が入れ替わっていることを確認 — 「どちらを条件にするか」の読み取りがこの単元のすべて。
B問題(応用力養成)
※解答・解説・ポイントは本章末尾にまとめて掲載。B5(条件付き確率)は最重要につき4問。
B1【順列の応用】★★★
B1-1
大人2人と子ども4人の計6人が1列に並ぶ。大人2人が隣り合う並び方は何通りあるか。
B1-2
男子4人、女子3人の計7人が1列に並ぶ。女子どうしが隣り合わない並び方は何通りあるか。
B1-3
0, 1, 2, 3, 4 の5枚のカードから3枚を並べて3桁の整数を作る。
① 整数は全部で何個できるか。
② そのうち奇数は何個あるか。
B2【組合せの応用(組分け・図形)】★★★
B2-1
6人を次のように分ける方法はそれぞれ何通りあるか。
① 2人ずつ A班、B班、C班 の3班に分ける。
② 2人ずつ3組に分ける(組に区別はない)。
B2-2
円周上に8個の点がある。
① 3点を結んでできる三角形は何個あるか。
② 2点を結ぶ線分のうち、隣り合う2点を結ぶもの(=正八角形の辺にあたる8本)を除いた「対角線」は何本あるか。
B2-3
6人を次のように分ける方法はそれぞれ何通りあるか。
① 4人の組と2人の組に分ける。
② 3人ずつ2組に分ける(組に区別はない)。
B3【確率の総合(少なくとも・排反な場合分け)】★★★
B3-1
赤玉4個、白玉3個の袋から3個同時に取り出すとき、少なくとも1個は赤玉である確率を求めよ。
B3-2
赤玉4個、白玉3個の袋から3個同時に取り出すとき、赤玉2個・白玉1個である確率を求めよ。
B3-3
1から9の番号札9枚から2枚同時に引くとき、番号の和が偶数になる確率を求めよ。
B4【反復試行の応用】★★★
B4-1
1個のさいころを5回投げるとき、3の倍数の目がちょうど2回出る確率を求めよ。
B4-2
1枚の硬貨を6回投げるとき、表が4回以上出る確率を求めよ。
B4-3
数直線上の原点に点 P がある。硬貨を投げて表が出れば P は正の向きに2、裏が出れば負の向きに1進む。硬貨を5回投げたとき、P が座標 4 の点にある確率を求めよ。
B5【条件付き確率】★★★
B5-1
10本中3本が当たりのくじを、A、B の2人がこの順に1本ずつ引く(引いたくじは戻さない)。
① B が当たる確率を求めよ。
② B が当たったとき、A も当たっていた確率を求めよ。
B5-2
ある病気にかかっている人は全体の1%である。検査を受けると、かかっている人は90%の確率で陽性、かかっていない人も10%の確率で陽性と判定される。検査で陽性だった人が、実際にこの病気にかかっている確率を求めよ。
B5-3
赤玉3個、白玉2個の袋から1個ずつ2個の玉を取り出す(戻さない)。2個目が赤玉だったとき、1個目も赤玉だった確率を求めよ。
B5-4
2個のさいころを投げたところ、少なくとも1個は6の目が出た。このとき、目の和が10以上である確率を求めよ。
B6【期待値】★★★
B6-1
3枚の硬貨を同時に投げ、表が出た枚数×100円がもらえるゲームがある。
① もらえる金額とその確率の分布表を作れ。
② もらえる金額の期待値を求めよ。参加費が160円のとき、このゲームに参加することは得といえるか。
B6-2
1個のさいころを1回投げ、出た目×10円がもらえるとき、もらえる金額の期待値を求めよ。
B6-3
100本のくじがあり、1等1000円が2本、2等500円が8本、3等100円が20本、残りははずれ(0円)である。
① 1本引くときの賞金の期待値を求めよ。
② このくじが1本100円で売られているとき、このくじを買うことは得といえるか。
B問題 解答・解説
B1【順列の応用】
B1-1 大人2人が隣り合う
考え方 「隣り合う」→ まとめて1人(1セット)とみなす → セット内の並びをあとで掛ける。
B1-1解答を見る解答を隠す
解答
大人2人をまとめて1人とみなすと、並べるのは5人分:5! = 120
セット内の大人2人の並び方が 2! = 2
よって 5!×2! = 240通り
ポイント 「まとめる → 外の順列 × 中の順列」の2段構え。中の 2! を掛け忘れるのが典型ミス。
B1-2 女子どうしが隣り合わない
考え方 「隣り合わない」は余事象では処理しにくい(「少なくとも2人が隣り合う」が複雑)。→ 先に男子を並べ、すき間に女子を1人ずつ入れる。
B1-2解答を見る解答を隠す
解答
男子4人を並べる:4! = 24通り
男子の間と両端、あわせて5か所のすき間( _男_男_男_男_ )から3か所を選んで女子を並べる:₅P₃ = 60通り
よって 24×60 = 1440通り
ポイント すき間は「間3か所+両端2か所 = 人数+1か所」。すき間に1人ずつ入れれば女子どうしは絶対に隣り合わない、という構造で条件を保証する発想が本質。
B1-3 0を含むカードの整数づくり
B1-3解答を見る解答を隠す
解答
① 百の位は0以外の4通り、十の位は残り4枚、一の位は残り3枚:
4×4×3 = 48個
② 奇数 ⇔ 一の位が1か3。制約の強い順に、
一の位:2通り(1か3)
百の位:0と一の位で使った数字を除く3通り
十の位:残り3枚から3通り
よって 2×3×3 = 18個
ポイント 「0は先頭に置けない」と「一の位の指定」の2つの制約がある位から順に決める(一の位 → 百の位 → 十の位)。順番を誤ると場合分けが発生して面倒になる。
B2【組合せの応用】
B2-1 6人の組分け(2人×3組)
B2-1解答を見る解答を隠す
解答
① A班2人の選び方 ₆C₂ = 15、続いてB班 ₄C₂ = 6、C班 ₂C₂ = 1
15×6×1 = 90通り
② ①では同じ分け方(人の組合せ)が、A・B・Cのラベルの付け方 3! = 6通りずつ重複して数えられている。
90÷3! = 15通り
ポイント 「組に名前(区別)があるか」が分岐点。区別がない場合は「同じ人数の組の数の階乗」で割る。①→②の順で考えると割る理由(ラベルの付け替え分)が明確になる。
B2-2 円周上の8点
B2-2解答を見る解答を隠す
解答
① どの3点も一直線上にないので、3点を選べば三角形が1つ決まる:₈C₃ = 56個
② 2点を結ぶ線分は全部で ₈C₂ = 28本。このうち隣り合う2点を結ぶ8本(辺)を除いて
28−8 = 20本
ポイント 「図形の個数 = 点の選び方」。②の「全体から辺を引く」のような引き算の数え方も組合せの基本技術。一般に n 角形の対角線は ₙC₂−n 本。
B2-3 6人の組分け(人数が違う場合・同じ場合)
B2-3解答を見る解答を隠す
解答
① 4人の組を選べば残り2人は自動的に決まる:₆C₄ = 15通り
(人数が違う組は自然に区別できるので、割る操作は不要)
② 3人の組の選び方 ₆C₃ = 20。ただし {ABC, DEF} と {DEF, ABC} は同じ分け方で、2! = 2通りずつ重複。
20÷2 = 10通り
ポイント B2-1②と合わせて基準を1つに:割るのは「同じ人数の組」がある場合だけ、割る数は(同じ人数の組数)!。①は 4人と2人で人数が違うから割らない — ここの判断ミスが組分け最大の落とし穴。
B3【確率の総合】
B3-1 少なくとも1個は赤玉
考え方 「少なくとも」→ 余事象「赤が1個もない = 3個とも白」。
B3-1解答を見る解答を隠す
解答
全体:₇C₃ = 35通り
3個とも白:₃C₃ = 1通り → 確率 1/35
よって 1−1/35 = 34/35
ポイント 直接数えると「赤1・赤2・赤3」の3つの場合の和になり計算量3倍。余事象は「1つもない」だけを数えればよい。
B3-2 赤2個・白1個
B3-2解答を見る解答を隠す
解答
赤2個の選び方 ₄C₂ = 6、白1個の選び方 ₃C₁ = 3
よって (6×3)/₇C₃ = 18/35 → 18/35
ポイント 分子は「赤から2個」×「白から3個のうち1個」の積の法則。分母(₇C₃)と分子を同じ数え方(組合せ)で統一するのが鉄則。
B3-3 番号の和が偶数
考え方 和が偶数 ⇔「偶+偶」または「奇+奇」— 排反な2つの場合に分けて加える。
B3-3解答を見る解答を隠す
解答
1〜9のうち偶数は 2, 4, 6, 8 の4枚、奇数は 1, 3, 5, 7, 9 の5枚。
両方偶数:₄C₂ = 6通り
両方奇数:₅C₂ = 10通り
全体:₉C₂ = 36通り
よって (6+10)/36 = 16/36 = 4/9
ポイント 「和の偶奇」は組合せ(偶偶・奇奇・偶奇)への言い換えが第一歩。排反な場合は確率(場合の数)を単純に足せる — 和の法則の確率版。
B4【反復試行の応用】
B4-1 さいころ5回で3の倍数がちょうど2回
B4-1解答を見る解答を隠す
解答
1回の試行で3の倍数(3, 6)が出る確率は 2/6 = 1/3。
₅C₂×(1/3)²×(2/3)³ = 10×(1/9)×(8/27) = 80/243
ポイント まず「1回あたりの成功確率 p」を確定させてから公式へ。「どの2回か」の ₅C₂ = 10 を忘れずに。
B4-2 硬貨6回で表が4回以上
考え方 「4回以上」= 4回・5回・6回の排反な和。それぞれ反復試行で計算して加える。
B4-2解答を見る解答を隠す
解答
表が k 回出る確率は ₆Cₖ×(1/2)⁶ = ₆Cₖ/64
4回:₆C₄ = 15、5回:₆C₅ = 6、6回:₆C₆ = 1
よって (15+6+1)/64 = 22/64 = 11/32
ポイント p = 1/2 のときは (1/2)ᵏ(1/2)⁶⁻ᵏ = (1/2)⁶ が共通因数になるので、分子は ₆Cₖ の和だけで済む。第5章の仮説検定(B4-1:コインで7回以上)の確率計算の正体はこれ。
B4-3 点の移動(表+2、裏−1)
考え方 表の回数を文字でおいて座標の方程式を立てる → 回数が決まったら反復試行。
B4-3解答を見る解答を隠す
解答
表が x 回出るとすると裏は (5−x) 回で、座標は 2x−(5−x) = 3x−5
3x−5 = 4 より x = 3
表がちょうど3回出る確率は
₅C₃×(1/2)⁵ = 10/32 = 5/16
ポイント 「点の移動」型は共通テスト頻出。(1) 座標を表の回数 x で表す (2) 方程式で x を決める (3) 反復試行、の3ステップが完全な定型。座標が偶奇などの理由で x が整数にならなければ「確率0」となることもある。
B5【条件付き確率】
考え方 条件付き確率の手順は毎回同じ:
「(1) 条件(分母)の確率 P(A) を求める (2) 両方(分子)の確率 P(A∩B) を求める (3) 割る」
"時間の前後"は関係ない — 「後の結果」を条件に「前の状態」を問うこともできる(原因の確率)。迷ったら人数・本数の具体的な表にする。
B5-1 くじ引き(戻さない)
B5-1解答を見る解答を隠す
解答
① A の結果で場合分けして加える:
(A当たり, B当たり):(3/10)×(2/9) = 6/90
(Aはずれ, B当たり):(7/10)×(3/9) = 21/90
合計 27/90 = 3/10
② P(A∩B) = 6/90 = 1/15
求める確率 = P(A∩B)/P(B) = (1/15)÷(3/10) = (1/15)×(10/3) = 2/9
ポイント ①の答えが A と同じ 3/10 になるのは偶然ではない — くじ引きは引く順番によらず公平(超重要な一般法則)。②は「Bの結果から遡ってAの状況を推測する」原因の確率で、分母が P(B) になることに注意。
B5-2 検査と病気(原因の確率)
考え方 確率のまま計算してもよいが、「1000人いたら」の表にすると一目で分かる。
B5-2解答を見る解答を隠す
解答
1000人で考える。病気の人は 1% = 10人、かかっていない人は 990人。
陽性になるのは:
病気の人のうち 10×0.9 = 9人
病気でない人のうち 990×0.1 = 99人
陽性は合計 9+99 = 108人。そのうち実際に病気なのは9人だから
求める確率 = 9/108 = 1/12
ポイント 陽性でも実際に病気の確率は約8% — 直感(90%当たる検査なのに!)と大きくずれる有名な結果。もともと病気の人が少ない(1%)ため、誤検出の99人が本物の9人を圧倒するのがからくり。この「具体的人数の表」による整理は共通テストの検査問題でそのまま使える。
B5-3 2個目の結果から1個目を推測
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解答
P(2個目が赤) を場合分けで:
(赤, 赤):(3/5)×(2/4) = 6/20
(白, 赤):(2/5)×(3/4) = 6/20
合計 12/20 = 3/5
P(1個目も2個目も赤) = 6/20 = 3/10
求める確率 = (3/10)÷(3/5) = 1/2
ポイント 「2個目が赤」の確率が1個目と同じ 3/5 になるのは B5-1① と同じ公平性。答えの 1/2 は「2個目が赤と分かった今、残る情報は"最初の玉が残り(赤2白2)のどれだったか"」と考えると納得できる — 条件付き確率は情報が増えたあとの世界での割合。
B5-4 さいころ2個(条件が「少なくとも」)
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解答
条件 A:「少なくとも1個は6」— 余事象から 36−25 = 11通り
事象 B:「和が10以上」— (4,6), (5,5), (5,6), (6,4), (6,5), (6,6) の6通り
A∩B:このうち6を含むもの — (5,5) を除いた 5通り
求める確率 = (A∩Bの場合の数)/(Aの場合の数) = 5/11
ポイント 場合の数が数えられる問題では、条件付き確率は P を経由せず「場合の数の比」で直接求めてよい(分母の36が約分で消えるだけ)。A∩B で (5,5) を落とすかどうか — 「両方の条件を満たすか」を1つずつ検品する丁寧さが得点を分ける。
B6【期待値】
B6-1 硬貨3枚と賞金
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解答
① 表の枚数は0〜3枚。どの枚数になるかは ₃Cₖ/8 で:
| 金額 | 0円 | 100円 | 200円 | 300円 |
|---|---|---|---|---|
| 確率 | 1/8 | 3/8 | 3/8 | 1/8 |
(確率の合計 = 1 ○)
② 期待値 E = 0×(1/8)+100×(3/8)+200×(3/8)+300×(1/8)
= (0+300+600+300)/8 = 150円
期待値150円 < 参加費160円 なので、得とはいえない(平均すると1回あたり10円の損)。
ポイント 期待値 = Σ(値×確率)。分布表を書いてから計算する習慣を(確率の合計1のチェックが検算になる)。「期待値 vs 参加費」の比較は共通テスト定番の締め。
B6-2 さいころの目×10円
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解答
目の期待値 = (1+2+3+4+5+6)×(1/6) = 21/6 = 7/2
よって金額の期待値 = 10×(7/2) = 35円
ポイント 「さいころの目の期待値は 7/2 = 3.5」は覚えておいてよい基本値。値を定数倍すれば期待値も定数倍(第5章の変量の変換と同じ構造)。
B6-3 くじの期待値
B6-3解答を見る解答を隠す
解答
① E = (1000×2+500×8+100×20+0×70)/100
= (2000+4000+2000)/100 = 8000/100 = 80円
② 期待値80円 < 価格100円 なので、得とはいえない(平均20円の損。差額が くじの主催者の取り分)。
ポイント 「本数/全体」がそのまま確率なので、(賞金×本数)の合計 ÷ 総本数で一気に計算できる。宝くじ・ガチャなど現実の判断にもそのまま使える考え方。
実戦問題(共通テスト形式)
実戦6-1【反復試行と条件付き確率】★★★
1個のさいころを3回投げる。
① 1の目がちょうど1回出る確率は [アイ]/[ウエ] である。
② 出る目の最大値が4である確率は [オカ]/[キクケ] である。
③ 1の目がちょうど1回出たとき、それが1回目である条件付き確率は [コ]/[サ] である。
実戦6-2【箱の選択と原因の確率】★★★
箱Aには赤玉3個と白玉1個、箱Bには赤玉1個と白玉3個が入っている。1個のさいころを投げて、3の倍数の目が出たら箱Aから、それ以外の目が出たら箱Bから、玉を1個取り出す。
① 箱Aが選ばれ、かつ赤玉が取り出される確率は [ア]/[イ] である。
② 赤玉が取り出される確率は [ウ]/[エオ] である。
③ 取り出された玉が赤玉であったとき、選ばれた箱がAであった条件付き確率は [カ]/[キ] である。
④ 取り出された玉が白玉であったとき、選ばれた箱がBであった条件付き確率は [ク]/[ケ] である。
実戦問題 解答・解説
実戦6-1
考え方 ①は反復試行の基本形。②は「最大値」の定石(全部◯以下、の引き算)。③は①を分母に使う条件付き確率 — 前の設問が次の部品になる共通テストの典型構造。
実戦6-1解答を見る解答を隠す
解答
① 1の目が出る確率 1/6。反復試行の公式より
₃C₁×(1/6)×(5/6)² = 3×25/216 = 75/216 = 25/72(アイ = 25、ウエ = 72)
② 「最大値が4」⇔「3回とも4以下」かつ「3回とも3以下 ではない」だから
(4/6)³−(3/6)³ = 64/216−27/216 = 37/216(オカ = 37、キクケ = 216)
③ 「ちょうど1回、しかもそれが1回目」の確率は
(1/6)×(5/6)² = 25/216
条件付き確率 = (25/216)÷(25/72) = 72/216 = 1/3(コ = 1、サ = 3)
ポイント
• ②の一般形:「最大値がちょうど k」=「全部 k 以下」−「全部 k−1 以下」。最小値なら「全部 k 以上」−「全部 k+1 以上」。丸暗記でなく"ちょうど"を作る引き算として理解する。
• ③は対称性から「1の目が出た1回が、1・2・3回目のどこかは同等」→ 即 1/3 と答えてもよい。計算と対称性の2つの道で検算できると強い。
実戦6-2
考え方 「どの箱か(原因)→ どの玉か(結果)」の2段階の試行。まず樹形図(A/B → 赤/白 の4本)を描いて各枝の確率を書き込めば、①〜④はすべて枝の足し算と割り算になる。
実戦6-2解答を見る解答を隠す
解答
箱Aが選ばれる確率 = 2/6 = 1/3、箱Bが選ばれる確率 = 2/3。
① P(A かつ 赤) = (1/3)×(3/4) = 1/4(ア = 1、イ = 4)
② 赤が出るのは「Aから赤」または「Bから赤」(排反):
P(赤) = (1/3)×(3/4)+(2/3)×(1/4) = 1/4+1/6 = 3/12+2/12 = 5/12(ウ = 5、エオ = 12)
③ 求める確率 = P(A かつ 赤)/P(赤) = (1/4)÷(5/12) = (1/4)×(12/5) = 3/5(カ = 3、キ = 5)
④ P(白) = 1−5/12 = 7/12
P(B かつ 白) = (2/3)×(3/4) = 1/2
求める確率 = (1/2)÷(7/12) = (1/2)×(12/7) = 6/7(ク = 6、ケ = 7)
ポイント
• ③④が「原因の確率」:結果(玉の色)から原因(どの箱か)を逆にたどる。分母は「その結果が起こる確率全体」(②や 7/12)、分子は「その結果のうち特定の原因を通るルート」— 樹形図の枝の選び出しとして見れば機械的。
• 検算:箱Aが選ばれにくい(1/3)のに、赤が出たときのAの確率は 3/5 に上昇している — 「赤が多い箱Aから出た可能性が高まった」という直感と一致する。条件付き確率は"情報による確率の更新"だという感覚を、この問題で確認しておく。
第7章 図形の性質
定理の数が多い章だが、問われるのは「どの定理をいつ使うか」の判断。各定理を「名前+使いどころのキーワード」のセットで覚える(例:「2本の接線 → 長さが等しい」「弦の交点 → 方べき」)。必ず図を描き、分かった角・長さを書き込みながら進めること。
この章の公式・要点まとめ
三角形の線分比
• 内角の二等分線:対辺を AB : AC に内分/外角の二等分線:外分(比は同じ)
• 重心:中線を 2 : 1 に内分(頂点側が2)、三角形の面積を3等分
• チェバの定理(3本が1点に集中)・メネラウスの定理(1本の直線が串刺し):
(AF/FB)×(BD/DC)×(CE/EA) = 1 —「頂点→分点→頂点→…」の一筆書きで分子分母を決める
五心の角度
• 外心:垂直二等分線の交点、OA = OB = OC → 二等辺三角形を3つ作る、∠BOC = 2∠A
• 内心:角の二等分線の交点、∠BIC = 90°+∠A/2
• 辺と角の大小は対応する/成立条件:|b−c| < a < b+c
円
• 円周角 = 中心角の半分、同じ弧の円周角は等しい、直径に対する円周角 = 90°
• 内接四角形:対角の和 180°(内接する条件でもある)
• 接線:2本の長さは等しい(→二等辺三角形)、接点で半径と垂直
• 接弦定理:接線と弦のなす角 = その弦に対する円周角(反対側の弧)
• 方べきの定理:PA×PB = PC×PD(P は内部でも外部でも)、接線は PT² = PA×PB
2つの円(d = 中心間距離、和 = r+r'、差 = |r−r'|)
• 離れる(d > 和)/外接(d = 和)/2点で交わる(差 < d < 和)/内接(d = 差)/内部(d < 差)
• 共通接線の本数:順に 4・3・2・1・0 本
• 接線の長さ:外接線 √(d²−(差)²)、内接線 √(d²−(和)²)(「外は差・内は和」)
空間
• 2直線の関係:交わる・平行・ねじれの位置(数えるときは「全体 − 平行 − 交わる」)
• オイラーの多面体定理:v−e+f = 2/辺の数 e =(面の数 × 1面の辺数)÷ 2
A問題(基礎完成)— 解答は各問のすぐ下
A1【角の二等分線と線分の比】★★
A1-1
△ABC において、AB = 6、AC = 4、BC = 5 とする。∠A の二等分線と辺 BC の交点を D とするとき、BD の長さを求めよ。
A1-1解答を見る解答を隠す
解答
内角の二等分線の性質より BD : DC = AB : AC = 6 : 4 = 3 : 2
BC = 5 をこの比に分けて BD = 5×(3/5) = 3
ポイント 内角の二等分線は、対辺を「はさむ2辺の比」に内分する。「二等分線」と見たら反射的に AB : AC の比を書き込む。
A1-2(類題)
△ABC において、AB = 6、AC = 4、BC = 5 とする。∠A の外角の二等分線と辺 BC の延長との交点を E とするとき、BE の長さを求めよ。
A1-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
外角の二等分線の性質より BE : EC = AB : AC = 3 : 2(外分)
E は C 側の延長上にあるので、BE = 3k、EC = 2k とおくと
BE−EC = BC より 3k−2k = 5 → k = 5
よって BE = 15(EC = 10)
ポイント 外角の二等分線は外分(比は同じ AB : AC)。図を描いて「E がどちら側の延長にあるか」(長い辺 AB と反対側=C 側)を確認し、差が BC になる式を立てる。
A2【三角形の重心】★
A2-1
△ABC の辺 BC の中点を M とし、重心を G とする。中線 AM の長さが 9 のとき、AG と GM の長さを求めよ。
A2-1解答を見る解答を隠す
解答
重心は中線を頂点側から 2 : 1 に内分するので
AG = 9×(2/3) = 6、GM = 9×(1/3) = 3
ポイント 重心 = 3本の中線の交点、各中線を 2 : 1 に内分(頂点側が2)。「2:1」の向きを逆にしないこと。
A2-2(類題)
△ABC の辺 BC、CA の中点をそれぞれ M、N とし、中線 AM と BN の交点を G とする。
① AG : GM を求めよ。
② BG = 6 のとき、GN の長さを求めよ。
A2-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
① 2本の中線の交点は重心そのものだから AG : GM = 2 : 1
② BN も中線なので BG : GN = 2 : 1
GN = 6×(1/2) = 3
ポイント 「中線が2本交わったら、その点はもう重心」— 3本目も自動的にそこを通る。どの中線でも 2 : 1 は共通。
A3【外心・内心と角】★★
A3-1
△ABC の外心を O とする。∠A = 70° のとき、∠BOC と ∠OBC を求めよ。
A3-1解答を見る解答を隠す
解答
外心 O は外接円の中心なので、∠BOC は弧 BC に対する中心角。
円周角∠A の2倍だから ∠BOC = 2×70° = 140°
また OB = OC(外接円の半径)より △OBC は二等辺三角形なので
∠OBC = (180°−140°)÷2 = 20°
ポイント 外心のキーワードは「OA = OB = OC(半径)」と「∠BOC = 2∠A(中心角)」。二等辺三角形が3つできる、と見るのが角度計算のコツ。
A3-2(類題)
△ABC の内心を I とする。∠A = 80° のとき、∠BIC を求めよ。
A3-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
内心は角の二等分線の交点なので ∠IBC = ∠B/2、∠ICB = ∠C/2
∠IBC+∠ICB = (∠B+∠C)/2 = (180°−80°)/2 = 50°
よって ∠BIC = 180°−50° = 130°
ポイント 一般に ∠BIC = 90°+∠A/2。この導出(残り2角の半分を180°から引く)ごと覚えると、公式を忘れても30秒で復元できる。内心のキーワードは「角の二等分線」「内接円の中心(各辺までの距離が等しい)」。
A4【円周角の定理】★
A4-1
① 円 O において、弧 AB に対する中心角が 100° のとき、この弧に対する円周角 ∠APB を求めよ。
② 線分 AB が円の直径であるとき、円周上の点 P(A、B と異なる)について ∠APB を求めよ。
A4-1解答を見る解答を隠す
解答
① 円周角は中心角の半分:100°÷2 = 50°
② 直径に対する中心角は 180° なので、円周角はその半分:90°
ポイント 円周角 = 中心角の半分、そして同じ弧に対する円周角はすべて等しい。②「直径 → 90°」は最頻出の特別形(逆に「∠APB = 90° → ABは直径」も使う)。
A4-2(類題)
① 弧 AB に対する円周角が 55° のとき、中心角 ∠AOB を求めよ。
② 円周上に3点 A、B、C があり、弧 AB : 弧 BC : 弧 CA = 3 : 4 : 5 のとき、△ABC の3つの内角を求めよ。
A4-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
① 55°×2 = 110°
② 円周角の大きさは弧の長さに比例する。3つの円周角(=三角形の内角)の和は 180° なので
∠C(弧ABに対する円周角)= 180°×(3/12) = 45°
∠A(弧BC)= 180°×(4/12) = 60°、∠B(弧CA)= 180°×(5/12) = 75°
ポイント 「弧の比 = 円周角の比」。どの弧にどの角が対応するか(弧 AB の円周角は"AB を見る"頂点 C の角)を図で確認する。
A5【円に内接する四角形】★★
A5-1
四角形 ABCD が円に内接している。
① ∠A = 95° のとき ∠C を求めよ。
② ∠B = 80° のとき ∠D を求めよ。
A5-1解答を見る解答を隠す
解答
内接四角形の対角の和は 180° だから
① ∠C = 180°−95° = 85°
② ∠D = 180°−80° = 100°
ポイント 「対角の和 = 180°」と、その言い換え「内角 = 向かいの角の外角に等しい」の2つの形で使えるように。
A5-2(類題)
次の四角形 ABCD は円に内接するか判定せよ。
① ∠A = 100°、∠C = 80° の四角形
② ∠B = 70°、∠D = 100° の四角形
A5-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
① ∠A+∠C = 180° → 対角の和が 180° なので 円に内接する
② ∠B+∠D = 170° ≠ 180° → 内接しない
ポイント 対角の和 180° は内接するための必要十分条件(第2章の言葉が生きる)。「4点が同一円周上にあることを示せ」型の証明でもこの条件(または円周角の定理の逆)を使う。
A6【接線と接弦定理】★★
A6-1
円外の点 P からこの円に2本の接線を引き、接点を A、B とする。
① PA = 5 のとき PB を求めよ。
② ∠APB = 40° のとき ∠PAB を求めよ。
A6-1解答を見る解答を隠す
解答
① 円外の1点から引いた2本の接線の長さは等しいので PB = 5
② PA = PB より △PAB は二等辺三角形。
∠PAB = (180°−40°)÷2 = 70°
ポイント 接線のキーワードは「長さが等しい(→二等辺三角形)」と「接点で半径と垂直」。この2つで接線の問題の大半が動く。
A6-2(類題)
円周上の点 A における接線を AT とし、弦 AB を引く。
① ∠BAT = 65° のとき、弧 AB(T を含まない側)に対する円周角 ∠ACB を求めよ。
② 逆に ∠ACB = 48° のとき、∠BAT を求めよ。
A6-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
接弦定理「接線と弦のなす角は、その弦に対する円周角(接線の反対側の弧)に等しい」より
① ∠ACB = ∠BAT = 65°
② ∠BAT = ∠ACB = 48°
ポイント 接弦定理は「接線を"つぶれた円周角"とみなす」イメージ。弦 AB を境に、角と弧が反対側にあることを図で確認(同じ側と間違えるのが典型ミス)。
A7【方べきの定理】★★
A7-1
円の2つの弦 AB と CD が円の内部の点 P で交わっている。PA = 4、PB = 3、PC = 2 のとき、PD を求めよ。
A7-1解答を見る解答を隠す
解答
方べきの定理より PA×PB = PC×PD
4×3 = 2×PD → PD = 6
ポイント 方べきの定理:「点 P を通る直線が円と2点で交わるとき、P から2交点までの距離の積は直線によらず一定」。P が円の内側でも外側でも同じ式。
A7-2(類題)
円外の点 P から円に接線を引き接点を T とする。また P を通る直線がこの円と2点 A、B で交わり、PA = 4、AB = 5 である。PT を求めよ。
A7-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
PB = PA+AB = 4+5 = 9
接線の場合の方べきの定理より PT² = PA×PB = 4×9 = 36
PT > 0 なので PT = 6
ポイント 接線は「2交点が重なった場合」なので PT×PT = PT²。PT² = PA×AB としない(P から"2つの交点まで"の積)。3つの型(内部交点・外部2直線・接線)を1つの原理で覚える。
A8【三角形の辺と角・成立条件】★★
A8-1
3辺の長さが 4、7、x である三角形が存在するような x の値の範囲を求めよ。
A8-1解答を見る解答を隠す
解答
三角形の成立条件(2辺の和 > 残りの辺)より
|7−4| < x < 7+4
3 < x < 11
ポイント 成立条件は「(差)< 残りの辺 <(和)」の1本にまとめて使う。等号は含まない(= だとつぶれて直線になる)。
A8-2(類題)
△ABC において AB = 7、BC = 5、CA = 6 のとき、最大の角と最小の角はそれぞれどれか。
A8-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
辺と角の大小は対応する(大きい辺の向かいに大きい角)。
最大辺 AB = 7 の対角は ∠C(最大)
最小辺 BC = 5 の対角は ∠A(最小)
ポイント 「辺の大小 ⇔ 向かいの角の大小」。第4章の余弦定理(cos の符号)と合わせると、鋭角・鈍角の判定までできる。
A9【空間図形と多面体】★★
A9-1
① 頂点の数が 8、面の数が 6 の多面体の辺の数を求めよ。
② 正八面体の頂点・辺・面の数を求めよ。
A9-1解答を見る解答を隠す
解答
オイラーの多面体定理 v−e+f = 2 より
① e = v+f−2 = 8+6−2 = 12(例:直方体)
② 正八面体は f = 8(正三角形)。辺は 8×3÷2 = 12(各辺は2つの面で共有)
頂点は v = e−f+2 = 12−8+2 = 6
ポイント v−e+f = 2(オイラー)と「e =(面の数×1つの面の辺数)÷2」の合わせ技で、正多面体のデータはすべて計算で出せる(暗記に頼らない)。
A9-2(類題)
立方体 ABCD-EFGH(E は A の真上、F は B の真上、…)の12本の辺のうち、辺 AB と
① 平行な辺
② 交わる辺
③ ねじれの位置にある辺
はそれぞれ何本あるか。
A9-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
① DC、EF、HG の 3本
② A で交わる AD、AE と、B で交わる BC、BF の 4本
③ 残り 12−1−3−4 = 4本(CG、DH、FG、HE)
ポイント 空間の2直線は「交わる・平行・ねじれの位置(同一平面上にない)」の3択。「全体 −(自分)−(平行)−(交わる)」の引き算で数えるのが確実。
B問題(応用力養成)
※解答・解説・ポイントは本章末尾にまとめて掲載。B1(チェバ・メネラウス)がこの章最大の山場。
B1【チェバの定理・メネラウスの定理】★★★
B1-1
△ABC において、辺 AB の中点を M、辺 AC を 2 : 1 に内分する点を N とする。直線 MN と辺 BC の延長との交点を P とするとき、BP : PC を求めよ。
B1-2
△ABC の内部の点 O について、直線 AO と辺 BC の交点を D、直線 BO と辺 CA の交点を E、直線 CO と辺 AB の交点を F とする。BD : DC = 2 : 3、CE : EA = 1 : 2 のとき、AF : FB を求めよ。
B1-3
△ABC において、辺 AB を 1 : 2 に内分する点を D、辺 AC を 3 : 1 に内分する点を E とし、線分 BE と CD の交点を O とする。
① BO : OE を求めよ。
② CO : OD を求めよ。
B2【三角形の五心の応用】★★★
B2-1
∠B = 50°、∠C = 70° の △ABC の内心を I とする。∠BIC と ∠AIC を求めよ。
B2-2
△ABC の外心を O とする。∠OAB = 25°、∠OAC = 35° のとき、
① ∠BAC
② ∠BOC
③ ∠ABC
をそれぞれ求めよ。
B2-3
面積が 36 の △ABC の重心を G、辺 BC の中点を M とする。
① △GBC の面積を求めよ。
② △GBM の面積を求めよ。
B3【円の定理の融合】★★★
B3-1
円外の点 P を通る2本の直線があり、一方は円と2点 A、B で交わり(PA = 3、AB = 5)、他方は円と2点 C、D で交わる(PC = 4、PC < PD)。PD と CD の長さを求めよ。
B3-2
△ABC は円に内接し、点 A における接線を AT(T は C と反対側)とする。∠TAB = 55°、∠BAC = 60° のとき、∠ACB と ∠ABC を求めよ。
B3-3
円に内接する四角形 ABCD の対角線 AC と BD の交点を E とする。∠ACB = 30°、∠DBC = 45° のとき、
① ∠ADB
② ∠BEC
をそれぞれ求めよ。
B4【2つの円】★★★
B4-1
半径 5 の円と半径 3 の円がある。中心間の距離を d とするとき、
① 2円が外接する d
② 2円が内接する d
③ 2円が異なる2点で交わる d の範囲
をそれぞれ求めよ。
B4-2
半径 4 の円と半径 2 の円の共通接線の本数を、中心間の距離が次の場合について求めよ。
① 10
② 6
③ 3
B4-3
半径 3 の円 O と半径 1 の円 O' があり、中心間の距離 OO' = 6 である。
① 共通外接線の接点間の距離を求めよ。
② 共通内接線の接点間の距離を求めよ。
B5【空間図形】★★★
B5-1
正四面体 ABCD において、辺 AB と辺 CD は「交わる・平行・ねじれの位置」のどれにあたるか。また、この2直線のなす角を求めよ。
B5-2
正十二面体(正五角形12枚でできた正多面体)の辺の数と頂点の数を求めよ。
B5-3
空間内の異なる2直線 ℓ、m と平面 α について、次の①〜④の正誤を判定せよ。
① ℓ∥α かつ m∥α ならば ℓ∥m
② ℓ⊥α かつ m⊥α ならば ℓ∥m
③ ℓ∥m かつ ℓ⊥α ならば m⊥α
④ ℓ⊥m かつ ℓ⊥α ならば m∥α
B問題 解答・解説
B1【チェバの定理・メネラウスの定理】
考え方 使い分けの合図:
チェバ … 三角形の内部の1点に3本の線が集まる(「3本が1点で交わる」)
メネラウス … 1本の直線が三角形の3辺(延長含む)を横切る(「1本の直線が串刺し」)
式はどちらも「頂点→分点→頂点→分点→…と一筆書き」で
(AD/DB)×(BE/EC)×(CF/FA)= 1 の形。分子→分母の順を一筆書きの進行方向に合わせるのがすべて。
B1-1解答を見る解答を隠す
解答
直線 MN(= 直線 MNP)が △ABC の辺 AB、BC の延長、CA を横切る → メネラウスの定理。
A → M → B → P → C → N → A と一筆書きして
(AM/MB)×(BP/PC)×(CN/NA) = 1
AM/MB = 1/1、CN/NA = 1/2 だから
(1/1)×(BP/PC)×(1/2) = 1 → BP/PC = 2
よって BP : PC = 2 : 1(P は C 側の延長上)
ポイント AN : NC = 2 : 1 を式に入れるときは進行方向が C → N → A なので CN/NA = 1/2 — 比を「読む向き」の管理がメネラウスの生命線。慣れるまでは図の辺に矢印を書き込む。
B1-2解答を見る解答を隠す
解答
3本の線分 AD、BE、CF が1点 O で交わる → チェバの定理。
(AF/FB)×(BD/DC)×(CE/EA) = 1
(AF/FB)×(2/3)×(1/2) = 1
AF/FB = 3 → AF : FB = 3 : 1
ポイント チェバも一筆書き A → F → B → D → C → E → A。「与えられた2つの比を入れて、残り1つを求める」のが定型。検算:3つの比の積が本当に1になるか代入し直す。
B1-3解答を見る解答を隠す
解答
① 直線 DOC が △ABE を横切るとみて、△ABE にメネラウスの定理:
A → D → B → O → E → C → A の一筆書きで
(AD/DB)×(BO/OE)×(EC/CA) = 1
AD/DB = 1/2、EC/CA = 1/4(AE : EC = 3 : 1 より AC = 4、EC = 1)
(1/2)×(BO/OE)×(1/4) = 1 → BO/OE = 8
よって BO : OE = 8 : 1
② 今度は直線 BOE が △ACD を横切るとみて、△ACD にメネラウス:
(AE/EC)×(CO/OD)×(DB/BA) = 1
(3/1)×(CO/OD)×(2/3) = 1 → CO/OD = 1/2
よって CO : OD = 1 : 2
ポイント メネラウスの応用力は「どの三角形に、どの直線を当てるか」の選択にある。求めたい比(BO : OE)を含む三角形(△ABE)を選び、それを横切る直線(DC)を探す — この「三角形の選び直し」ができれば線分比の問題はほぼ制圧できる。
B2【三角形の五心の応用】
B2-1解答を見る解答を隠す
解答
∠A = 180°−50°−70° = 60°
∠BIC = 90°+∠A/2 = 90°+30° = 120°
∠AIC = 90°+∠B/2 = 90°+25° = 115°
(確認:△AIC で ∠IAC = 30°、∠ICA = 35° → ∠AIC = 180°−65° = 115° ○)
ポイント ∠BIC = 90°+A/2 の「A」はその角と向かい合う頂点の角。∠AIC なら間にない頂点 B の角を使う — 公式の適用先を確認画面(△AIC の内角の和)で毎回検算する癖を。
B2-2解答を見る解答を隠す
解答
① ∠BAC = 25°+35° = 60°
② 中心角は円周角の2倍:∠BOC = 2×60° = 120°
③ OA = OB より △OAB は二等辺で ∠OBA = ∠OAB = 25°
OB = OC より △OBC は二等辺で ∠OBC = (180°−120°)÷2 = 30°
∠ABC = ∠OBA+∠OBC = 25°+30° = 55°
(確認:∠C = ∠OCA+∠OCB = 35°+30° = 65°、60°+55°+65° = 180° ○)
ポイント 外心の角度問題は「半径で二等辺三角形を3つ作る」の一手のみ。等しい角に同じ印をつけながら図を埋めていく。
B2-3解答を見る解答を隠す
解答
① 中線 AM 上で AG : GM = 2 : 1 なので、G から BC までの距離は A から BC までの距離の 1/3。
底辺 BC が共通だから △GBC = (1/3)×△ABC = 36×(1/3) = 12
② M は BC の中点なので △GBM = (1/2)×△GBC = 6
ポイント 「重心は三角形を面積の等しい3つ(△GAB、△GBC、△GCA)に分ける」— ①はその一般法則の確認。面積比は「底辺の比 × 高さの比」に分解して考える。
B3【円の定理の融合】
B3-1解答を見る解答を隠す
解答
P は円の外部で、2本の割線に方べきの定理:
PA×PB = PC×PD
PB = 3+5 = 8 だから 3×8 = 4×PD → PD = 6
CD = PD−PC = 6−4 = 2
ポイント 外部の点でも式は同じ PA×PB = PC×PD(「P から2交点まで」の積)。CD を PD と混同しない — 求めた量が問われた量か、最後に問題文へ戻って確認。
B3-2解答を見る解答を隠す
解答
接弦定理より、接線 AT と弦 AB のなす角は弧 AB に対する円周角に等しい:
∠ACB = ∠TAB = 55°
△ABC の内角の和より ∠ABC = 180°−60°−55° = 65°
ポイント 接弦定理は「円周角が測りにくい角を、接線側の測りやすい角に移す」道具。移した後はただの三角形の角度計算。
B3-3解答を見る解答を隠す
解答
① ∠ADB と ∠ACB は同じ弧 AB に対する円周角なので
∠ADB = ∠ACB = 30°
② △EBC において、∠EBC = ∠DBC = 45°、∠ECB = ∠ACB = 30°
∠BEC = 180°−45°−30° = 105°
ポイント 円の角度問題の基本動作は「同じ弧を見つけて角を移送する」。対角線の交点まわりの角は、円周角で外側へ逃がしてから三角形で集計する。
B4【2つの円】
考え方 2円の位置関係は、中心間の距離 d と「半径の和 r+r'、差 r−r'」の大小比較で5パターンに分類される:
離れる(d > 和)/外接(d = 和)/2点で交わる(差 < d < 和)/内接(d = 差)/一方が内部(d < 差)
共通接線の本数は順に 4、3、2、1、0 本 — 位置関係とセットで覚える。
B4-1解答を見る解答を隠す
解答
半径の和 = 8、差 = 2
① 外接 ⇔ d = 和 → d = 8
② 内接 ⇔ d = 差 → d = 2
③ 2点で交わる ⇔ 差 < d < 和 → 2 < d < 8
ポイント ③は「三角形の成立条件(2円の中心と交点で三角形ができる)」と同じ形 — 第7章 A8 とつながっている。
B4-2解答を見る解答を隠す
解答
和 = 6、差 = 2
① d = 10 > 6 → 離れている → 4本
② d = 6 = 和 → 外接 → 3本(外接線2本+接点を通る1本)
③ 2 < 3 < 6 → 2点で交わる → 2本(外接線のみ)
ポイント 本数の変化(4→3→2→1→0)は、円が近づくにつれ接線が1本ずつ消えていくアニメーションで覚える。境目(接するとき)で本数が奇数になる。
B4-3解答を見る解答を隠す
解答
① 共通外接線:接点を A(円O側)、B(円O'側)とする。O' から OA に垂線 O'H を下ろすと、四角形 ABO'H は長方形で OH = 3−1 = 2。
直角三角形 OO'H で AB = O'H = √(OO'²−OH²) = √(36−4) = √32 = 4√2
② 共通内接線:同様に垂線を作ると、直角三角形の一辺は半径の和 3+1 = 4。
接点間の距離 = √(36−16) = √20 = 2√5
ポイント 接線の長さは「中心線を斜辺、半径の差(外接線)または和(内接線)を1辺とする直角三角形」から三平方で。「外は差・内は和」— 図を描けば、内接線は半径が反対向きに立つので和になる理由が見える。
B5【空間図形】
B5-1解答を見る解答を隠す
解答
辺 AB と辺 CD は共有点をもたず、同一平面上にもないのでねじれの位置。
なす角:CD の中点を M とすると、△ACD と △BCD は正三角形なので AM⊥CD、BM⊥CD。
よって CD は平面 ABM に垂直であり、平面 ABM 上の直線 AB とも垂直。
なす角は 90°
ポイント ねじれの位置にある2直線のなす角は「一方を平行移動して交わらせて測る」のが定義だが、本問のように「直線⊥平面 → その平面上のすべての直線と垂直」で示すのが正四面体の定石。「正四面体の対辺は垂直」は結果として記憶してよい。
B5-2解答を見る解答を隠す
解答
面は正五角形が12枚。各辺は2枚の面に共有されるので
e = (12×5)÷2 = 30
オイラーの多面体定理より v = e−f+2 = 30−12+2 = 20
ポイント A9-1 と同じ2段構え(辺→オイラー)。正多面体5種(4・6・8・12・20面体)はすべてこの計算で v、e、f を再現できる。
B5-3解答を見る解答を隠す
解答
① 誤り。ℓ と m は交わることも、ねじれの位置にあることもある(例:床に平行な2本の鉛筆は好きな向きに置ける)。
② 正しい。同じ平面に垂直な2直線は平行。
③ 正しい。平行な直線の一方が α に垂直なら他方も垂直。
④ 誤り。m が α に含まれる場合がある(m∥α とは限らない)。
ポイント 空間の正誤判定は「反例を身の回りの部屋(床・壁・柱)で探す」のが最速。④のような「含まれるケースの見落とし」が定番の罠 — 「平行」の定義(共有点なし)に、面内の直線は当てはまらない。
実戦問題(共通テスト形式)
実戦7-1【三角形の線分比の総合】★★★
△ABC において、辺 AB を 3 : 1 に内分する点を D、辺 AC を 2 : 3 に内分する点を E とする。線分 BE と CD の交点を O とし、直線 AO と辺 BC の交点を F とする。
① BF : FC = [ア] : [イ] である。
② BO : OE = [ウ] : [エ] である。
③ AO : OF = [オカ] : [キ] である。
④ △ABC の面積を S とすると、△OBC の面積は ([ク]/[ケコ])S である。
実戦7-2【接線・接弦定理・方べきの融合】★★★
円の外部の点 P からこの円に接線を引き、接点を T とする。また、P を通る直線がこの円と2点 A、B で交わっており、PA = 4、AB = 5(PA < PB)である。
① PT = [ア] である。
② ∠PTA = 35° のとき、∠TBA = [イウ]° である。
③ △PTA と △PBT は相似であり、相似比は [エ] : [オ] である。
④ TB = 6 のとき、TA = [カ] である。
実戦問題 解答・解説
実戦7-1
考え方 ①はチェバ(3本が1点 O に集中)、②③はメネラウス(1本の直線が三角形を串刺し)。同じ図でも、注目する三角形と直線を選び直すたびに違う比が手に入る — B1-3 で練習した「三角形の選び直し」の集大成。④は「高さの比 = AO 方向の比」への翻訳。
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解答
① AD、BE、CF ならぬ AF、BE、CD の3本が点 O で交わる → チェバの定理:
(AD/DB)×(BF/FC)×(CE/EA) = 1
(3/1)×(BF/FC)×(3/2) = 1 → BF/FC = 2/9
BF : FC = 2 : 9(ア = 2、イ = 9)
② △ABE を直線 DC が横切る → メネラウスの定理:
(AD/DB)×(BO/OE)×(EC/CA) = 1
AE : EC = 2 : 3 より EC/CA = 3/5 だから
(3/1)×(BO/OE)×(3/5) = 1 → BO/OE = 5/9
BO : OE = 5 : 9(ウ = 5、エ = 9)
③ △ABF を直線 DC が横切る → メネラウスの定理:
(AD/DB)×(BC/CF)×(FO/OA) = 1
①より BC : CF = 11 : 9 だから
(3/1)×(11/9)×(FO/OA) = 1 → FO/OA = 3/11
AO : OF = 11 : 3(オカ = 11、キ = 3)
④ △OBC と △ABC は底辺 BC が共通なので、面積比は高さの比 = OF : AF = 3 : 14。
よって △OBC = (3/14)S(ク = 3、ケコ = 14)
ポイント
• ②と③は「求めたい比を含む三角形」を選んでから、それを串刺しにする直線を探す:BO : OE → △ABE、AO : OF → △ABF。選び方は一意ではないが、この2択が最短。
• ④の「底辺共通 → 面積比 = 高さの比 = 頂点方向の線分比」は、線分比を面積比へ変換する常套手段。③の結果がそのまま部品になる誘導設計。
• 検算:比の値をすべて座標(たとえば A(0,0)、B(4,0)、C(0,5))で置いて確かめられる — 時間のある復習時に一度やっておくと信頼感が増す。
実戦7-2
考え方 ①は方べき、②は接弦定理、③は「その2つを生む親」である相似 — 実は方べきの定理の証明そのものをなぞる誘導。④は相似比の利用。定理を「使う」だけでなく「なぜ成り立つか」まで問うのが共通テスト流。
実戦7-2解答を見る解答を隠す
解答
① PB = 4+5 = 9。方べきの定理より
PT² = PA×PB = 4×9 = 36 → PT = 6(ア = 6)
② 接弦定理より、接線 PT と弦 TA のなす角は、弦 TA に対する円周角に等しい:
∠TBA = ∠PTA = 35°(イウ = 35)
③ △PTA と △PBT において、
∠P は共通、∠PTA = ∠PBT(②の接弦定理。A は線分 PB 上なので ∠PBT = ∠TBA)
2組の角がそれぞれ等しいので △PTA ∽ △PBT
相似比は PT : PB = 6 : 9 = 2 : 3(エ = 2、オ = 3)
④ 対応する辺の比より TA : BT = 2 : 3
TB = 6 のとき TA = 6×(2/3) = 4(カ = 4)
ポイント
• ③の相似から PT/PB = PA/PT、すなわち PT² = PA×PB — 方べきの定理は相似の言い換えだと分かる。定理の証明の流れを設問化するのは共通テストの定番手法なので、主要定理(方べき・接弦・円周角)は証明の筋も一度追っておく。
• 対応順に注意:△PTA ∽ △PBT(T↔B、A↔T)。対応を正しく書けば ④ の TA : BT = PT : PB = 2 : 3 が機械的に読める。
第8章 整数の性質
現行課程の共通テストでは出題範囲外だが、国公立2次・私大では最頻出分野のひとつで、論証力の土台にもなる。道具は少ない(素因数分解・互除法・余りの分類・不定方程式)ので、「どの道具をいつ抜くか」を例題で体に入れる。B1(不定方程式)とB2(証明)がこの章の主役。
この章の公式・要点まとめ
素因数分解まわり
• 約数の個数 =(指数+1)の積/約数の総和 =(各素数のべきの和)どうしの積
• 平方数 ⇔ 素因数分解の指数がすべて偶数(不足分だけ補う)
• n! の中の素数 p の個数 = n/p の商 + n/p² の商 + …(末尾の0は素因数5の個数)
最大公約数 G・最小公倍数 L
• 素因数ごとに G = min、L = max/ab = G×L
• G でくくる置き方:a = Gm、b = Gn(m と n は互いに素)→ L = Gmn
• ユークリッドの互除法:gcd(a, b) = gcd(b, 余り) を割り切れるまで繰り返す
余りの扱い
• 余りで全整数を分類:n = 3k、3k+1、3k+2 など(場合を尽くす)
• 和・積の余りは「余りどうしを計算してもう一度割る」でよい
• n² を3や4で割った余りは 0 か 1 のみ/連続2整数の積は偶数、連続3整数の積は6の倍数
• 奇数の平方 −1 は8の倍数
1次不定方程式 ax+by = c
• 解が存在 ⇔ c が gcd(a, b) の倍数
• 手順:特殊解を1組(小さい値の代入 or 互除法を逆にたどる)→ 差をとって = 0 → 「a と b は互いに素だから倍数」→ k で一般解
• 「7で割ると3余り、5で割ると2余る」型 → 不定方程式に翻訳(答えの周期は最小公倍数)
n進法
• n進 → 10進:位取りの重み(…、n³、n²、n、1)を掛けて足す
• 10進 → n進:整数部は「割って余りを下から」、小数部は「掛けて整数部を上から」
• n進法でちょうど d 桁 ⇔ nᵈ⁻¹ ≦ N ≦ nᵈ−1
• 2進 ⇔ 8進は下から3桁ずつ区切って直行変換
A問題(基礎完成)— 解答は各問のすぐ下
A1【約数の個数と総和】★★
A1-1
288 の正の約数の個数と、正の約数の総和を求めよ。
A1-1解答を見る解答を隠す
解答
素因数分解:288 = 2⁵×3²
約数の個数 = (5+1)×(2+1) = 18個
約数の総和 = (1+2+4+8+16+32)×(1+3+9) = 63×13 = 819
ポイント 約数は「2を何個使うか(0〜5の6通り)」×「3を何個使うか(0〜2の3通り)」の選び方と1対1。だから個数は(指数+1)の積、総和は各素数のべきの和どうしの積(展開すると全約数が1回ずつ現れる)。
A1-2(類題)
72 の正の約数の個数と総和を求めよ。
A1-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
72 = 2³×3²
個数 = 4×3 = 12個
総和 = (1+2+4+8)×(1+3+9) = 15×13 = 195
ポイント すべては素因数分解から始まる — 整数問題の第一手はほぼこれ。
A2【最大公約数・最小公倍数】★
A2-1
60 と 72 の最大公約数 G と最小公倍数 L を求めよ。
A2-1解答を見る解答を隠す
解答
60 = 2²×3×5、72 = 2³×3²
G は共通部分(指数の小さい方):2²×3 = 12
L は全部を覆う(指数の大きい方):2³×3²×5 = 360
ポイント 素因数ごとに「min をとれば G、max をとれば L」。検算:G×L = 12×360 = 4320 = 60×72(2数の積 = G×L)。
A2-2(類題)
2つの自然数 a、b の最大公約数が 6、最小公倍数が 180 である。
① a×b の値を求めよ。
② a = 30 のとき、b を求めよ。
A2-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
① a×b = G×L = 6×180 = 1080
② b = 1080÷30 = 36
(確認:30 = 2×3×5、36 = 2²×3² → G = 6、L = 180 ○)
ポイント 関係式 ab = GL は「a = Gm、b = Gn(m、n は互いに素)とおくと L = Gmn」から出る。この「G でくくって互いに素を作る」置き方は B4 で主役になる。
A3【ユークリッドの互除法】★★
A3-1
互除法を用いて、391 と 253 の最大公約数を求めよ。
A3-1解答を見る解答を隠す
解答
391 = 253×1+138
253 = 138×1+115
138 = 115×1+23
115 = 23×5(割り切れた)
よって最大公約数は 23
ポイント 原理は「gcd(a, b) = gcd(b, a を b で割った余り)」— 割っては余りに乗り換える、を割り切れるまで繰り返す。素因数分解しにくい大きな数で威力を発揮する。
A3-2(類題)
互除法を用いて、816 と 374 の最大公約数を求めよ。
A3-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
816 = 374×2+68
374 = 68×5+34
68 = 34×2(割り切れた)
よって最大公約数は 34
ポイント 各行の検算(掛けて足すと元に戻るか)をその場で行う。最後に割り切ったときの「割る数」が答え(余り0の行の余りではない)。
A4【余りによる整数の分類】★★
A4-1
整数 a を7で割ると3余り、整数 b を7で割ると5余る。
① a+b を7で割った余りを求めよ。
② ab を7で割った余りを求めよ。
A4-1解答を見る解答を隠す
解答
a = 7q+3、b = 7q'+5(q、q' は整数)とおける。
① a+b = 7(q+q')+8 = 7(q+q'+1)+1 → 余り 1
② ab = 49qq'+35q+21q'+15 = 7(7qq'+5q+3q'+2)+1 → 余り 1
ポイント 結論だけ見ると「余りどうしを足す・掛けてから7で割ればよい」(3+5 = 8 → 1、3×5 = 15 → 1)。この"余りの世界の計算"の正当化が上の式変形 — 大きな数のべき乗の余りなどで絶大な威力を持つ。
A4-2(類題)
整数 n について、n² を3で割った余りは 0 または 1 に限ることを示せ。
A4-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
《証明》すべての整数は n = 3k、3k+1、3k+2(k は整数)のいずれかで表せる。
(i) n = 3k のとき n² = 9k² = 3×3k² → 余り 0
(ii) n = 3k+1 のとき n² = 9k²+6k+1 = 3(3k²+2k)+1 → 余り 1
(iii) n = 3k+2 のとき n² = 9k²+12k+4 = 3(3k²+4k+1)+1 → 余り 1
以上より、n² を3で割った余りは 0 または 1 に限る。∎
ポイント 「余りで全整数を分類して尽くす」— 整数の証明の基本フォーム。「平方数を3で割ると余り2にならない」「4で割ると余りは0か1」は準公式として頻出(不定方程式の解なし証明などで使う)。
A5【1次不定方程式(整数解を1組)】★★
A5-1
方程式 3x+7y = 1 を満たす整数 x、y の組を1つ求めよ。
A5-1解答を見る解答を隠す
解答
y = 1 とすると 3x = −6 → x = −2
よって (x, y) = (−2, 1)(3×(−2)+7×1 = −6+7 = 1 ○)
ポイント 特殊解(1組の解)は小さい値の代入で探してよい(y = 0, ±1, ±2, … と順に試す)。見つけたら必ず代入して検算。
A5-2(類題)
方程式 5x+3y = 1 を満たす整数 x、y の組を1つ求めよ。
A5-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
x = −1 とすると 3y = 6 → y = 2
よって (x, y) = (−1, 2)(−5+6 = 1 ○)
ポイント 係数が大きくて見つからないときは互除法を逆にたどる方法がある(実戦8-1で扱う)。まずは「探せば見つかる」規模で手を速くする。
A6【n進法】★★
A6-1
3進法で表された数 2101₍₃₎ を10進法で表せ。
A6-1解答を見る解答を隠す
解答
2101₍₃₎ = 2×3³+1×3²+0×3+1×1
= 54+9+0+1 = 64
ポイント n進法の各桁は「nのべき乗が何個あるか」。位取りの重み(…、n³、n²、n、1)を右から書いてから掛けると事故らない。
A6-2(類題)
① 45 を3進法で表せ。
② 13 を2進法で表せ。
A6-2(類題)解答を見る解答を隠す
解答
① 45÷3 = 15 余り 0、15÷3 = 5 余り 0、5÷3 = 1 余り 2、1÷3 = 0 余り 1
余りを下から読んで 1200₍₃₎
② 13÷2 = 6 余り 1、6÷2 = 3 余り 0、3÷2 = 1 余り 1、1÷2 = 0 余り 1
→ 1101₍₂₎
ポイント 10進 → n進は「n で割り続けて余りを下から読む」。検算は逆変換(1200₍₃₎ = 27+9×2 = 45 ○)。10進 → と ← の両方向を往復できて一人前。
B問題(応用力養成)
※解答・解説・ポイントは本章末尾にまとめて掲載。B1(不定方程式)とB2(証明)が二次試験の主戦場。
B1【1次不定方程式(一般解・応用)】★★★
B1-1
方程式 4x+9y = 3 のすべての整数解を求めよ。
B1-2
方程式 7x−5y = 1 のすべての整数解を求めよ。
B1-3
7で割ると3余り、5で割ると2余る自然数のうち、最小のものを求めよ。また、このような自然数はどのような数か。
B2【整数の性質の証明】★★★
B2-1
n が整数のとき、n²+n+1 は奇数であることを証明せよ。
B2-2
連続する3つの整数の積は6の倍数であることを証明せよ。
B2-3
n が奇数のとき、n²−1 は8の倍数であることを証明せよ。
B3【素因数分解の応用】★★★
B3-1
√(540n) が自然数となるような最小の自然数 n を求めよ。
B3-2
25! を計算すると、末尾に 0 が連続して何個並ぶか。
B3-3
正の約数がちょうど6個である自然数のうち、最小のものを求めよ。
B4【最大公約数・最小公倍数の応用】★★★
B4-1
最大公約数が 8、最小公倍数が 240 であるような2つの自然数の組 (a, b)(ただし a < b)をすべて求めよ。
B4-2
縦 126 cm、横 168 cm の長方形の壁に、同じ大きさの正方形のタイルをすき間なく重なりなく敷き詰めたい。タイルをできるだけ大きくするとき、タイルの1辺の長さと必要な枚数を求めよ。
B4-3
n と 24 の最小公倍数が 168 となるような自然数 n をすべて求めよ。
B5【n進法の応用】★★★
B5-1
ある自然数 N を7進法で表すと2桁の数 ab₍₇₎ となり、その数字の並びを逆にした ba₍₇₎ は N より 18 小さい。このような N をすべて(10進法で)求めよ。
B5-2
2進法で 110101₍₂₎ と表される数を、10進法と8進法でそれぞれ表せ。
B5-3
① 10進法の小数 0.375 を2進法で表せ。
② 3進法の小数 0.121₍₃₎ を10進法の分数で表せ。
B問題 解答・解説
B1【1次不定方程式】
考え方 一般解の手順は完全な定型:
「(1) 特殊解を1組見つける (2) もとの式との差をとって = 0 の形にする (3) 互いに素を使って"倍数"を導き、k で表す」
(3) の「互いに素だから」の一文が論述の核心 — 省くと減点対象。
B1-1解答を見る解答を隠す
解答
x = 3、y = −1 は 4×3+9×(−1) = 3 を満たす(特殊解)。
4x+9y = 3 との差をとると
4(x−3)+9(y+1) = 0 すなわち 4(x−3) = −9(y+1)
4 と 9 は互いに素だから、x−3 は 9 の倍数。x−3 = 9k(k は整数)とおくと
4×9k = −9(y+1) → y+1 = −4k
よって x = 9k+3、y = −4k−1(k は整数)
ポイント 検算:k = 0 で (3, −1)、k = 1 で (12, −5) → 48−45 = 3 ○。答えの表し方は特殊解の選び方で見た目が変わってよい(例:x = 9k−6、y = −4k+3 も同じ解の集合)。
B1-2解答を見る解答を隠す
解答
x = 3、y = 4 は 7×3−5×4 = 1 を満たす。
差をとって 7(x−3)−5(y−4) = 0 すなわち 7(x−3) = 5(y−4)
7 と 5 は互いに素だから x−3 = 5k とおけて、y−4 = 7k。
よって x = 5k+3、y = 7k+4(k は整数)
ポイント 符号が混ざった式でも手順は同じ。「x の増分は相手の係数刻み、y の増分は自分の係数刻み」という構造(解は等間隔に並ぶ)を意識すると検算が速い。
B1-3解答を見る解答を隠す
解答
求める自然数を n とすると、整数 a、b を用いて
n = 7a+3 = 5b+2
7a−5b = −1 の整数解を探す:a = 2、b = 3 が満たす(14−15 = −1)。
差をとって 7(a−2) = 5(b−3)。7 と 5 は互いに素だから a−2 = 5k、b−3 = 7k。
a = 5k+2 より n = 7(5k+2)+3 = 35k+17
k = 0 のとき最小で n = 17。すなわち、このような自然数は「35で割ると17余る数」である。
(検算:17÷7 = 2 余り 3 ○、17÷5 = 3 余り 2 ○)
ポイント 「2つの割り算条件 → 不定方程式」への翻訳が第一歩。答えの周期が 35(= 7×5、2つの法の最小公倍数)になるのは必然 — 小さい候補(3, 10, 17, …と 2, 7, 12, 17, …)を書き出して 17 を先に見つけ、一般形を 35k+17 と主張する解法も実戦的。
B2【整数の性質の証明】
考え方 倍数証明の3種の神器:
「① 偶奇や余りで分類する(n = 2k, 2k+1 など) ② 連続する整数の積を作る ③ 因数分解して構造を見せる」
どれで書くかを決めてから答案に入る。
B2-1解答を見る解答を隠す
解答
《証明》n²+n+1 = n(n+1)+1
n(n+1) は連続する2つの整数の積だから偶数である。
よって n²+n+1 =(偶数)+1 となり、奇数である。∎
ポイント 「連続2整数の積は偶数」(どちらかが必ず偶数)は証明の万能部品。n = 2k、2k+1 の場合分けでも示せるが、この一行の方が美しく速い。
B2-2解答を見る解答を隠す
解答
《証明》連続する3つの整数を n、n+1、n+2 とする。
連続する2つの整数 n、n+1 のいずれかは偶数なので、積 n(n+1)(n+2) は 2 の倍数。
また、連続する3つの整数には 3 の倍数がちょうど1つ含まれるので、積は 3 の倍数。
2 と 3 は互いに素だから、積は 6 の倍数である。∎
ポイント 「2の倍数かつ3の倍数 → 6の倍数」の合わせ技(2 と 3 が互いに素であることが根拠)。一般に「連続 k 整数の積は k! の倍数」まで知っておくと視界が広がる。
B2-3解答を見る解答を隠す
解答
《証明》n は奇数なので n = 2k+1(k は整数)とおける。
n²−1 = (n+1)(n−1) = (2k+2)×2k = 4k(k+1)
k(k+1) は連続する2つの整数の積だから偶数であり、k(k+1) = 2m(m は整数)と表せる。
よって n²−1 = 4×2m = 8m となり、8 の倍数である。∎
ポイント 因数分解(②③)→ 連続2整数の積(②)のコンボ。「4の倍数」で止めず、k(k+1) の偶数性でもう一段掘るのが本問の核心。「奇数の平方を8で割ると1余る」は準公式。
B3【素因数分解の応用】
B3-1解答を見る解答を隠す
解答
540 = 2²×3³×5
√(540n) が自然数 ⇔ 540n が平方数 ⇔ 素因数分解のすべての指数が偶数。
3 の指数 3 と 5 の指数 1 が奇数なので、n で 3×5 を補えばよい。
最小の n = 3×5 = 15(このとき 540×15 = 8100 = 90²)
ポイント 「平方数 ⇔ 指数がすべて偶数」。足りない素因数だけを最小限補う。立方数なら「指数がすべて3の倍数」— 同じ発想で拡張できる。
B3-2解答を見る解答を隠す
解答
末尾の 0 の個数は、25! に含まれる因数 10 = 2×5 の個数。2 は 5 より豊富にあるので、素因数 5 の個数で決まる。
1〜25 のうち、5 の倍数は 25÷5 = 5 個
さらに 25 = 5² は 5 をもう1個持つ:25÷25 = 1 個
よって 5 の個数は 5+1 = 6 → 末尾の 0 は 6個
ポイント 「n! の中の素数 p の個数 = n/p の商 + n/p² の商 + n/p³ の商 + …」(ルジャンドルの公式の考え方)。25 のような p² の倍数が2重に数えられる仕組みを理解しておく。
B3-3解答を見る解答を隠す
解答
約数の個数が 6 になる素因数分解の型は、6 = 6×1 = 2×3 より
(i) p⁵ 型(個数 5+1 = 6):最小は 2⁵ = 32
(ii) p²×q 型(個数 3×2 = 6):最小は 2²×3 = 12
比べて、最小の自然数は 12(約数:1, 2, 3, 4, 6, 12 ○)
ポイント A1 の公式の逆問題:「個数 → 指数の型」を積の分解から列挙する。小さくするコツは「大きい指数を小さい素数(2)に割り当てる」。
B4【最大公約数・最小公倍数の応用】
B4-1解答を見る解答を隠す
解答
最大公約数が 8 なので、a = 8m、b = 8n(m と n は互いに素、m < n)とおける。
最小公倍数は 8mn = 240 → mn = 30
互いに素で m < n となる組は
(m, n) = (1, 30), (2, 15), (3, 10), (5, 6)
よって (a, b) = (8, 240), (16, 120), (24, 80), (40, 48) の4組
ポイント 「G でくくって互いに素の m、n を作る」— 最大公約数がらみの問題の必勝の置き方。(6, 5) を数え直さない(m < n の指定)、そして (5, 6) は互いに素かの確認 — mn = 30 でも (m, n) = (6, 5) 以外に「互いに素でない組」はないかを毎回チェックする((2,15)○、(3,10)○ … 30 = 2×3×5 で素因数がばらけるため全組互いに素)。
B4-2解答を見る解答を隠す
解答
タイルの1辺は 126 と 168 の公約数で、最大にするなら最大公約数。
126 = 2×3²×7、168 = 2³×3×7 → G = 2×3×7 = 42 cm
枚数は (126÷42)×(168÷42) = 3×4 = 12枚
ポイント 「すき間なく敷き詰める → 辺の長さが両方を割り切る → 公約数」。逆に「タイルを並べて正方形を作る」なら最小公倍数 — 割る話は G、そろえる話は L。
B4-3解答を見る解答を隠す
解答
168 = 2³×3×7、24 = 2³×3
lcm(n, 24) = 168 となる条件を素因数ごとに考える:
• 素因数 7:24 は 7 を持たないので、n が 7¹ をちょうど1個持つことが必要
• 素因数 2:max(nの指数, 3) = 3 → n の指数は 0〜3 の4通り
• 素因数 3:max(nの指数, 1) = 1 → n の指数は 0〜1 の2通り
よって n = 2ᵃ×3ᵇ×7(a = 0〜3、b = 0〜1)の 4×2 = 8個:
n = 7, 14, 21, 28, 42, 56, 84, 168
ポイント 最小公倍数の条件は「素因数ごとに max の方程式」に分解する。「n は 168 の約数で、かつ 7 の倍数」と言い換えても同じ8個 — 2通りの整理法で検算できる。
B5【n進法の応用】
B5-1解答を見る解答を隠す
解答
N = ab₍₇₎ = 7a+b、逆にした数は ba₍₇₎ = 7b+a(1 ≦ a ≦ 6、0 ≦ b ≦ 6、a、b は整数)
条件より (7a+b)−(7b+a) = 18
6(a−b) = 18 → a−b = 3
(a, b) = (3, 0), (4, 1), (5, 2), (6, 3)
よって N = 21, 29, 37, 45
(検算:29 = 41₍₇₎、逆は 14₍₇₎ = 11、差は 18 ○)
ポイント 記数法の文章題は「位取りの式で文字におく」(ab₍₇₎ = 7a+b)が第一手。桁の範囲(a は先頭なので 1 以上、7進法なので 6 以下)という隠れた条件を忘れると解が増減する。
B5-2解答を見る解答を隠す
解答
110101₍₂₎ = 32+16+0+4+0+1 = 53
8進法へは、8 = 2³ を利用して2進法の桁を下から3桁ずつ区切る:
110|101 → 110₍₂₎ = 6、101₍₂₎ = 5
よって 65₍₈₎(検算:6×8+5 = 53 ○)
ポイント 2進 ⇔ 8進(3桁ずつ)、2進 ⇔ 16進(4桁ずつ)の直行変換は、8 や 16 が 2 のべき乗だから成り立つ。10進を経由するより速く、情報分野でも常識の技。
B5-3解答を見る解答を隠す
解答
① 小数は「2を掛けて整数部分を取り出す」を繰り返す:
0.375×2 = 0.75 → 0
0.75×2 = 1.5 → 1
0.5×2 = 1.0 → 1(終了)
上から読んで 0.011₍₂₎(検算:1/4+1/8 = 3/8 = 0.375 ○)
② 小数の位取りは 1/3、1/9、1/27、…:
0.121₍₃₎ = 1/3+2/9+1/27 = 9/27+6/27+1/27 = 16/27
ポイント 整数部分は「割って余りを下から」、小数部分は「掛けて整数部を上から」— 対になる手順。小数の重みが 1/n、1/n²、… になる理由(位取りの延長)ごと理解する。
実戦問題(誘導つき総合形式)
実戦8-1【互除法と不定方程式】★★★
① 互除法により、91 と 33 の最大公約数は [ア] である。
② ①の互除法の計算を逆にたどることにより、91x+33y = 1 の整数解の1つとして
(x, y) = ([イ], [ウエオ]) が得られる。
③ 91x+33y = 1 のすべての整数解は、整数 k を用いて
x = [カキ]k+[ク]、y = −[ケコ]k−[サシ]
と表される。
④ 91x+33y = 3 を満たす整数解のうち、x が最小の自然数となるものは
x = [スセ]、y = [ソタチ] である。
実戦8-2【n進法の総合】★★★
① 5進法で表された数 2034₍₅₎ を10進法で表すと [アイウ] である。
② [アイウ] を7進法で表すと [エオカ]₍₇₎ である。
③ 2進法で表すとちょうど7桁になる自然数 N の範囲は [キク] ≦ N ≦ [ケコサ] であり、このような N は全部で [シス] 個ある。
④ 2進法の小数 0.101₍₂₎ を10進法の分数で表すと [セ]/[ソ] である。
実戦問題 解答・解説
実戦8-1
考え方 「互除法 → 逆にたどって特殊解 → 一般解 → 条件を満たす解の選び出し」という、不定方程式のフルコースの標準ルート。A5 では"探して"見つけた特殊解を、係数が大きいときに機械的に作り出すのが②の技術。
実戦8-1解答を見る解答を隠す
解答
① 91 = 33×2+25
33 = 25×1+8
25 = 8×3+1
8 = 1×8(割り切れた)
よって最大公約数は 1(ア = 1)— 91 と 33 は互いに素。
② 余り = の形に直して、下から順に代入で消していく:
1 = 25−8×3
= 25−(33−25×1)×3 = 25×4−33×3
= (91−33×2)×4−33×3 = 91×4−33×11
よって 91×4+33×(−11) = 1 より (x, y) = (4, −11)(イ = 4、ウエオ = −11)
③ 91x+33y = 1 と 91×4+33×(−11) = 1 の差をとって
91(x−4)+33(y+11) = 0 すなわち 91(x−4) = −33(y+11)
91 と 33 は互いに素だから x−4 = 33k とおけて、y+11 = −91k。
x = 33k+4、y = −91k−11(カキ = 33、ク = 4、ケコ = 91、サシ = 11)
④ ②の両辺を3倍して 91×12+33×(−33) = 3 → 特殊解 (12, −33)
一般解は x = 33k+12、y = −91k−33。
x = 33k+12 が自然数として最小になるのは k = 0 のとき:
x = 12、y = −33(スセ = 12、ソタチ = −33)
(検算:91×12+33×(−33) = 1092−1089 = 3 ○)
ポイント
• ②の「逆にたどる」は、各行を「余り = 元の数 − 割る数×商」の形に書き直してから下から代入、が迷わない書式。符号ミスが起こりやすいので、最後に必ず 91×4−33×11 = 364−363 = 1 と検算。
• ④は「= 1 の解を定数倍して = 3 の特殊解を作る」— 右辺が最大公約数の倍数のときだけ解が存在する(だから①で gcd = 1 を確かめた)、という存在条件まで意識できると完璧。
実戦8-2
考え方 n進法の4大操作(n進→10進、10進→n進、桁数の範囲、小数)を一気に確認する構成。③は「7桁」という日本語を不等式に翻訳できるかが勝負。
実戦8-2解答を見る解答を隠す
解答
① 2034₍₅₎ = 2×5³+0×5²+3×5+4 = 250+0+15+4 = 269(アイウ = 269)
② 269÷7 = 38 余り 3
38÷7 = 5 余り 3
5÷7 = 0 余り 5
余りを下から読んで 533₍₇₎(エオカ = 533)
(検算:5×49+3×7+3 = 245+21+3 = 269 ○)
③ 2進法で7桁 ⇔ 最小の7桁 1000000₍₂₎ = 2⁶ 以上、最大の7桁 1111111₍₂₎ = 2⁷−1 以下
64 ≦ N ≦ 127(キク = 64、ケコサ = 127)
個数は 127−64+1 = 64個(シス = 64)
④ 0.101₍₂₎ = 1/2+0/4+1/8 = 4/8+1/8 = 5/8(セ = 5、ソ = 8)
ポイント
• ③の一般形:「n進法でちょうど d 桁 ⇔ nᵈ⁻¹ ≦ N ≦ nᵈ−1」。個数は nᵈ−nᵈ⁻¹ = nᵈ⁻¹(n−1) 個(本問なら 2⁶×1 = 64 個)と公式的にも出せる — 2通りで一致すれば安心。
• 「以上・以下」の端の処理(+1 を忘れて63個としない)は第1章 A9 以来の頻出注意点。個数の数え上げは「最後 − 最初 + 1」。
おわりに
「数学I・A 例題マスター」はこれで完結です。
A問題(基礎網羅・全126題)→ B問題(応用・全121題)→ 実戦問題(全14題)、小問を含めて300問超。
使い方(冒頭)のとおり、A問題の反復 → B問題の「考え方」の言語化 → 実戦問題で誘導を読む練習、の順で回してください。仕上げの目安は「B問題を、章末解説を見ずに再現できること」です。